RISE weblog

RISE Productionアートディレクターの佐藤です、仕事上で感じた事からプライベートな事まで、こちらのブログに書いていこうと思います。

ボチボチと・・・。

行方不明者が未だに1万人を越える今回の災害。
家族や友人の安否を気遣う方には、早くいい知らせが届くよう祈ります。

この数日は首都圏でも計画停電が行われず、
震災のこともだんだんと遠くの話になっていきそうにも感じられ、
ニュースも被災地のことを伝えるよりも、原発事故を伝えるのに大きな時間を割き、
こうやってだんだんと日常に戻り、風化していくのかなぁ?と、
感じてはいますが、震災後から読み返している
「神の子どもたちはみな踊る」という短編小説集。

村上春樹が、阪神淡路大震災で感じたことを6編の短編で表現した1冊。

その本の冒頭に
〈ラジオのニュース〉米軍も多大の戦死者を出しましたが、
ヴェトコン側も115人戦死しました。
女「無名って恐ろしいわね」
男「なんだって?」
女「ゲリラが115名戦士ということだけでは何もわからないわ。
  一人ひとりのことは何もわからないままよ。
  妻や子どもがいたのか?
  芝居より映画のほうが好きだったか?
  まるでわからない。
  ただ115人戦死というだけ」
    ジャン=リュック・ゴダール『気狂いピエロ』

今回の震災で失くなった方は今日の時点で、
死者は1万1620人、行方不明者は1万6464人、合わせて2万8084人。
この人達一人ひとりにも家族がいて、好きなこと、楽しいこと、夢なんかを
一瞬で奪っていったんだろうな、と。
ただ数字だけ並べられるとネジの数を数えただけなようにも聞こえるし、
あんなに大変だったということが伝わってこない。

やっぱり風化させちゃいかんよな、
この国を間違った方に進めちゃったらこの亡くなった人達から怒られそうだな、
自分一人の力なんてホント僅かなものだろうけど、
情報を正しく把握し判断し、結果を出すよう努力します。

と、電車内で読みながら「密かに」決意しました。密かにね。




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