職業の限界?
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- by virbius
- 2009/11/13 Fri 19:29
クリエイターとしての価値観を上げるために、クリエイティビティーと言うブランディングだけでは、認知されないと言ういかんともしがたい部分が多くなってきた。
カタログなどの立込の撮影も、スタジオ代や実際に立込にかかる費用、カメラマンなどの拘束時間や天候待ちなど費用や利便性から、Autodeskのような3DCGを積極的に使うメーカーが出てきていて、今後主流になるのではないかと考える。
見る人を唸らせる質の高い写真は、それを理解してくれる一部の人は価値を認めてくれるが、普通の人たちは安くてもそこそこのクォリティーが確保されていれば満足してしまう。
クリエイティビティーと言う質を特徴として差別化して行っても、今まで座っていた椅子が半分に減らされたような物だから、新しい椅子を探すのも大変。
昔一緒に仕事したカメラマンも、いつの間にか消えていった。
・・・昔はいれてくれるマスターの腕と、豆を煎るローストの加減に価値を認め、一杯400円のコーヒーを喜んで飲んでいたけど、今じゃマクドナルドの100円コーヒーで満足する人が多くなっているんじゃない。?
グラフィックの世界では、ADCや毎広などの賞を取ったデザイナーでも、仕事が無くて食べていくのに苦労していて、私なんかは消える前の風前の灯火。
PROなんだから仕事に関しては誇りもあるし、手も抜く事など考えもせず、外に出して恥ずかしくない物を作って来たつもりだ。それがクライアントを説得し、仕事を呼ぶ唯一の営業方法だったから。
しかも、周りを見ればもっとスゴイ人たちが沢山いて、そんな人たちの作品を見ると自分の仕事もまだまだとは思うが、社会の一部は仕事をクォリティーではなく、効率で評価しようとする。
・・・だって、デジカメ使えば誰だって雑誌に載っている人の顔“くらい”のものは撮れるし、PCで画像処理だって出来ちゃう。
PROの仕事の評価をアマチュアである担当者が自分を基準に測るから、高いお金は出せない。だってチャッチャッと行って撮ってくれば終わりでしょ?、ってなもんだ。
ひょっとしたらデザイナーにしろカメラマンにしろイラストレーターにしろ、クリエイターは広告を通じて企業というパトロンから養ってもらい、文化的にも成熟した職業だったのかもしれない。
そんなお金の流れが変わってしまったとすれば、その他大勢の分母が支えてきた文化なんてあっという間に崩壊する、それを嫌って日常の中に非日常と言う女性の裸を入れ込んだ写真で、文化を活性化しようとした篠山紀信事務所が家宅捜索されたのも、崩壊を助長する現象の一つなのかもしれない。
物を創るクリエイティブな仕事は好きだけど、職業として成り立って行かなくなるのだったら次は何をしたらいいのか、と悩み考える今日この頃である。
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