RISE weblog

RISE Productionアートディレクターの佐藤です、仕事上で感じた事からプライベートな事まで、こちらのブログに書いていこうと思います。

Graphic Designerの未来は?:2

職業グラフィック・デザイナーとして生息する場所は広告代理店の制作部や、デザインプロダクション、独立したデザイン事務所など、それを専門とする企業に集まり仕事をしています。

このような専門領域に特化した職業で区切られた企業は、職人などが集まるギルドなどの専門知識を持った集団で、機材や材料などを集中させる事で作業効率を上げる事が出来ました。数年前までは版下を作る技術、写植を指定し文字を組む技術、など沢山の専門技術の知識が必要とされていました。

しかしコモディティー化が進んだ現在は専門知識がなくてもPCのスキルさえあれば、専門的な知識を持つ者から教わらなくてもキーボードさえ打てれば印刷原稿を作る事が出来ます。

この事から専門職業・職域で集まって作業する事で作業効率を上げるとは言えなくなってきました。

必要な時に必要なだけ必要な場所に。On Demandの考え方ですね、グラフィックデザイナーも代理店やプロダクションなど、規模も大きく多くのデザイナーがいる企業では、瞬発力の必要な規模の大きや実験的な仕事、また多ページを一度に作り上げる仕事ではフォーマットを作るマスターデザイナーと、フォーマットに合わせ写真や文字を入れ込むオペレーターが居れば済んでしまう事になりそうです。ってもうなっているのかな?。

年に数度原稿を作るような規模の企業では、外注に出す仕事とスキルを持った派遣社員が社内で内製する仕事の2つに別れるのではないでしょうか、小さな個人事務所のようなデザイン事務所(ウチなんかもそうですが)は、数少ない「外注に出す仕事」を取るために専門的な営業力が必要になるでしょう。

デザイナーという職業は以前のようにカタカナ職業としてもて囃される、流行のような職業ではありません。デザインとは何を指す言葉なのでしょうか、一言で言ってしまえば「目的を持つ物の形態を、機能や生産工程などを考えて構想すること」です。

元々グラフィックデザイナーは、印刷物や平面装飾物を用いて社会とコミュニケーションする事を目的としています。コモディティー化が進んで起きた事とは、専門的な知識をPCに代行させる事で、普遍化させ隣の職域との垣根を無くす事でもあります。

平面グラフィックの枠をなくし、コミュニケーションという目的の手段として映像を使ったり、Webを使ったりして構想することが求められてきているのではないでしょうか。

同じようにグラフィックデザイナーと仕事を行うクリエイティブディレクターやアートディレクターは、マーケティングやブランディングからの視点も踏まえた、企業戦略まで突っこんだ答えを求められてきているのではないかと感じます。

社会環境がドラスティックに変化する中、職域を表していた言葉も変化してきていますね、グラフィックデザイナー・Webデザイナー・映像デザイナー達は「コミュニケーションデザイナー」と言われるようになるような気がします。




1/1