RISE weblog

RISE Productionアートディレクターの佐藤です、仕事上で感じた事からプライベートな事まで、こちらのブログに書いていこうと思います。

異業種交流のオススメ

この10年くらいで大きく変わったなぁ、と思えることはWebを使ったCommunicationが、情報の流通を媒体から個人という上流から下流に流れるものに加え、個人同士の情報が水平に広がる動きが加わり「媒体から個人」という情報量の数倍の量の情報が流通していて、それが今まであった社会の仕組みさえ変えてしまっているということ。

広告などで言えば媒体の価値が下がり、デフレ状態で買ってくれなくなり、代理店の機能も以前ほど強いものではなくなってしまったことなどから、クライアント > 広告代理店 > 制作会社と言った従来の仕事の流れも主流ではなくなり、クライアント > 制作会社(デザイナーなど)に直接依頼が来るなど、仕事の流れも上流から下流へと流れるだけではなく、横に広がる流れが出てきたということ。

こうなってくると、代理店など組織で仕事をする団体ばかりではなく、デザイナーやコピーライター、カメラマンといった個人のクリエイターひとり一人にも、自分の仕事をアピールし、営業をするセンスと資質が求められるようになってきたと感じています。

確かに以前のクリエイターには必要なかったのかと言われると、必要ではあったけれど、それ以上にデザイナーやコピーライターなどその属している業種団体の中で、評価されれば上流から仕事はたくさん流れてきていたので、特に営業の資質は求められていなかったと思います。

だからか、クリエイターが付き合う友人はクリエイターという人が多く、他の業種の人達とお付き合いする事は少なかったように感じますし、実際私の周りの人たちも旦那さんがカメラマンで奥さんは編集者とか、旦那さんがデザイナーで奥さんが元コピーライターとか、パートナーを身近なところで調達している人が多かったと感じます。

Communicationをクリエイティブする職業につきたいと希望する若いクリエイターたちは、クリエイティブ以前にもたくさんの人と交流し、人脈を広げておく事を強く薦めます。ある程度社会で仕事を任せられるようになった時に、その人脈が大きく左右されるようになりますから。その人脈に加え、自分のクリエイティブ力がどのように、どれだけ力を持っているのかを、きちんと周りにアピールする必要もありますね、あまりにも未熟なものを見せられるのは、勘弁願いたいと思いますが。




顧客とのコミュニケーションの距離感って。

TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアに広報戦略の一つとして、企業その目的がやお店の正式なアカウントで情報発信など、顧客とコミュニケーション取るところが増えているけれど、その目的の手段として利用していると、明確な目標(戦略)を持ってソーシャルメディアに参加しているところは少ないんじゃないかなと感じられます。

物販店などで多く見られるのはやはり商品紹介や、入荷の案内などの具体的な内容が多いですね。でも広報活動の基本はBuy meではなく、Love meですから、相手に好きになってもらおうとするアプローチの仕方は人それぞれですが、好きになってもらった結果を下心として持っているので、あまりガツガツとしたやり方は反感を持たれてしまうと思います。・・・ここいら辺は、恋愛の駆け引きに似ているかもしれません。

私思うに顧客との距離感って、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」の中で、アスカがレイに「で、どう思っているのよ、あのバカのこと」と訊いたときの答え「ただ、碇君と一緒にいるとポカポカするの」。
これに尽きると思いますね、例としては少しマニアックかも知れませんが。

しかし、ソーシャルメディアを使ったコミュニケーションと一言で言っても、つまるところ愛してもらうことによって事業を効率化するための方法だと思います。こんな結論じみたことを頭に浮かべると、法人なり団体が顧客やユーザーにきちんと理解してもらうためのコミュニケーションだったら、なんで官公庁(特に社会保険庁や国税庁・厚生労働省あたり)が積極的に利用しないのでしょうかねぇ。それとあまりにもシステムが複雑でわかりづらい、携帯電話の料金システムなどもね。ひょっとしたら分かりづらくする事で、煙に巻いているのかもしれませんが。




売れないことを環境のせいにするな

どこに行ってもあまり景気のいい話を聞きませんが、個人事業主で飲食店をやっている方など、痛いほど景気の悪さを実感されているのではないでしょうか。我々デザイン制作など、サービスを提供しているところもご多分に漏れず、かなり厳しいんですけどね。

自宅の近所で飲食店を開く友人も、最近は一日の売上が ¥30,000に届かない日があるとよく嘆いているし、ここに住んでいる人たちは、あまり地元に食べにこないで近くにある繁華街に出てしまうからと、地域の特性に合わせて自分を変えようとする努力をせずに、環境が整っていないことに文句を言っているように感じます。とは言え頼まれればメニューを作りなおしてあげたり、色々と協力してはきましたけれど、先日友人のカメラマンと新年会をするのに、売上に協力出来ればとその友人の店で閉店近くまで呑んだくれましたが、客として接客受けてみて、なぜ売上が伸びていかないか理解できました。

来てもらったお客様に、来店していただき飲食して満足していただく、という気持が伝わってこない。

出された料理などはどこに出しても負けないくらい、美味しいものでした。でも料理を乗せられている皿一枚、ナイフやフォーク、グラスなどお客様の目に付く物自体も、料理の盛り付けも「満足してもらう」ための工夫と気持ちが感じられませんでした。ナショナルチェーンのお店などではそこいらへんを上手くマネジメントし、どのくらいの料金設定でどのレベルの料理を出せば満足と感じてくれるか、というデーターがある程度蓄積されているから数値化しやすく、損益分岐を冷静に判断し、投資という新しい店舗開発につなげているのでしょう。

そんなデータを持たない地域に根ざす料理店は、そこで長年生活した経験から、地域特性はこうだと感じた店長が創り上げた方針で営業していきます。そんな地元の料理店が、豊富な情報量から導きだされたマネジメントで、隙が見えないナショナルチェーンと戦い、勝機があるとしたら顧客満足度でしか無いように感じます。だって多くのナショナルチェーンで接客についているのは、商品知識のあまり高くないアルバイトの店員さんでしょ、反対に地域の料理店でしたらお客さんの好みと、仕入れた材料で満足してもらえる料理をアドリブでも出せたなら、自ずと顧客満足度に差が出てくるでてくると思います。

落ち着いた雰囲気で、美味しく食べていただき、呑んでいただく。けしてお腹がすいたからと、ファーストフードのように食べ物を早く口に運ぶだけではなく、満足したという気持ちを必ずもってもらう。一言で満足と言っても料理の味もありますし、値段もありますし、贅沢なスペースなど、一人ひとりの満足と感じるPOINTも違うということは理解しています。でも、ナショナルチェーンというブランドに立ち向かうためには、お店側で理想とするインテリアや、料理やその盛りつけ、接客など、自分の頭にある「お客様に愛される理想の店とはこういうもの」というポリシーを持ち、それを表現する事が専門店のブランド化です。それが出来なければ、お客様に愛され、盛り立ててくれることも出来ず、マネジメントに長けたナショナルチェーンとの差別化なんて出来ないと思います。




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