RISE weblog

RISE Productionアートディレクターの佐藤です、仕事上で感じた事からプライベートな事まで、こちらのブログに書いていこうと思います。

非道い会社が有ったもんだ

HD

現在の仕事はPCを道具として、片時も手放せない状態で仕事している人も多いだろう。IT関連やコンテンツの制作会社などは、PCが道具として立ちゆかなくなった時は死活問題になる。だからPCの環境をシステムとして組む時に、必ずバックアップを考え、専用のデバイスを用意する。

10年くらい前に揃えたマシンでは、Digtal Data Storageと言うデジタルビデオテープのようなメディアを使ったバックアップ機材を購入し、定期的にドキュメントを保存していたが、その頃のテープ一本の保存容量は12GBしかなかったし、記憶させる機械自体確か30万円ぐらいし、非常に高価だった事を覚えている。数年前もLANに繋いで使うNASと言われるHD、RAIDを組んで2TBの容量の物を購入し、データーのバックアップ用に使っていたが、30万近くした物が今では15万くらいで購入できる上、OSがレパードになって使えなくなり、まわりの人に使ってもらっている。

考えてみると、バックアップという行為に、ずいぶんとお布施をしてきた物だ。

今はHDの容量も上がり、1TBと言う容量のHDでも1万円を切るのも普通になってきた。都合の良いことにMac OS-Xのレパードから、OS自体に「タイムマシーン」という機能が付いたが、バックアップとしてはほぼ完璧だろう。

しかし未だにDTPの世界では、Mac OS-9を使って仕事をしているところもある、フロアーは違うが一緒に仕事をしている古い友人もその一人だ。

OS-9には「タイムマシーン」と言う機能は無く、バックアップはアナログ的に自分でメディアを選んでコピーを取る以外方法はない。仕事の途中でデーターを保存してあるHDが反応しなくなったら、それでお手上げだ。文章にするとたったこれだけの事だが、何だよコピー取っておかなかったの?壊れないと信じるヤツがバカだ、などと言われるのがオチで、あとは泣きながら徹夜で失ったデーターを作り直す。クライアントに頭を下げて回り壊れる前のスタート地点に必死で戻るだけだ。

と言いたい事が現実に起こってしまった。

ひと昔と違い、一台のPCで写真のレタッチから切り抜きもデザイナーが行う。動かなくなってしまったHDには、そんな仕事の足跡全てが保存してあったという。本人曰くその外付けHDは、ボタン式の電源スイッチが脆弱で何度かトラブルもあったので、今回も同じそのトラブルと考え、購入した店に連絡し対応策を考えていたが、仕事で使っている物だし、時間も節約したいと都内にあるHDのデーター復旧会社に連絡し持って行った、そのような業界や業者に対する知識も、どのような対応をするのかの予備知識もなく。

彼はトラブルの原因を電源スイッチあたりとにらんで持って行き、その箇所を診断してもらおうと考えていた、見積もりまでは無料と有ったから。

もし体の具合が悪くなったとすれば、医師は患者の顔色や痛い場所を含めて触診し、血液検査や尿検査、レントゲンやMRIなど診断装置を使って特定し、その症状に対して治療を行う。しかしそのデーター復旧会社はHDの具合の悪い、特定された根拠は示さない。と言うかHDメーカー自体も不具合の出た箇所を、特定し診断するデーターを持ち合わせてはいないのではないだろうか。

だから例え電源スイッチだけの不具合で、機能しなくなったHDも、根幹的な大きなトラブルが原因と言われてしまえば持ち帰るしか無く、ホストコンピューターに繋いであるのを、返却のために外した場合、データーが全て破損する可能性がありますと脅されれば、トラブルの原因をこちらで検証する事もできなくなり、言われるがままに復旧作業を依頼するしか選べなくなってしまう。

しかも2〜3日で復旧する場合の見積金額は、なんと39万円。高額なので難色を示すと、10日間の作業時間で25万円の見積が出たそうで、とても大切なデータだったので25万円のコースで依頼書にサインしてきたそうだ。HDのデーター復旧は以前から高額とは聞いていたが、トラブルの箇所を憶測でしか示してくれず、作業内容も開示しないのでは本当にその作業をしているのかは、外部の人間には分からない。精密な機械だから直す事は難しいかもしれないが、意図的に壊す事は簡単でもある、ベアドライブのジャンパピンを差し替えるだけで、普通のユーザーには読み取る事も出来ないだろう。その会社が意図的にそのような事をしているのでは?と訝しんで書いているのではない。あまりにも内容が不透明なところで、大きな金額を要求されているのがとても理不尽と感じただけだ。

なんだか友人は、人の弱みにつけ込んだ詐欺まがいの商法に捕まってしまったように感じる。




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