RISE weblog

RISE Productionアートディレクターの佐藤です、仕事上で感じた事からプライベートな事まで、こちらのブログに書いていこうと思います。

ブランディングは形から進めていっても良いのか

Q : ブランディングは形から進めていっても良いのか


競合他社との差別化を図るために、会社のブランディングを推進していく必要があることを認識しているのですが、どこから手を付けていけばよいのか悩んでいます。社内に対するモチベーションアップの意味も含め、新規で社名ロゴを作成し、会社にキャッチコピーを作り、ホームページやパンフレット、名刺を統一デザインでリニューアルするなど、形から入ろうかと考えています。が、ブランディングとはこういった形から入る作業を進めることで、達成されるのでしょうか。


A : 私は、私というブランドです。


ブランドを確立していくのに、順序や正解はないと思います。
何をすれば答えが見つかるかは、他の専門家の皆さんが言われていますので、申し上げる必要もないと思いますが、少し違った切り口でブランディングの考え方を提案させていただきます。

ブランドとは例えば、「老舗」という言葉の持つ意味や、「はつらつ」や「若々しい」「フレッシュ」と言う言葉の持つ感覚を、企業(店舗)が社会(消費者・お客様)とのコミュニケーションするときに、相手に自分を伝えたいイメージだと思います。

企業の中でもブランディングというと、難しく考えがちですが、企業を私個人と捉え、私が好きなあの子に少しでも私を理解してもらい、好きになってもらうために自分をどう表現すべきか。と捉えなおすと少し分かりやすいのではないでしょうか。

ロゴの作成、コーポレートスローガンなど、この「自分をどう表現すべきか」が曖昧だと、形や色の使い方が、考える方向と違ったものになってしまう可能性があります。ですから形から入るにしても、その色や形を使い「どう表現すべきか」という「理由」が必要になってきます。

またご質問にあるように、社外・社内に対するモチベーションアップのためにも、顧客や株主、社員やその家族と言った、全ステークホルダーに向けたメッセージでもあるべきで、企業の中・長期計画にリンクし、未来を見据えた企業戦略でもあるべきです。

ニッチマーケット上のブランディングでは、差別化を強く出せば認知されやすいでしょうが、幅広い年齢層の多くの方から長く親しんでもらおうと考えれば、コンプライアンスやコーポレートガバナンスなどの、企業統制の整備も合わせて考えないといけないでしょう。



このQ & Aは、All AboutPfoFileに届いた質問に対し、RISE Production佐藤が答えた物を転記しています。オリジナルページはこちら


その意見広告はどうよ。

3/17朝刊

3月17日の朝刊各紙に「考えてみませんか?私たちみんなの負担額。」という意見広告が掲載された。

リードコピーにある「日本は世界トップレベルの低炭素社会です。」も理解しているし、誇りにさえ思っている。

温室効果ガスが増えてきた原因は、産業革命から競争原理の下、化石燃料を使った結果、地球が持っている浄化作用以上の二酸化炭素が放出されたから。

空気中に二酸化炭素が全くない状態だと、地球上の熱が効率よく放熱され、地球の気温は氷点下30℃くらいになるそうなのだが、増えすぎた現在、熱が宇宙空間に放射されず地球温暖化に繋がっているのが、これ以上温室効果ガスは増やせないと考える理由。

実際に世界のGDPの上昇と共に、同じようなカーブを描いて温室効果ガスの量が増えています。

このことから京都議定書にある1990年を基準として、温室効果ガスを−6%削減すると経済成長も、同じように−6%を覚悟しなくてはいけない懸念から、日本の経済成長をこれ以上マイナスに振ることは、世界同時不況の中、企業として生き残っていけない可能性がある、と言う危機感を持っての意見広告なのだろう。

でも広告の内容からすると、読む人に全世界の京都議定書に対する批准の足並みが揃わず、相変わらず大量生産大量消費に進んで儲けている国があるのだから、日本もこれ以上のCO2削減は「環境に対する技術的イノベーションが進んでいるんだから、ECOの為にあんまり頑張らないで、今まで通りドンドンエネルギーを使おうよ」に聞こえる。



産業革命以降今までにないスピードで発展してきた人類だが、ここに来て人類はおろか、地球上に暮らす生物全てを危険な状態になるのではと懸念され、全世界で取り組むべき問題だと認識している。

同じような生活を続けるのに、効率が悪く温室効果ガスを多く排出する他の国と比べてどうする、この問題は全人類が初めて経験することだ、誰も答えを持っていない。

出来るだけ大きな視点で考え、理念を持って進めないといけないのではないのか。

確かに現在の経済的危機は今までに無かったほど厳しい物だが、原因は環境を気にしたエコライフではない、金融危機だけでもない、様々な各論に少しずつズレが出てきたのが集まり、マクロ的な問題で経済危機になったと感じられる。

今回の意見広告を出した沢山の協会を合わせると、日本の多くの産業が入るのかもしれないが、景気回復に対してのアピールするポイントが、ちょっとズレているのではないかと感じる。

日本は技術大国と言われているが、言葉を言い換えれば問題解決大国だ。

過去には公害問題を技術で問題解決を図り、その技術が世界中で取引されることで日本の産業が振るわった実績もある。

別に自分が環境を意識した考え方を持つからと、この広告に意見を言うわけではない、ただ内容が気にくわなかっただけだ。

なぜなら、新聞コピーにある温室効果ガス削減には、1世帯あたり105万円の負担と有るが、直接の負担ではないのに数字を出すことで広告を見た人に、ネガティブな印象を持たせるバイアスが感じられて、広告を出稿した各業界の正義の居場所が、日本の産業を牽引する各業界がこんな姑息な手を使って良いのかと感じる。




1/1