RISE weblog

RISE Productionアートディレクターの佐藤です、仕事上で感じた事からプライベートな事まで、こちらのブログに書いていこうと思います。

何が悪いんだろうねぇ。

友人のブログへのトラックバックでもあるのですが、何だか社会全体が消化不良というか、未来への希望が見えない閉塞感の原因など、自分なりに理解しているモノを文章にしてみました。

私は社会に出てからグラフィックデザイナーという、どちらかというと職人のように自分の腕一本で仕事する職に就き、労働者側とか経営側とかの身の置き場というか、労働者の権利?などという物が良く理解出来ない生活をしてきました。

仕事が納められなきゃ何日でも徹夜もするし、休みなんて取れませんしね。無けりゃブラブラと遊んでいたり、美術館に行ったり、気になる映画を見たりもします。最近は仕事の量も質も変わってしまいましたので、呑気にブラブラなんて出来ませんけどね。

だいたい以前からクリエイティブの仕事。デザイナーなんてモノは、流行廃りを作る仕事ですので下克上は当たり前。業界で長く生きていこうと考えれば組織を作り上げるか、大先生になってしまうか、その両方になれない人はコツコツと小さな仕事を地道にやるのが生き残っていく手段だったんですが、社会の仕組みがドンドン変わってきていて、この数年はどれも当てはまらなくなっている気がします。

しかもグラフィックに限らず、友人のファッションデザイナーや、鞄袋物のデザイナーも口を揃えたように、その業界でこのまま生き残っていけないほど「仕事の流れが変わってきている」と言います。社会の「何?」が変わってしまって、水の流れが変わるように仕事の流れが変わってしまったのか。

社会は良い道具が出来てきたり、例えばエコロジーという概念から生活が変わったりと、国民が合理的と考えられる方向へ、などとドンドン変化していきます。
そんな流れは一応流行廃りを表現する職業ですから、社会の何がどう変化してきたかは見続けていますが、これと言った決定的な要因は見つかりません。やはり積もり積もった変化に対して閉塞感を持ちつつも、解決する方策を打ち出せないこの国に対し、産業界が反応せずに全体の仕事の量が変化してしまっているのでしょうか。

政治家なんて人たちは、その変化に対応する社会の仕組みを作ったり、修正する為の法案を作るのが仕事のはず。小泉さんが首相の頃は何かが変わるという期待感がありましたが、安倍首相・福田首相・麻生首相と続いた政権が「何かが変わる」といった期待感を、元の古い体質に戻してしまうと言う絶望感に近いモノを感じさせる政策から、このまま先に進んでいけないという閉塞感を感じるのだと思います。

テレビのバラエティー番組などで良くコメントしている森永卓郎さんは、小泉・竹中元大臣の政策は評価されていませんが、小泉さんの政策としては「無駄な国の仕事を減らし、小さな政府にしよう」だったはずで、そのために格差社会に陥ったが批判する論法です。
偶々なのか製造業にも派遣業法を適用した法案が通ったのが小泉さんの時代だったかもしれませんが、雇用格差の流れは小泉さんが首相になる10年前のバブル崩壊で、経営状況の悪くなった企業が、固定費の削減で簡単に首の切れない正社員の雇用を嫌い、パートや派遣社員に人材を求めたのが始まりだと考えます。

竹中さんにしても、誰も手を付けなかった不良債権に値段を付け、合理的な金額で最終的な不良債権処理をさせ、プライマリー・バランスを適正な形に戻そうとした手腕は評価されてしかるべきと考えます。

私は今でも国がやる必要のない無駄な仕事は、極力減らせよと考える方ですし、労働者の権利よりもちゃんと仕事しろよ。仕事は言われた事をただこなすだけなら人はいらないだろ、何を求められ何の仕事をしているのか頭で考えて仕事しろと。

プロですからね、そんな事を自問自答しながら仕事していますので、労働者の権利を声高に主張する組合というのも肌が合いません、その組合の恫喝に近いというか、反論されるとめんどくさいからなのか、ホイホイとマッサージチェアを買ってしまうお役所は解体されても当然です。

先の東京都議会選挙では、それまで第1党だった自民党が議席数を伸ばせず、民主党が大躍進しましたが、衆議院選挙でも同じような結果が出るのでしょう。でもどちらが勝ったにしても行き着く先のゴール・目的は、日本の産業が活性化し、国民が安心して暮らせる社会を作る事で、政権を取る事が目的ではない事を肝に銘じてもらいたいと思います。




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