RISE weblog

RISE Productionアートディレクターの佐藤です、仕事上で感じた事からプライベートな事まで、こちらのブログに書いていこうと思います。

これはもう新しいメディアの登場と見なすべきなんだろうな

iPad

何がってiPadですよ。今までこのようなガジェットが登場すると、出来る機能からこれは◯◯と、例えばカメラであったり、携帯音楽プレーヤーだったりと、分類してそこにはめ込むようなポジショニングをしていたと思う。でも日本で売られている携帯電話は、カメラが付いて音楽プレーヤーとして使えて、お財布替わりに使えようが“携帯"と言うカテゴリーから抜け出せないでいた。

日本以外では、PCの携帯端末と言うポジションでスマートフォンと言うカテゴリーが出来、ウィンドウズ携帯や、Googleの作ったアンドロイド携帯などが登場したが、iPhoneなどは登場してからだいぶ経つがスマートフォンのカテゴリーで呼ばれることは少なく、iPhoneはiPhoneのままです。

年をとってしまうと、外に出ている時にネットに繋がっていないと不安なほど外出はしないし、自宅や事務所といった拠点ではスムーズにネットに繋がることが出来ているので、このような優れたガジェットが登場しても必要とされるプライオリティーが低く、未だに買えずにいますが、家族でひとつの携帯キャリアを使っていると、新しいキャリアにはおいそれと移れないと言うのが正直なところでもあります。

しかし今回発売されたiPad。一つ一つの機能を見ていくとあまり目新しいものは見当たらず、ノートパソコンの機能がもっとシンプルに、簡単になったくらいでしょうか。

たしかに自宅で使っているノートパソコンも、使っているのはデジカメで撮ってきた写真のブラウザーとして、メールやインターネットでの情報の入手やコミュニケーション、iPodへのコンテンツの管理が主で、せいぜいかみさんが自宅で仕事で使うパワポやエクセルのデーターいじる事ぐらいしかしていないから、自宅のPCに高度な機能がなくてもあまり困らない。

でも今までだってそんな機能に特化した安価なNet-PCも有ったのに、iPadは多機能なNet-PCではなく、iPadなのだろうか。やっぱりマウスやトラックパッドを使わずに使えるタッチパネルと、iTunesから必要なサービスを必要なときに必要なだけ使えると言った、ハードとソフトが使い易いようにインテグレートされた事が一番大きいのではないでしょうか。

先にも書いたように特別新しい機能は特にないが、クラウドコンピューティングという視点からすると、必要十分な機能で長くもなく短くもない「ちょうどいい」と言ったところですかね。

そこが安く提供できることで、プライベートばかりではなく、様々な分野で導入することによって仕事を効率的に出来るようになることから、新しい商品ができたと言うだけではなく、それを使って新しいワークシステムを提案するリストラクチャリングが始まったと言っても過言ではないでしょう。

仕事を効率的にこなすように出来ると以前はオフィスのOA化などと言いましたが、iPadの登場で仕事のiPad化と言われるようになるかもしれません。印刷の雑誌や書籍は減るかもしれませんが、動画として動いたり、気になるところはさらに深掘り出来るようになったり、雑誌も一冊という単位ではなく、アルバム内の一曲だけ購入するような細分化した情報のみ購入出来るようになるかもしれません。

今は必要のない情報でも、読み解くに連れ興味が出てくるといった今までの雑誌の良さはどうする。と言った論議もあるでしょうが、必要なものだけ必要なだけ手に入れられるインタラクティブな新しいメディアの誕生と受け取った方が見誤らないと思います。




企業トップがやっておくべき事

一口で企業と言ってしまいましたが、まぁピンからキリまでありますので、一応中堅どころの企業としておきましょうか。十数年前に某企業さんの社員向けに「広報マニュアル」を作り、専門部署でない社員に広報の仕事を認知させるためのものでした。それを少し現在に合わせる形で、このブログにも掲載していますけれど、専任の担当者が読むマニュアルではなく、広報という考え方を社員全員が共有し、社会と向きあいましょうといった趣旨のマニュアルでした。

先日仕事のお話をいただいた法人さんの広報担当者に「ここまでベースが出来ているので、法人独自のアイテムを入れ、社員用のマニュアル作りませんか」と問いかけしてみたが、重要度は理解しているが、現在はまだあその時期ではないと言うお返事を頂いたが、新しい通信機器と言うか、デバイスが登場してこれからさらに大きく社会が大きく変化していく変節点を見逃すと、将来へ向けての方向性を見誤るよ、と言いたくて今日のブログにしました。

新しいデバイスなんて大上段に構えるものでもないのでしょうけれど、要はiPhoneとiPad の二つの機器の登場です。

なぁーんだ、と思われるかもしれませんが、この2台の機器の登場がユーザーに諸手を挙げて受け入れられているところを見ると、今後後発各社から似たようなコンセプトの機器が多く発売され、様々なサービスが提供されていくでしょう。

電子書籍は言うまでもありませんが、様々なコミュニケーションがこのデバイスを通して行われることになると、そのサービスを提供してゆくサービスも今までの概念から出てこなかったものが、沢山出てくる可能性が大いにあります。

今そんな新しいサービスを模索している人たちは、社会に出た頃にはインターネットと言うインフラがあったところに生まれてきた人たちで、紙と電話で仕事をしていた人たちとは思考そのものが違っています。そんな思考の人達が欲しいと感じるものを、紙と電話で仕事していた人たちにプランしろと言っても、魅力あるモノは出来ませんよ。

例えば先日の事業仕分けで話題になった運転免許の更新の時に配られる教本なども、このデバイスを使えば本としても使えるし、見なければいけない映像だって見ることができますし、正誤のアンケートを取ることさえ可能です。

そんな人達でさえ、スタンドアローンのPCに、記憶デバイスの容量を競ったクリックとポインタで閲覧するサイトで育ちましたが、iPhoneやiPadの世代はタップ・アンド・スクロールで、データーはすべて外部サーバーへの保存と言うクラウドが基本で、どこからでもアクセスし利用できます。

そんな環境で育った人たちが求めるモノやサービスを考え、作っていけるのは同じ環境で育った人たちに任せた方がいいものができます。いいモノやサービスができると同時に、それを広める方法もその世代の人達はすでに持っています。

今まで企業の一部署で行われてきたことが、個人単位でも出来る環境になってきているのです。だからこそ一人ひとりが企業の顔として発言してもおかしくないように、企業が社会とのコミュニケーションを専任の部署だけではなく、多くの社員が共有することが、より大切になってくると思います。




最近の若いもんは。

昔から世代間のギャップで年寄りがボヤく言葉ですけれど、50歳を超えた私でも見た目若作りしていますので街の中で合う若者たちにそれほど違和感なく付き合えて(いるつもり)います。でも最近仕事をしていて、どうも気になることが目につきましたので、なんで?と朽ちつつある脳みそを働かせて原因を探ってみました。

なんで?と感じたものはいくつかの会社の「会社案内」のパンフレット。担当者いわく、殆どが2〜3年前に制作され、それを毎年修正して印刷してきたものと言うことですが、ページ構成なども含めてあまりにもパッとしないデザインが並び、どちらの制作会社を使って作ったものかを聞くと「今まで会社案内などの印刷物の制作をしたことが無いのだけれども、付き合いのある業者が出来るということで依頼して作った。」と言われていました。

う〜ん、その制作した会社のことはよく知りませんが、今までも納入実績はあるので先方の担当者とも話を詰めることができるし、印刷物の制作もDTPソフトをハンドリング出来るスキルさえあれば制作可能だから、新規事業としての可能性も考慮し仕事を受けた、と言う感じでしょうか。

今まで専業でなかった業種でも、スキルを持ったデザイナーを確保できれば誰でもが印刷物を納品することができますし、デザイナーもグラフィックとDTPを学ぶ学校を出て、いくつか仕事も任せてもらえるようになると、こんなビジュアルでこんな表現したい。
・・・と若いデザイナーたちの発想力や表現方法などは、今も昔もさほど変化はないのでしょうが、クライアントから「こんなイメージで、これを訴求ポイントとして企業の全体像を表現したい」とお題がだされ、何案か作ってプレゼンをし、この方向で行きましょうと決まれば、後は細部を担当部署と詰めていけばほぼ完成です。

と、ここまで見てみると意外と簡単ジャーン。と感じられるかもしれませんが、クライアント、制作会社とも作り慣れていない場合、ドラマはここから始まります。

制作会社側がある程度の企業規模があり、複数のスタッフを抱え、コピーライターやデザイナーは制作に専念し、営業がクライアントとの窓口になっている会社がたくさんあります。通常営業はクライアントの意向を制作側に伝えるため、双方とのコミュニケーションが非常に重要で、当然社会環境からクライアントの立ち位置を理解し、企業戦略の一ツールとなる会社案内のあるべき姿を持っていないと、双方の交通整理は上手く出来ません。

作り慣れていないクライアントの担当なども、見た目がパッとしないとか、写真が暗いとか文字が多くて何が言いたいのかよく理解出来ないとか、主観的な意見をバシバシ言ってきますから、それを客観的に見て方向を修正していかないと、大阪に向かって走っていたものが、着いたら札幌にいたなんてことになりかねません。

専業でそのような仕事を長い間続けてきた会社は、社員スタッフの層が厚いんです。先輩について叱られながらも長い間仕事をしますから、ノウハウがそこで伝承されていくんですけれど、異業種から参入してきた会社は層も薄く、主観的な意見で方向がブレて行っても軌道修正することができず、戦略ツールとしてふさわしくなくなったのではないか。
と言うのが最近の仕事で見て感じたことです。

まず仕事のノウハウが上下の間で伝承されていない。もうひとつはツールとして、クライアントと最終的な姿の共通認識が出来ていない。こればかりはインターネット上に書かれている記事を読んでも身につきませんから、経験するしかないのでしょうね。

でも、版下作成からデーター入稿、CDやMOなどのメディアを受け渡す入稿から、ファイル転送サービスを利用した入校へ、などと、仕事の効率化を進めて行った結果でもあるので、クライアントと制作会社とのコミュニケーションの絶対的な時間の減少はしょうがないのかもしれませんが、その質を落とす要素を排除していくマネージメントを実行しないと、新しい事業を継続していくのは難しくなるかもしれません。

・・・なんだ、若者の話じゃないじゃん。タイトルに偽りありだな。(笑

つい最近、こんなお話も耳にしました、あなたならどう応えます?。
会社案内の校正紙を先方のとある部署の偉い人が見たときに、ボディコピー文中の平仮名の“お”が小さく見える、20ページのパンフにある“お”の文字全てバランスよく大きくしろ。

非常に個人的で主観的な意見だと思います。翌日その校正紙見たら大きく見えないかもしれません、書体も歴史ある書体メーカーの基本的な書体です。キャッチコピーや商品ロゴと言った、限られた文字組の中の一文字ではありません。怖いのは文字のバランスが崩れて、文字組がオーバーフローする可能性がある事、クライアントの窓口も制作側の担当者も、偉い人の意見だからとただ受け入れてしまうのはいかがなものかと感じますね。




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