RISE weblog

RISE Productionアートディレクターの佐藤です、仕事上で感じた事からプライベートな事まで、こちらのブログに書いていこうと思います。

飲食店の大量生産・大量消費は愛され続けるか_01

 大量生産、大量消費と言っても、クルマや家電製品ではなく食べ物です。
私の住んでいる場所は横浜市内で、事務所は東京にあります。今まで商店街と言えば、駅近くにあり○○銀座などと名前が付いた商店街が、日本全国どこにでもありました。しかし最近、元気のある商店街は少なくなり、特に地方にある商店街などはシャッター通りと比喩されるほど、店を閉め廃業するお店が沢山あります。

 反対に商業専門ディベロッパーの開発する、大型ショッピングセンターのモールという「新しい商店街」は、大規模な工場跡地など、あちらこちらへ出店が相次いでいます。中に入るお店は、このショッピングセンターという施設に、テナントという形で出店しますが毎月ディベロッパーに支払う金額は、けして安い物ではありません。

 支払う項目の一例を挙げると、営業保証金・固定営業料・変動営業料・駐車場負担金・共益費・水道光熱費・販促費・会計処理費等々、特に変動営業料は、売上に対する歩合契約により、高い売り上げを上げればディベロッパーに支払う金額も増え、売上を誤魔化すことがないようレジはSC全体で、毎日の売上金も夜間金庫で一元管理され、毎月一度営業料などの経費を差し引いた金額を、ディベロッパーからテナントに支払われます。

 こうなると自宅を店舗としているような、経験と商売の勘だけでは出店出来ず、原価や営業費・人件費などをマネージメント出来る企業だけが、テナントとして出店できます。お父ちゃんとお母ちゃんの二人でやっているようなお店には、ショッピングセンターへの出店は非常にハードルが高い物なのです。

 今、ショッピングセンターに出店出来ている飲食店は、全てマーケティングとマネージメントを検証した上で、出店し利益を上げている店舗と見て構わないでしょう。

 と言うことで、人件費を抑えるためにマネージャー以外はバイトさんかパートさんを使い、経験者ではないスタッフが調理しても、お客様の満足度が変わらないよう、セントラルキッチンで事前に下ごしらえできていて、店舗にいるスタッフのスキルによって左右されない味、または加熱しお皿に盛るだけでお客様に出せる、原材料の仕入れから調理まで、マネージメントされている料理で、お客様が大きく感動する料理ではなくとも、6〜70%位のお客様が満足できる料理です。

 ショッピングセンターにある飲食店だけではなく、街にあるチェーン店化された外食店舗は、同じようにマーケティングからマネージメントまで、しっかりと管理され運営されています。そこそこ安くて美味しいお店、嫌いじゃありませんし、よく利用させていただいています。でも何か物足りないのです、次回はそこら辺の話しを少し・・・。




クリエイターとしての資質-02

人を信じて、好きな人。


 クリエーターとしての資質として2回目になりますが、人として社会生活を送っていく上で、職業や肩書きとは関係なく、周りの人間とコミュニケーションを取り、生活しています。社会には色々な人が環境を共有し利用しています。

 世の中には良いヤツもいますが、イヤなヤツも沢山います。そんな良いヤツ、イヤなヤツを含めたのが社会で、そんなイヤなヤツを見たくないがために、人の沢山いる休日の繁華街に出るのがいや、という人も沢山います。面識のない不特定多数の人たちが集まる場所でも、基本は一人ひとりの社会性や、育った環境に拠るのかもしれません。

 でもね、人は生まれた時からイヤなヤツだったのか、良いヤツだったのか、性善説・性悪説が有るとすれば、迷わずに人間性善説を選べる人。CMや広告は社会の人が見たくて見る物ではなく、企業・団体が媒体を購入し、見たくない人にも自分の主張を押しつける行為ですから、クォリティが低いと見た瞬間、拒絶反応が出ちゃいますので、見ていただく方に喜んでもらう、という思いやりが最低限必要なんです。




作る事が好きな人。


 写真の撮り方-01の人間性にも書きましたが、キレイなモノを創りたい、格好良くしたい、と言う目指す物に貪欲に進める人、情熱がある人ですね。確かにクライアントとの打合せで、あまり受け入れたくない要望が出てくる事もあるでしょう、きれい事かもしれませんが、クライアント側も制作側も目的地は一緒のはずです、納得するまで擦り合わせが出来る時間と熱意(もしかしたら思いやりかもしれませんが)も必要だと思います。

 当然お仕事として作業を行うわけですから、労働基準法に則って仕事の時間は決まっているわけですが、工場でモノを作るわけではありませんので、9 to 5で時間を切り売り出来る仕事ではありません。

 アシスタントやオペレーターでしたら事務所を離れれば、仕事の事はキレイさっぱり。でも構わないでしょうが、クリエイターとして、ディレクターとしてモノを創る立場にいる人間は、クライアントから頂いたお題を、トイレに入っている時でも、湯船に浸かっている時でも、頭の中であれやこれやと弄くりまわしているタイプの人間が(自分の周りには)多かったです。

 しかし、なんだかんだ言っても歩いている時や、湯船に浸かっている時など、脳に血の巡りが良い時の方が、アイデアが出た感じがします。お酒飲んでいる時は、その時には色々と閃いたりするのですが、後から見返すとしょうもないプランだったりと、ガッカリする事ばかりで飲む時は諦めています。




クリエイターとしての資質-01

子供は努力は無駄と考えてる?


 私も人の親でして、子供たちが社会に出た時に困らないよう、教育しているつもりです。学校の成績だって良かったから、良い学校に行っていたから社会に出て成功するかというと、けしてイコールではありません。実際に私も、ここProFileで人気の同級生だったSさんも、学校での成績はあまり誉められたモノではありませんでしたが、色々と社会で経験し蓄積した知識で仕事をし、クライアントさまから認められているわけです。
 こんな事から私は子供たちに、勉強しろとか良い点数を取れと口うるさく言わないよう、なるべく注意しています。・・・かみさんは熱心ですが。

 それよりも自分が壁にぶつかった場合に、乗り越えようと考え、努力する事を学んで欲しいと考えるわけで、何よりその経験が自分自身にとって自信となり、社会に出てから仕事する上での糧になると思うからです。

 子供たちは学校の宿題でも、塾からの課題でも漢字の書き取りになると、辞書を引いて漢字を捜すのではなく、携帯で漢字変換して書いています。辞書を引き調べると言う事は、目当ての漢字だけではなく、その周辺にある漢字までも、自然に頭に知識として蓄積されると言う、過程のメリットもあると考えるのに、努力せずにサッサと結果だけを求めようとします。




最近は仕事でも同じような傾向が・・・。


 我々の職業である、グラフィックデザインという仕事ですが、DTPと言う形でコンピューターが入る前は、ほとんどが手作業で数字として10点満点で表すと、アイデア出しは2点くらい、要素となる写真やイラストの制作に3〜4点、デザインレイアウトに3点、版下作成に1〜2点と言ったところでしょうか。

 仕事にコンピュータが入り、効率的に作業できるようになってからは、仕事の総量が10点から5点に減った感じがしてなりません。画面で大きな要素になる写真やイラストは、レンタルで処理し、イメージに合ったイラストや写真を新に作る事は少なくなりました。つまりお金と時間を掛け、回り道をしてまでも一つのモノを作り上げると言うよりも、レンタル写真と社員の作ったコピーで、簡単にサクサクッと広告を作ってしまう。と言ったような、いきなり結果を求めるような作り方が、多くなっている気がします。

 一つのモノを作り上げるのに、効率を考え、少ない労力で作り上げる力、これはとても素晴らしい能力だと思います。学校でも問題をスラスラと解いてゆく、事務処理能力の高い優等生でしょう。しかしクリエイエティブの世界、特にディレクションの仕事では、事務処理能力の高い人間よりも、問題解決能力の高い人間が重宝されます。

 つまり、これはクリエイティブと一口に言っても、グラフィックだけに限らず目的を考えるディレクターと、手段を効率よく完成させるデザイナーの二種類に分けられ、Webの世界でも同じ構図になっていると思います。結果を求め最短距離で目的地に向かう人よりも、失敗を経験し、経験を蓄積し回り道をしてきた、打たれ強い人の方が、クリエイターとしての資質の持ち主であり、変化する社会に対しての答えを出せるのではないのかと考えます。




フジテレビが動いている

 そう、あのマスコミの代表みたいなフジテレビである。ニュースによると、別会社を設立し、結婚披露宴の企画・運営事業に参入。お台場の本社屋などを利用。と有ります。

 確かに番組制作というエンターテインメントを作り慣れた放送局が、人生で一番輝く時期であろう結婚披露宴の演出ビジネスに進出するのは、企業の持つ資源の有効活用で、リスクも少なく大きく伸びる可能性はあるのでしょうが、日本を代表するマスコミの一つである企業が、プライベートサービスを手がけるのは正直驚きました。

 毎年電通が公表する「日本の広告費」ですが、2005年の総広告費の内テレビの広告費が2兆411億円だったモノが、2007年は1兆9,981億円と2 兆円を割り込み、反対にインターネット広告費が、2005年3,777億円だったモノが、2007年には6,003億円と増え、新聞・雑誌・ラジオ・テレビと言ったマスコミ四媒体との媒体広告費の推移が顕著に表れると、なりふり構ってられないと言ったところでしょうか。

 その昔、ラジオ局もテレビの台頭と共に、リスナーとのコミュニケーションを意識した番組へと、プライベートメディアに近づいた経緯がありますが、テレビというメディアもそれに習うのでしょうか。
 社会の変化に伴い企業体質を変化させるように、様々なビジネスモデルを模索し、新しいサービスも出てくると思われます。
 体力がまだある内に出てくるテレビ局の新サービス、これからのビジネストレンドを代表するサービスが生まれ出てくる可能性がありますので、ますます目が離せませんね。




UNIQLOCKがメディアの枠を越える



 ユニクロのファーストリテイリング社のウェブ広告「UNIQLOCK」が、カンヌ国際広告祭のインターネット広告のサイバー部門と、メディアの枠を越えたアイデアのチタニウム部門でグランプリを取りました。
 スゴイ!、クール!、色々と表現はあるのでしょうが、ムービーと時刻表示のアニメーションを5秒間隔で入れ替える、見せ方のテンポの良さ、BGMに重なるセコンドタイムと10秒ごとのポーンが、ダンスの動きと相まって耳に心地よい、本当に見続けちゃいます。

 このウェブ広告用ツールは、ブログパーツとして開発されたようですが、今までのウェブ広告用ツールは、バナーやAdSenseと言ったコンテンツマッチ式広告が多く、Flashを使ったバナー広告などあったとしても、テレビCMと比べ、クォリティーもあまり高くなく、画面の隅でチョロチョロ動いて鬱陶しいなど、掲載する側としてはあまり広告効果が期待できず、見る側も見えなくなるまで画面をスクロールするなど、そのバナー単体の掲載では、広告としての効果をあまり期待できるモノではありませんでした。

 しかしこの5秒刻みで画面が移り変わり、朝・昼・晩・夜などによっても変化する映像は、リズム感があり、見ていて楽しく飽きさせません。今までこのウェブ広告ほど、インターネットというメディアリテラシーに合った広告は、無かったかもしれません。

 ウェブ広告でこれだけ企業イメージを表現でき、社会の人とコミュニケーションを取れると言う事は、今まで企業と社会のコミュニケーションを媒介してきた、テレビや雑誌、新聞と言ったメディアのプライオリティーが下がったと同じ意味を持ちます。
 これからの時代、頭で考え汗をかく事ができなければ、大手広告代理店やテレビ局も、うかうかしていられなくなりそうです。反対に小さな企業でも、アイデア一つで大企業に一泡吹かせられるキャンペーンが出来るかもしれません。

 ちなみにファーストリテイリング社の日本国内における広告宣伝費は、年間210億円だそうです。今回のウェブ広告用ツールにしても、媒体費は掛からないにしても、制作費は通常のCM制作と同じ程度掛かったと言いますので、同じような広告を考えるにしても、金額の覚悟だけは必要でしょう。




毎日新聞・紺屋の白袴なのか?

 今年の春先頃から、いろいろと取りざたされていた毎日新聞に関する諸問題ですが、昨日のニュースサイトにまとめが出ていましたので、いつもは不祥事を告発する側の、メディアの不祥事に対して一言。

 報道して火の粉が降りかかると大変と、静観しているのか、他の新聞やテレビなどでは報道しないので、何のこっちゃと思われる方も多いでしょうが、日本に5紙だけの全国紙(マスメディア)の1紙である毎日新聞と、メディアとして台頭してきたWebとの戦争みたいなモンです。

 何がどうしてどうなったかは、上記まとめサイトを読んでいただくとして、マスメディアとしての自負と、新参者のメディアに対しての正確な判断を誤った事が、Web上で炎上騒ぎとなり、企業の大きな収益源である、スポンサーの撤退に繋がったのだろうと思われます。





教訓として見習う点は

1)自社サイトの末席にあるニッチな存在でも、自社の看板を掲げている以上目を配り、管理していく責任があると言う事。・・・それがブランドを管理すると言う事。

2)社会の変化をよく知る事、インターネットの掲示板というと、オタクや引き籠もりと言ったネガな部分だけではなく、キチンと世論をまとめる力も備わっている事。・・・なめてかかると、とんでも無い事に。

3)不測の情報が流れる兆しが何度か有ったにも係わらず、火消しに努めなかった。・・・マスメディアとしての奢りなんでしょうかね。

4)報道機関として情報を発信するのだろうが、不祥事を起こした企業に対しての見方と、社内で行われた事の判断評価を同一視しない。・・・社内に対しては甘く見られるので評価はもっと厳しく、または第三者機関で。

5)Web上で不祥事を叩かれると、ツボを押さえた謝罪をしない限り、報道と違いいつまでも沈静化しない。・・・キャンペーン報道のロングテール化。



 今はメディアの頂点と思っていても、明日もその位置にいられるとは限りません。社会の動きを謙虚に受け止め、対処していかなければ企業として生き残ってはいけないでしょう。
 テレビ、新聞や雑誌などの既存マスメディアに対し、Webの世界では情報に対しての対価を得られにくくなっており、どのようなビジネスモデルが成り立つか、試行錯誤が繰り返されています、現在のマスメディアも統合・縮小などの動きが起こってくるかもしれませんね。




写真の撮り方-04

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■フレーミング
 クルマやオートバイなど、大きな被写体は全体を画面にきっちり納める表現もありますが、一部を切り取る形での表現方法も考えられます。どこをどう切り取れば、格好良くなるかは背景と商品の色などに左右されますので、撮る方のセンスに大きく左右されるところでしょう。また、クルマのボディーなど面が大きい物では、そこに写り混む風景なども、画像の一つの要素となります。


■露出
 デジカメのカメラRAWデーターでは、PCでの現像の際、露出を絞りで言って一段開けたり、絞ったりしても、仕上がりの画像にさほど影響が無く調整できますが、露光をAUTOの設定で撮影の場合、背景の色や被写体の形状、光の当たり方で仕上がりが明るく跳んでしまったり、暗く潰れてしまったりします。

 カメラを覗いたフレームの中で、ハイライトとシャドウを認識し、被写体の中で一番表現したい部分に露出を合わせるよう意識して露出を合わせないと、カメラで適正露出と判断していても、思った画像が撮れない場合もありますのでご注意ください。

 カメラ量販店にも軽い布製で片面はアルミ蒸着、片面は白と言ったコンパクトに収納できるレフ板を売っています。被写体で表現したい部分がシャドウで暗くなっている場合、レフ板で光を当てる事で、自然な形で明るくできますので、一つ用意しておくと何かと便利です。


■まとめ
 デジタル一眼レフカメラを使って、少し良い写真の撮り方を4回に分け説明しましたが、カメラのファインダーを覗いた時に、こんなフレーミングがあったな、こんな撮り方があったな、などと、広告や写真集などで良い写真を沢山見る事はとても大切な事です。また、良い写真を撮るために早起きするなど労力を惜しまず、色々な撮り方にチャレンジし、沢山の写真を撮って頭に引き出しを作っておく事も忘れないでください。


 少しだけ写真の説明を。左は晩秋と言っていい時期、東京都内の公園の入口で撮影した写真です。遠くまで行かなくとも近くとも良い場所は沢山あります。右は、春先に山梨のリゾートで撮ったクラッシックカーで、リアフェンダーの曲線が官能的な線を描き、そこに写り混んでいる風景もなかなかキレイです。




写真の撮り方-03

Jetty_480

table_480

■時間とお天気

 昨日の屋内での撮影でしたら、時間やお天気など気にせず撮影できますが、風景や屋外で物を撮影する場合、ドラマチックに撮影できる時間帯が有ります。日の出・日の入り前後がその時間帯ですが、光源となる太陽の位置が水平に近いので、陰影がはっきりと出て立体的に見えます。また望遠レンズで空気感を感じさせるよう撮影する場合は、季節や雨が降った時など天気によってだいぶ違いますが、朝は空気中の埃が少ないクリアな感じに、逆に夕方は活動後の濃密な感じの空気感を得る事が出来ます。

 お天気は晴れでも良いのですが、薄曇りの時などは全体にベールを掛けたような、間接的な光のまわり方で、ほとんどの物がキレイに見えます。特に女性を撮る時などは、肌がキレイに見えますのでお奨めです。また、雨が降って頭に思い浮かべた絵柄を再現できなくとも、雨の日だから撮れる画像というのもあります。特に物を撮る場合、濡れて水滴の付いた表情は、とても印象的だったりします。

 少しだけ写真の説明を。リゾートでの日没後の桟橋です、雲が芸を披露してくれ良い感じに。この時はディライトタイプのフィルムをタングステンタイプに変換するフィルターを使っていますが、デジタルカメラで撮影フォーマットをカメラRAWで撮影した場合、PCで現像の際、撮影時のホワイトバランスをいじれます。もう一枚はレストランのテラスで、夕日が直接グラスを彩り、煌めきとコントラストが良い具合に。




写真の撮り方-02

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showcace_480

 ちなみに皆さんは、どんな写真を“良い写真”と判断しているのでしょうか、それによっても撮り方が違ってきますので、自分が好きな写真、気に入った写真をよく観察する事から始まります。多分その写真は、漫然と街の風景を撮った物と、ひと味もふた味も違うと思います。目を引きつけられるポイントが明確にあり、何かしらのメッセージが感じられると思います。




■レンズ

 昨日のカメラの後にも書きましたが、もう少し詳しくと思い独立した項目で説明します。昨日の「35mmカメラ換算で広角35mm〜80mmくらいのズームレンズあたりから始めるのも良いかもしれません。」に追加で、マクロレンズもプラス一本有るとパーフェクトです。

 私はカメラを持ってプラッと出かけ、手持ちでの撮影が多いので、レンズは極力明るいレンズを選んでいます。ピントの合う範囲を“被写界深度”と言いますが、広角は広く、望遠は狭い、距離が近いと狭く、無限大に離れるほど広くなります。また、絞りを絞り込めば広くなりますし、開放では狭くなる関係でもあります。

 サンプルで付けた下の写真を見ていただいても分かると思いますが、暗い室内に三脚立て、絞りは開放、シャッタースピードは1/8位でしょうか。寄りで撮っていますのでピントが来ているのは一箇所くらいで、後はみんなぼけてしまいます。こんな物に寄った写真だと、自宅にある普段見慣れている物でも、光の加減でとてもキレイに撮る事が出来ます。

 レンズの事を書いたので、補足として少しフィルターも説明しましょうか。写真が画像データーになる前まで、広告に使われる商業写真などはリバーサルフィルム(スライド用フィルム)を使っていました。このフィルムは普段使っていたプリント用フィルムと比べても色温度に敏感で、太陽や蛍光灯、ストロボや白熱灯など、同じ物を撮影しても光源によって、色のついたビニールを掛けたように色が変わった物でした。

 人間も物理的に入る情報がそうなっているのですが、脳が色を修正して判断しているので、光源での差はあまり感じられません。現在使われているほとんどのデジカメは、自動でホワイトバランスを取りますので、フィルム撮影に使うような色変換フィルターは必要なくなりましたが、キャンディーなどを包んでいたビニールの包装紙を、レンズの半分だけ隠してみるとか、クシャクシャにして別な方向から光を当てて、乱反射の光をレンズで拾ってみるとか、人工的に不自然な光を演出する事でも表現を膨らませる事が出来ます。




写真の撮り方-01

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 私の職業はアートディレクターです。職業としての段階としてはアシスタントデザイナーからデザイナーと来ておりまして、はるか昔には学生だった頃もありました。その学校には随分とキチンと作られた写真スタジオもあり、カメラも4×5サイズのフィルムカメラを使い撮影実習もしていました。

 1970年代前半の事でストロボよりもタングステンを使っていましたが、スタジオでも物撮影の、キチンとしたライティングを作るのがどうも肌に合わず、カメラマンよりもデザイナーを目指した訳なのですが、カメラは嫌いではなく、スナップ程度に色々な写真を、ストロボなどの補助光を使わずに撮影を楽しんでいました。

 仕事柄写真を使う事も多かったので、ある一定以上のクォリティーとはどのような写真なのか、まぁ、教わるより慣れろでしょうか、身についていたわけです。そんな事を知ってかどうか、このAll Aboutの集まりがあった時に、営業のOさんが「一眼レフを使った写真の撮り方のコラムを書いてくださいよ」と言われ、被写体にレンズを向けシャッター切ればほら撮れた。と言ったら違うと言う。

 少しでもキレイな、雑誌や広告で見るような写真の撮り方が知りたいとの事で、あくまで自己流ですがいくつかのポイントでコラムを構成してみます。


■人間性
 最低限今よりもキレイに撮りたい、と言う欲望が頭に渦巻いていないとダメです。「こんなもんだろー」とか「めんどくさいから」「見たいテレビがあるから」などと言っていてはまず無理です。まぁこれはデザイナーを目指す人にも言えると思いますが、自分の目指す物に向かってどん欲さが無いと、仕上がりはあまり期待できない物が多いです。


■カメラ
 一応オートだけではなく、絞りやシャッタースピードをマニュアルで使える一眼レフカメラを念頭に置いています。撮影した画像ファイルも.jpgだけではなく、後処理の事を考え.CRW(カメラRAW)で撮影できる機種だと、よりイイと思います。レンズは倍率の高いズームも最初のウチは画角が変わって面白く見えますが、一年くらいで多分飽きちゃいますので、固定焦点でも良いのでなるべく明るいレンズを選びます。

良い写真って「風景の中でどのようにフレーミングして切り取るか」ですから、35mmカメラ換算で広角35mm〜80mmくらいのズームレンズあたりから始めるのも良いかもしれません。この画角のレンズって安いコンパクトカメラのズームが、これと同じくらいの画角のレンズを使っています。


少しだけ写真の説明を。左はまだ人の歩いていない白い砂浜の犬の足跡、これもオートで撮影するとアンダーに撮れてしまいます。右は雨のリゾート、人もいなくて寂しい風景で、椅子だけがじっと佇んでいるのが存在感ありました。

最初はこんな感じでしょうか、次も続きますよ。




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