考え方に煮詰まったら。
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- by virbius
- 2010/05/26 Wed 19:25
いやぁー、ずいぶんと久しぶりのブログだわ。こんなに開けてしまったのは初めてかもしれません。
言い訳としては、事務所の移転でバタバタとしていて時間が取れなかったことでしょうか。
バタバタとしていて何を書こうか頭に浮かばなかったのが正確なところでしようか。
久しぶりのブログネタとして、仕事で気がついたことですが、今お手伝いさせていただいているのが、飲食店の最適化と言うべきお仕事。本当ならばリニューアルと言う形でスタートするのが最善なのでしょうが、このご時世で投資額はなるべく抑えた形でやっていきたいとのこと。だから出来る所から少しづついいと思われる方向に軌道修正を加え、本来あるべき姿のお店にしていくというストーリー。
オーナーさんは外国人で、中で働く従業員もすべて外国人。当然、お店の舵取りをするオーナーさんの、生まれた環境や育った環境が日本とは全く違い、お客である日本人が求めるもの、避けているものが判らない。オーナーが狙っているのは、日本食で言えば寿司や天ぷらのような専門店の料理を、居酒屋的なカジュアルさで提供すること。お店で出している料理を幾つかいただきましたが、たしかに非常に美味しい料理で、メニューを見ても値ごろ感を感じる、どちらかというと安いと感じさせる品揃えでした。
もともとの話として、人づてに店内のメニューの改訂を頼まれたことがキッカケですが、こんな感じにしたいと要望を聞きながら打合せしていると、オーナーがこんなお店にしたいと狙っているものと、現実のお店にたくさんのギャップがみえてきたことでいくつかの修正点を提案をさせていただき、それが認められて全体的にお手伝いをさせて頂く事になりました。
まず気がついたのはお店のファサードにつけてあるお店の顔にもなっているテント屋根、普通このようなテント屋根には「この店はこう言う店です」と、〇〇料理の店とか居酒屋とかサービス内容を誰が見てもわかりやすいものにするところが、スペイン料理を地中海料理と宣言しているような少し的を外した表現。それと料理のバリエーションを紹介するのにドアを除くファサード一面に貼られた料理の写真。店内はテーブルを照らすスポットライト中心の照明で、部屋全体は少し暗い感じ。バーやクラブなどの飲み屋さんみたいに落ち着ける雰囲気を狙ったのだろうが、この雰囲気がカジュアルな気軽な雰囲気を大きくスポイルしている。
まず最初にやるのはテント屋根の表現方法の修正。店名をきちんと認識してもらうためにも店のロゴタイプを作成と、誰でもがわかるような店のカテゴリーをバランスよく入れる。
次は塞いでしまって中が見えないポスター・張り紙類の整理、店内が見通せて雰囲気が確認できなければ、通りすがりのお客さんは入ってこない。
店内の照明、全体的に明るくする必要は全くない。人は眼に入るものが明るく感じるかどうかで全体を判断するので、視線の高さにある部分を明るいクロスに貼り替えるか、壁を照らすウォールライトに替える。店内が暗く感じるから、あまり見られたくない厨房の中がカウンター越しによく見える。
お店の人が外人なので良くわからないから、必ず顔写真入りの名札を付けることと、初めて来てくださったお客さんに顔写真が入った名刺サイズの、Shopカードを渡して挨拶すること。そのカードには飲み物などのサービス券として使えるようにし、来店者から紹介受をけて持参してくれた方には、他のサービスと同等以上のサービスを約束すること。
最後はメニュー。印刷物としてのメニューを作り直すのは簡単だけど、品揃えとして何を食べたらいいのか判断がつかないお客さんに「取り敢えずウマイからこれだけは食べておけ」的なツマミとワインかビールの飲み物のセットを開発する必要がある。メニューの構成として目的を持って料理を食べに来るお客さんは、アラカルトでも解るのでページの後半にし、コース料理を見習ってサラダから始める必要はない。
とまぁ、こんなところでしょうか、なかなか思うように収益が上がらないと思って一人で悩んだり、色々な本を読んだりするのもいいのですが、他業種の人に話を聞くのも見方が変わって解決へのヒントが出てくるかもしれませんね、と言うお話でした。
でもなぁ、本当は近くにある大きな会社の従業員に向けて、通勤時間帯に駅でのチラシの配布を行うべきと言ったんだけれど、やるかな、あの店長。
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