流行廃りは、人の気持ちの変化から
- お仕事関連 > 変化する社会 > 何が求められてゆくでしょうか
- by virbius
- 2009/11/03 Tue 14:17
と言うか、自分の気持ちの変化と言ってもいいのかな、そこそこちゃんとした物が手軽に手に入れることが出来てくると、あまりこだわりが無くなってくるように感じる。例えばコーヒー、数年前までは朝事務所で最初にする儀式は、一杯のおいしいコーヒーを入れることから始まったけれど、最近は挽いた豆をドリップで煎れることも少なくなった。
それまでおいしいコーヒーを飲むためにはコーヒー専門店に行って、日替わりの豆で煎れるストレートサービスを飲むか、煎った豆を買ってきてドリップして飲むしかなかったが、最近は駅近くのスタンドにあるドトールや、スタバ。マクドナルドなどコーヒー店意外でもおいしいコーヒーを手軽に飲めるようになってきた。
そんなワンコインで手軽においしいコーヒーを飲めるようになったことで、コーヒーに持っていたこだわりはずいぶんと小さな物になった。マーケットとしてもこだわって購入してくれる人はまだまだいるのだろうが、デパ地下などでコーヒー豆の挽き売り専門店などが少なくなったことを見ると、ずいぶんと縮小してしまったように感じる。
そば屋なんてのもそうだろうな、鰹節などで出汁を取ってみりんと返しを入れてなど、ずいぶんと手間暇が掛かっためんつゆも、今じゃスーパーの醤油売り場の横に多くのスペースを使い、様々なブランドの製品が数多く並ぶ。それか和のファーストフードとしての立ち食いそば屋か。
昔の刑事物のドラマでよく見かけた、容疑者と刑事の取調室でのやりとりの中でも、容疑者に食べさせるのは近所のそば屋から出前を取ったカツ丼だったが、これからはどうなるのだ? 刑事がコンビニで買ってきたおにぎりとか、弁当やパンになるのか?。まさか給食センターが配達する弁当じゃないよね。
これらすべて、長い間訓練し作ることに慣れた職人にしか許されなかった職域だった。その職人しかできなかった物が、コモディティー化のおかげで手軽に手に入れることが出来るようになった事で、我々庶民もおいしい物を手軽に、安く手に入れることが出来るようになった訳だけれど、多くの職を失った人もいることも事実だ。
だからと言って今まで入手するのに大変な労力が必要だった物が、簡単に入手できるようになった事に反対している訳ではない。昔から人に求められる仕事は、社会の変化と共に輪廻を繰り返すように変わってきた。これからもその流れは続くだろうし、実際にデザインの世界ではすでに始まっているように感じる。
また、通信環境のインフラ整備がこれだけ進んでくると、物を売ることで利益を得るのではなく、そのサービスを提供することで利益を得る商売が多く出てくると思われる。たとえ士業として法律の下で成り立っている弁護士や、会計士もその例に違わないのではないだろうか。
今はソフトを作り販売する会社も、定期的にバージョンアップが必要なエクセルやワードと言ったソフトを販売するよりも、Googleの提供するドキュメントや、スプレッドシートのように、クラウドコンピューティングでサービスを提供してもらう方が、利用する側としては利便性が高い人もいるだろう。
会計事務所が月々所定の金額で顧問契約し、決算時にも別に決算料を徴収される顧問会計士という制度よりも、先生に定期的に訪問してもらわなくても、光熱費に近い安価な金額で Web上の帳簿を監査・アドバイスし、後は自動的に決算書類ができあがると言うような、簿記に近い物と経営コンサルティングに分化すれば、法人化していない商店など自営業者もサービスに乗るのではないか?。
まぁ、セキュリティーや監督官庁などいろいろな問題があるのは承知の上で、会計というサービスを一つの例として、社会から求められているであろうそんなサービスを新たに起こせば、新しい職域が生まれるのではないでしょうか。
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