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ストラテジー

広報活動は経営の根幹と見なすべき

社会の経済活動は生活する人に、企業が物やサービスを提供し、それに見合ったお金をいただくことで成り立っており、必ず提供する側と、受ける側に別れている。

経済活動を一番シンプルに捉えると、以上のような物だろう。

物やサービスを知ってもらい、生活者に購入して貰いたいから広告があり、Webサイトがある。

当然、広告の制作やメディアを購入するのに時間も費用も掛かり、作り上げるための労力も大きいのだが、企業の広報活動の重要な一面でもある。

そう、たった一面なのである。

企業をマネジメントする立場の人間でも、広報活動の目的を、広告や会社案内作ったり、紹介するサイトを作るのが目的と考えている人が沢山いるが、それは手段であって目的ではない。

「広報活動とは、新聞や雑誌の紙媒体やテレビ・Webと言ったメディアを使い、企業の全ステークホルダーとコミュニケーションし、満足度を上げる活動である。」


この数年購入に繋げるため、顧客満足度を上げる必要性が高くなっています。

一つの商品広告やパンフレットと言った印刷物だけでなく、企業姿勢まで問われていますので、広報という仕事は一つの部署で完結する物ではなく、企業全体をマネジメントする非常に重要な仕事になっています。

満足度を上げるのが、なぜ必要かは愚問でしょう。
しかし、強いて言うならば商店街のお店から大企業までと、規模の大小を問わず、ブランディングと、顧客の囲い込みに繋がるからです。

うちは夫婦二人で切り盛りしている小さなお店だし、広報活動やらブランディングなんて関係ないとお考えのあなた、先ずは地道にブログから始めてみてはいかがでしょうか。

まず半年、一年と続けて行くうちに来店してくれるお客様が、来てほしいと感じているお客様に変化して来ますよ。

それと最近感じるのは一般の企業だけでなく、国の社会保障制度の一部でもある医療機関、それもクリニックや診療所と言った個人の病院ではなく、地域の基幹医療機関と言われるような規模の病院。

保健医療制度の基、医師や看護師など有資格者のリソースに限りがある中で、医療機関と患者のコミュニケーションを高めることで、診療効率を上げられる箇所が沢山あるように見うけられます。

確かに法律や制度でがんじがらめな所もあるのでしょうが、Yahoo!やgooなどの質問ページに通院していながら、アレほど問い合わせがあることを考えると、改善の余地がありと考えられるのではないのでしょうか。




生き残るために最低限やらなければいけない事

先日のエントリーの「メッセージを伝えるために。」にも書きましたが、世の中に流れている情報を整理し「選択可能情報量」と「消費情報量」の数量的な結果を見ると、目に入った情報でも必要なモノと判断出来ない情報は、華麗にスルーされている事に驚かされます。

この事は社会の情報流通に変化が出てきたと考えられ、一つは今までのようにマスメディアが上流から流し、下流でその情報を受け取って利用する流れと、もう一つは欲しい情報は捕りに行って利用する。

情報取得にこの大きな流れが二方向出てきたと判断出来ます。

つまりモノを買って欲しければ、今までのように企業側からのコミュニケーションである広告や販促ツールでアプローチする方法と、コンシュマーからのコミュニケーションに応えるWebの充実の両方を、車の両輪のようにバランス良く使う事が求められています。

広告や販促ツールは経験豊かな代理店や制作会社がありますし、Webにしても外注する事も可能ですが、企業側からの情報一元化を考えると外のスタッフを使うよりも、企業内の広報という立場で情報を発信していく方が、社内でのノウハウやリテラシーの蓄積も出来るので、CMSを利用するなどして社内で対応する方が良いと考えます。

コンシュマーが知りたいと思う情報を、深掘り出来るよう詳しく載せる事はもちろん、どの様に考え行動しているのか、解りやすく企業理念を表現する事で、企業ブランディングを確立する事を視野に入れ、Webサイトを構築する事が必要です。



間違えてはいけない事は現在有るマスメディアとWebとを同じ土俵で判断しない事。

マスメディアは企業側からコンシュマーにプッシュするコミュニケーション、Webはコンシュマーから企業側へとプルされるコミュニケーションと言えば解りやすいでしょうか。

良くホームページを作ったからウチもウハウハ! なんて思う人も中にはいるようですが、マスメディアを使っての販促ツールでしたら、出稿量によってリアクションもあるのでしょうが、Webは畑です、種をまいて水をまいて育てなければ収穫出来ませんよ。




鳥井信治郎の「やってみなはれ」精神

サントリーの創業者、鳥井信治郎の家訓として残っている言葉ですが、不況と言われ、社会環境が大きく、しかもドラスティックに変わっている現在では、企業がこの荒波の時代を渡りきるために、一番適切な言葉かもしれません。

高度成長時代に皆横並びに成長して行けた時には、他人の通った轍をトレースするように歩いて行けば、大きく失敗する事もなくGDPの成長率くらいで企業も成長出来たのでしょう。

しかし業種によっては利益を得るためのシステムが、根幹から変わってしまったのではないかと思われるほど、社会環境が大きく変化しています。そんな時に誰かの作った轍をトレースしてみた所で、仲良くみんなが沈没する船に乗り合わせているような物です。

誰も歩いた事のない、答えも正しいのか間違っているのかハッキリとしない、でもこの道を歩いていても沈むだけだとしたら、可能性を求めて新しい道を捜さなければ行けません。

仕事は出来ない事の理由を捜す事ではなく、社会の道理を外すことなく細心の注意を払いながら新しい道を捜す事ではないでしょうか。

何も今までの事を全て否定し、新しいジャンルへの方向転換が求められているのではないと思います。

技術革新や商品開発だけではなく、社内のマネージメントにおいても新しい仕組みで作業効率が上がるのでしたら、チャレンジして行き、一つ一つは小さな効果かもしれませんが、結果としてそれが積み重なる事で大きな効果が上がるのではないでしょうか。



Webと言う環境が出来、社会と企業のダイレクトなコミュニケーションが容易になったと言っても、B to C のビジネスとして以前からマスメディアへ広告の出稿や、ニュースリリースを行う広報部などの部署を持つ企業は、その重要性をよく知っているからか早いうちからの対応も出来ていますが、大きな企業でも B to B で活動してきた企業では、その重要性を理解しつつも行動を起こしていない企業も沢山見受けられます。

広報活動、特にWebと言うメディアを使っての活動は、広告や販促ツールのようにすぐに結果の出る物とは違い、メディアリテラシーを知りコミュニケーションを繰り返す事でお互いの信頼感を高め、持続的な成長を目指す物です。

「やってみなはれ」精神から始めて見るのはいかがですか。




鬼十則+三

日本一の広告代理店「電通」の四代目社長:吉田秀雄が戦後間もない1951年に作った社員の行動規範で、一部では伝説扱いになっていますが、友人の営業に聞くと「規範としてはもう使っていないけど、個人的にそう考えている人も未だいる」と。

モーレツを美徳としていた一昔ならまだしも、と言う所でしょうが常に上を目差す企業の中でも特に売上に直接影響する営業関係の仕事に着いている人には、考えさせられる規範ではないでしょうか。

また鬼十則ほど知られてはいませんが、同じく吉田秀雄による「責任三箇条」も作られていました。



鬼十則
1. 仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
2. 仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。
3. 大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
4. 難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
5. 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。
6. 周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。
7. 計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
8. 自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。
9. 頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。
10. 摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。


責任三箇条
1. 命令・復命・連絡・報告は、その結果を確認しその効果を把握するまではこれをなした者の責任である。その限度内に於ける責任は断じて回避出来ない。
2. 一を聞いて十を知り、これを行う叡智と才能がないならば、一を聞いて一を完全に行う注意力と責任感を持たねばならぬ。一を聞いて十を誤る如き者は百害あって一利ない。正に組織活動の癌である。削除せらるべきである。
3. 我々にとっては、形式的な責任論はもはや一片の価値もない。我々の仕事は突けば血を噴くのだ。我々はその日その日に生命をかけている。


吉田秀雄が社長就任の5年後に作り上げた軍隊並みに厳しい行動規範ですが、製造業での工場で何か物を作ると言った仕事というよりは、マネージメントをする側の『仕事という物』を上手く表現してあると同時に、軍隊というトップダウンでの指示系統による縦の繋がりよりも、一人ひとりの社員が企業理念を元に考え、責任を持って行動すると言った並列思考的な先進性に感心させられます。

兵隊という数という考え方ではなく、グリーンベレーのように少数精鋭な特殊部隊がミッションをクリアすると言った方が近いのでしょうか。

確かに今の時代にこれほどのモーレツな仕事の仕方は合わないとも思いますが、仮に数十人いる社員一人ひとりがこの規範を守り、仕事をしたらスゴイ結果になるのだろうと、現在の電通と言う企業を見ると考えさせられます。

もし、現在同じようにこのような行動規範を作るとしたら、私ならば後3項目増やすでしょうね。

1. Webを使い、積極的に情報をコントロールしろ。
2. 顧客と社会に対して誠実であれ、嘘は絶対につくな。ついてもすぐにばれる。
3. 仕事を楽しめ。




なるほど!と感じたキーワード。

今まで何度か情報の流通量が、この数年間で天文学的とも言われるほど増えたから、お店や企業はステークホルダーとのコミュニケーションをいっそう深めるためにも、企業戦略には広報という考え方が重要になってきたと書いてきましたが、なぜ情報量が増えた結果として、コミュニケーションを深めなければいけないのか、感覚としては理解して活動していましたが、それは決して目的ではなく手段としての方便で、顧客に対して嘘をつくなとか順法精神を大切にしろとか、要は企業経営に対してコンプライアンスやコーポレートガバナンスという考え方が大事で、企業経営に反映され活動していても、本質的な目的を明文化して「これこれこうだから必要なのだ」という明確な言葉として理由を持てずにいました。

先日たまたま目にした神戸女学院大学教授の内田樹さんのブログでなるほどな、と手を打つキーワードがありましたので、紹介させていただきます。

人間って動物は群れの中で生活する動物だから、仲間はずれにされる事を嫌う。この事から所属する社会(グループ)の中で悪とされる事は避けて通り、誉められる事を進んで行う傾向がある。つまりその商品を購入する事で罪悪感を感じる商品は売れず、購入する事が善行と感じられる商品が売れる事になると言う「ギルティーフリー」のマーケティング。

この社会(グループ)は、求めているコンシュマー層なので、年齢や嗜好によって変化するターゲット層によっては善と悪は反転するかもしれませんので、百のターゲット層があれば百の答えがあり、けして答えは一つではありません。具体的に言うと環境に対して負荷の低い商品であるとか、健康に被害をもたらす素材を使わない体に優しい商品であるとか、貧しい国の労働者から搾取するような形で商品を輸入しない、フェアトレードの商品であるなど、社会的に見て認められる物なのか、認められない物なのかの判断による物です。

この内田さんのブログでは「ギルティーフリー」と「サスティナブル」マーケティングを紹介していますが、現在「サスティナブル」に関しては「ギルティーフリー」と言う考え方の一つに含まれていると考えて差し支えないと思いますので、ステークホルダーに対しコミュニケーションをとる目的は、我が社の商品・サービスの全ては「ギルティーフリー」である。と言う事を伝えるために活動することですが、分かり易くコンプライアンスやコーポレートガバナンスと言った方が「企業として必要な事」として理解されやすいと思います。

商品に関する広告は今まで、テレビや新聞と言ったメディアに掲載する事で成り立ってきましたが、長く続ける事はけして安くない媒体料金が掛かるという事と、見る人に飽きられるという観点から、鮮やかな印象を短期間で与えるということに力点が置かれて来ました。

しかし広報(PR)による「ギルティーフリー」で良い企業というイメージを伝えるのは、短期間で行う物ではなく、体質改善のように規則正しい生活から健康な体が生まれると言うような、長い時間を掛けてのイメージの構築のほうが必要で適切な方法と感じます。

この様な目的に合うメディアはWebを中心に、なるべく多くの情報を開示していく事が必要で、製品や使う素材の安全性を説明したり、同じタイプで比較して製品の優秀性をアピールしたり、表面的な印象だけでなく、深く理解してもらうために機能の説明をしたりしています。

比較的規模の小さい企業では、親近感を伝える目的もあると思いますが、担当者や管理者、または社長のブログなどリンクされていて覗いてみたりしますが、お世辞にも読んで面白いと感じるブログは少なく、苦労して素材を探して書いているにもかかわらず、本当にこのブログがイメージアップに繋がるのだろうかと感じる物も少なくありません。

そんな時はひとつ、自社の製品でも企業体質でも管理者の考え方でも、社会に対し我が社は「ギルティーフリー」であると言う切り口でブログを書いてみてはいかがでしょうか、きっと社長の苦労話よりはイメージアップに繋がると思うのですが、いかがでしょうか。




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