RISE weblog

RISE Productionアートディレクターの佐藤です、仕事上で感じた事からプライベートな事まで、こちらのブログに書いていこうと思います。

生物学から学ぶ変化に強い企業

社会の変化が試練をもたらす


昨日見た日経に、こんな記事がありました。もう耳にタコが出来そうですが、物が売れないのです。


 百貨店業界の7月の売上高(店舗数調整後)は前年比2.5%減と、5カ月連続の前年割れとなった。また新車販売台数は7月こそ前年比3.6%増と一時的にプラスになったものの、8月は10.7%減と、大幅な前年割れとなった。

 現在の消費不況を深刻化させている最大の要因は、景気悪化・物価上昇・将来不安などにより、消費者心理が著しく悪化していることにある。内閣府の消費動向調査によれば、消費者心理の強さを示す消費者態度指数は、坂道を転げ落ちるように下落している。


 アメリカではサブプライム問題から、金融危機が言われていましたが、リーマン・ブラザースは会社更生法を申請し、AIGは公的資金投入で救済されました、この金融不安はいつまで続くのでしょうか。不安ばかり煽るわけではありませんが、この先人口は確実に減ってきます。子供のいない世帯も増え、ファミリーをターゲットにした商売も、今よりも難しくなるでしょう。

 所得の上昇は伸び悩む変わりに、物価は上昇し社会保障費も負担が増え、可処分所得が目減りして行くことで、自由に使えるお金も少なくなることから、消費全体に影響が出てきています。こうゆう社会現象の変化が「試練」なんでしょう。・・・誰に対しての「試練」か?って、大量生産・大量消費にオプティマイズされた、我々日本人にって言うことで。(でかい風呂敷だな?)




生物は多様性をもって変化に対処します


 人間を含めた生物は、環境の変化を克服し生き残っていくために、同一タイプの生き物ではなく、様々なタイプを生み出します。例えて言えば学校という社会の中で、勉強が出来る子供がクラスの中でもてはやされ、社会の中でも勉強できる子がよい子だと、マジョリティとして認知され、受験に強い頭の良い子が集まる学校が出来ます。

 そんな学校生活の中でも勉強のプライオリティーが高い学校として、生徒もたくさん集まり学校経営も安定していたとします。・・・ある日突然、野球部が突然選抜高校野球に選ばれ、春の甲子園に出場が決まり、進学校でも運動にも力を入れる学校と報道され、ひょっとしたら勉強よりも野球が一時もてはやされるようになる、かもしれません。

 ・・・これが一つの外的要因による環境の変化としましょう。生物は環境の変化に対応するために、突然変異が生まれてきます。勉強が出来る子供たちの中に生まれた、野球も出来る突然変異なんでしょうが、エリートの中では異端児扱いされ、勉強が出来る子供たちというエリート集団が大きいと、この突然変異の異端児は淘汰され、消えてしまいます。

 環境が変化し続け、集団も小さければ、色々なタイプのたくさんの異端児が生まれ、生き続けます。これが種の多様化です。この時に学校に対する社会からの要求の変化が起こり、勉強もそこそこで良いが、運動や芸術の分野にも強いタイプしか進学できなくなったとしたら、勉強だけ出来る子供たちは全員留年になってしまいます。この社会の変化が「試練」と言う壁です。

 この「試練」という壁を抜けたモノだけが、次の世代で成功(沢山繁殖)出来るわけです。

 一つの秀でたタイプにオプティマイズされた生物は、生物の機能として安定した収穫を約束してくれますが、予期できない変化に弱く、人間のような強い生物が保護しないと生きて行けません。反対に野生でたくましく生きる、ネズミやカラス、ゴキブリなどは駆逐しようとも環境の変化に合わせるのが上手いのか、一向にいなくなる気配がありません。

 企業の中でも、エリートばかりで会社の舵取りをせず、でたらめでも沢山のことを経験したスタッフを参加させてみるのも、多様性を持たせる一つの方法かもしれませんね。




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