RISE weblog

RISE Productionアートディレクターの佐藤です、仕事上で感じた事からプライベートな事まで、こちらのブログに書いていこうと思います。

広報マニュアル:practical(01

Sec.2 実務の枠組み


PR媒体


企業からのPRを目的としたものには、以前からもあったテレビ・ラジオ・新聞・雑誌といった各広告媒体をはじめ、企業のプロフィールをまとめた会社案内、活動報告のアニュアル・リポート、企業の社会的責任をどのように取り組んでいるかを報告するCSRリポート、PR誌や社内報までさまざまな広報ツールが、さまざまなステークホルダーに向け情報発信されています。

短期間で爆発的に告知できるテレビや新聞などと比べ、興味を持っているコンシュマーが、こだわりを持って深く商品を深く理解できるWebサイトや、その入り口であるアドワーズ広告など、商品特性や時期によって戦略として媒体を効果的に使い分ける必要があります。自社商品のユーザー様からの位置づけなどよく理解しておかないと、適切な広告展開を打てなくなってきています。

この後のページからは、広告よりも広報PR媒体の考え方、留意点など説明します。



ユーザー様(お客様)の声


一言で広報の仕事内容を聞くと「情報発信」と答える方も多いでしょうが、お客様はもちろん、将来お客様になっていただけるだろうコンシュマーの意見を聞き、該当部署に情報を伝えるのも広報の大切な仕事です。

お客様相談室に寄せられたお客様の声や、モニター活動(パネル・友の会・お客様重役など)を通して集めた具体的な意見。マーケティングやアンケートなど、調査会社でまとめられたユーザー様の声などから、生活者・消費者の状況や関心、企業に対する評価や要望などを受け止め、ユーザーが欲している情報を発信する事で、企業と社会のコミュニケーションが成立します。

最近はインターネット上にある掲示板やブログなどで、直接ではないにしろ、効率的にまた具体的にお客様からの声を聞くことができるようになりました。いくつかのキーワードを設定し、検索する事で、Web上にある評価や意見を得る事になります。またmixiに代表されるSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)や「はてな」など、ユーザーのクラス分けやコミュニティー別に調査できるサイトも増えてきており、この様なサイトで要望や評価を得る事も可能になってきました。



報道対応


報道対応は大きく2つに分けられます。1つは企業から報道機関に対して情報を提供する「記者発表」、もう一つは報道機関の要望に応じて企業が情報を提供する「取材対応」です。

報道機関への記者発表・記者会見などは、行う事が一つのイベントのように感じられますが、情報を伝えるための一つの手段であり、目的ではありません。記者の向こう側にいるコンシュマーに向け、何を伝えるかが大切です。




広報マニュアル:practical(02

1:PR媒体




会社案内


企業が活動する際、社会に対しどのように向き合い、対応してゆくのかを、全ステークホルダーに対し告知できるのが会社案内です。この事から企業の経営側トップが、企業ブランドのポジショニングと、誰に対し、何を、何のために伝えるのかを明確にしておく必要があります。

一冊の会社案内でしょうが、ここに企業ブランドを表現する要素の全てが詰め込まれると考えても差し支えないでしょう。その制作に於いて差別化が図れる事から、企業理念を多面的に捉え表現できるよう、出来る限り優秀な制作スタッフを選ぶ必要があります。また経営側の意向を反映した訴求ポイントを選択し、提供できる優秀な社内スタッフも必要です。



アニュアル・レポート


投資家に対するIR活動の基本と呼べる物で、元々は欧米の企業が投資家に対し、企業活動を解りやすく個性的に表現した物ですが、日本ではまだ「企業は株主のモノ」という意識が低いからか、株式年次報告書などで見られる財務情報だけ突出し、欧米各社で見られるような事業内容や研究開発内容などをビジュアライズし、経営戦略を表現したクォリティの高いレポートはあまり多くはありません。

正確な財務情報を速やかに公表できるメディアとしては、プリントメディアより、インターネット上に公開する方が理にかなっていますが、プリントされた一冊の冊子としてみた方が、企業全体を俯瞰して見られるため、プリントメディアも多用されています。




CSRレポート


環境報告書としてのCSRリポートは、1996年のISO14001の発行に合わせるように発行されてきましたが、アメリカのエンロン社とワールドコムの粉飾決算・不正経理が発端となり、レポート提出の社会的ニーズが大きくなり、多くの企業がコーポレートガバナンスやコンプライアンスと言った、企業の社会的責任を含んだ非財務的情報をレポートし公表するようになりました。

CSRのガイダンス規格であるISO26000は、企業の誠実性・透明性・多様性・柔軟性を高める事で、「環境」「人権」「労働慣行」「組織のガバナンス」「公正な商習慣」「コミュニティ/社会開発」「消費者問題」の各項目でマイナスの側面を押さえ、プラスの側面を拡大する。企業・組織の持続的存続と、社会・環境の維持を、ステークホルダーに働きかける事を目的とし、それに沿ったレポートをCSRレポートとしています。

このCSRレポートも会社案内やアニュアル・レポートと同じく、企業ブランドを表現すべく、優秀なスタッフで制作に当たる必要があります。

参考:日本経団連 CSRインフォメーション




PR誌・社内報


PR誌は、問屋や販売店を対象に作られたタイプ(B to B)と、コンシュマー向けに作られたタイプ(B to C)に分けられます。バブル崩壊を機にPR誌の発行数は減りましたが、他の広報ツールに比べ即効性はありませんが、定期的に発行する事で長い間コミュニケーションが取れ、結果的に効果が出てくる事から見直され、最近は再びPR誌の発行が増えています。

コンシュマー向けのPR誌は、紙面作りを一流の作家や評論家にお願いする事で、美しく、読み応えの有る紙面構成が可能で、通常の広報ツール単独では成し得なかった企業のビジョン、思想、社会への提言などを、読者と共有する事で、深くコミュニケーションする事が可能です。

一方社内報では、従来の企業の活性化や情報の伝達と言った機能は変えず、コンプライアンスやリスク・マネージメントにおける企業と社員、社員同士の良好な関係づくりと言った目的を加え、企業内のコミュニケーション環境を目指した紙面作りが必要とされています。

PR誌・社内報とも発行に際し、中長期的な展望が必要とされ、一時的な効果を見込んでの発行、突発的な廃刊となると、マイナスイメージとなります。PR誌・社内報を受け取り、読んでくれるユーザーや取引先・従業員と言った各ステークホルダーと、長い期間良好なコミュニケーションを取るためにも、継続的な発行が必要です。




広報マニュアル:practical(03

2:ユーザー様(お客様)の声



聞く目的


そもそもPRとは、パブリックリレーションの頭文字を揃えた物で、定義も多様ですが根本には「社会と良い関係を作り、継続する事」です。主体は私=企業・組織。個人同士でも、国同士でも良い関係を作るには、相手を良く理解し、自分も相手から良く理解してもらう。理解し合うにはコミュニケーションが必要です。

相手をよく知らない者同士がコミュニケーション取ると、当たり障りのないお天気の話しや、ニュースの話しになり、後から何を話したかと考えると、お互い何を話したかさっぱり思い出せない、なんて事は有りませんか。

先に書いたPRツールでも、受け手であるステークホルダーをよく知らずに、自分が言いたい事だけを書き連ねても、相手には届きません。相手が何を欲しているのか、何に関心を持っているのか、我々の提供する商品・サービスに対する評価はどうか。など、お客様はもちろん、広い意味で社会はどう感じ、考えているかを判断するために、お客様の声を聞く広聴活動が必要です。




顧客・コンシュマー


お客様の声に関しては「お客様相談室」などの専用窓口を設ける企業も増えてきており、ダイレクトに顧客の商品に対する印象や、評価、クレーム、相談など聞ける事から、この専用窓口の機能が重要視されてきています。お客様からもたらされたこの情報を、商品開発や広告・マーケティングなどに活用し、企業とお客様のコミュニケーションサイクルを構築し、活かして行かなければいけません。

お客様相談室の他にも、モニター制度(パネル・友の会・お客様重役など)で、特定の商品・サービスなどの意見を直接聞く時に集まっていただき、調査する方法も考えられます。また、実際に使われているユーザーの方で、ブログなどサイトを運用されている方にモニターとして参加していただき、ご意見を頂くと同時に、商品の率直な感想を書いてもらい、ブログを見ている方達にも親近感や信頼感を持っていただく事も考えられます。




その他に


調査会社に入っていただき、さまざまな方法でアンケートを採り、意見や要望を聞く事や、インターネット上の情報を、特定のキーワードで検索し、書き込まれている事を評価したり、マスメディアの報道を、どんなテーマ・傾向で報道されたかなど、どのような印象で評価されているかを掴む事も大切です。




広報マニュアル:practical(04

3:報道機関への対応 ー 記者発表



1.記者発表の種類


新しく開発した商品・サービスが社会的に意義があり、しかも美しいデザイン・優れた機能を併せ持つ、とても素晴らしい商品・サービスを社会に送り出しても、報道機関は取材に来てはくれません。企業・組織から積極的に報道機関へ情報を提供し、記事にしてもらう事で多くの人々に広く知ってもらう事が大切です。

この記者発表には重要度から 1.記者会見 2.記者クラブ発表(レクチャー付)3.資料配付 の3つに分けられます。

1. 記者会見
記者会見には、記者クラブ主体に発表を行う場合と、それ以外のメディアを交えて発表を行う場合と2つに分けられます。後者の場合、記者クラブに加盟している新聞や通信社、放送局やそれ以外の雑誌や専門誌・業界紙の記者に、指定の場所に集まってもらい、企業のトップが自ら発表するモノで、重大ニュースを発表する時に行います。

2. 記者クラブ発表(レクチャー付)
記者クラブで発表するニュースを、経営トップまたは担当責任者がニュースに関しての補足説明が必要な時に行います。

3. 資料配付
記者に集まってもらうほどではなく、一定の書式に従って作られた発表資料(ニュースリリース)を、見てもらえれば理解していただけるような内容の時に行います。




2.記者発表の原則


1. 未発表のニュースである事
ニュースを公表する際に気をつけなければならない事は、社会に対し未発表の物であると言う事です。各事業部で制作した広告や、ポスター・パンフレットなど、記者発表前に公表しない、特定のメディアに情報が漏れ、憶測の情報を発表させないなど、情報管理が必要です。一度間違った情報が一人歩きすると、軌道修正に時間が掛かりますので、正確な情報を各メディア同時に公表する事が重要です。

2. 窓口は広報課一本にする
情報の交錯を防ぎ、窓口を一本化するために、広報課が各報道機関の窓口となり統括します。

3. 興味を持ってもらえるよう工夫する
公表したニュースを報道するかは、各報道機関の判断で決められます。新しく提供する商品・サービスが社会に対しどれだけ影響を与えるかなど、記者に理解してもらい、興味を持ってもらう事が重要です。

4. 窓口の広報課と綿密な打合せを
どのような記者発表でも、広報課では各部署からの詳細資料を基にニュースリリースを作成しています。その際、趣旨・内容を含め「どこまで公表できるのか」を必ず明確にして下さい。

5. 発表時期と方法は記者クラブ主体で
広報課と担当部署はニュースリリースを始め、発表の時期と方法についても打合せを行い決定しますが、記者クラブの都合で変更される事もありますので、変更を申し入れられても対応できるよう、記者クラブには早い時期に申し込む事が必要です。




広報マニュアル:practical(05

3.ニュースリリースの作り方


ニュースリリースとは、報道してもらいたいニュースを企業・組織から報道機関へ発信する事を言い、通常は報道機関にリリースする情報をまとめた資料を指します。このニュースリリースは、パンフレットのように理解してもらうようキレイにまとめた物ではなく、記事として紹介する事で社会的な意義があると認め、取材意欲をそそる内容が必要です。事実を正確に伝え、瞬時に内容が把握できるように、情報はコンパクトにまとめないと行けません。

1. 5W1Hの原則
文章を作る上での必要最低限の物で、皆さん既にご存知の物でしょうが明記しておきます。

いつ(When)
誰が(Who)
どこで(Where)
何を(What)
なぜ(Why)
どうする(How)

意義・社会性に触れる
ニュースリリースの目的は、宣伝ではありません。そのニュースの情報は新鮮か、社会的な意義は有るのかなど、記者に興味を持ってもらい、記事にしてもらうのが目的です。

専門用語を使わない
限られた業界などで使われる専門用語は、理解し合える人同士で使うならば、意思の疎通が簡単に行えるので便利でしょうが、一般人にとっては知らない国の言葉と同じで、コミュニケーションが取れません。この事から分かりづらい専門用語は避け、どうしても使う場合は注釈や解説を付ける必要があります。

誇張しない
先にも書きましたが、ニュースリリースの目的は、記事にしてもらう事で、売上向上を目的とした物ではありません。この事から情緒的な広告のキャッチコピーのような表現や、押しつけがましい表現は避けるべきです。小賢しい表現を使わなくても、記者が重大だと判断した記事には、それなりの扱いをされる物です。

写真や図版を添付する
言葉だけではなかなか理解できない物でも、写真を見れば一目瞭然。記者が理解しやすいよう、また、記事で使ってもらえるように写真や図版に説明書きを付け、添付すると効果的です。

発表当日の対応
記者発表した当日は、記事原稿締切の時間まで、記事を書く記者からの問い合わせに対応できる体制を取ります。記事を書くために記者が不明点を確認しようとしたところ、分かる者が居なかったために記事にならなかったと言う事もあります。この事から発表時間もあまり遅い時間に設定せず、対応の利く15時を目処に行うと良いでしょう。これは記者発表にとどまらず、資料配付に関しても言えますので、ニュースリリースを配布してお終いではなく、発表当日は詳細を理解し、担当部署として発言できる者が問い合わせに備え、19時頃までは待機してください。




広報マニュアル:practical(06

3:報道機関への対応 ー 取材



1.取材の種類


取材については大きく以下の4つに分けられます。

1)当社に直接関係するニュースの取材
a. 記者発表などで既に発表された事業や計画についての確認・再取材
b. 事故や事件に関する事実確認(後述 Sec.3 緊急時の広報対応策を参照)
c. 未発表の件について、探索・取材確認
 この場合、取材内容によっては限度を設ける必要があります。

2)当社とは直接関係のない、事件・事故などニュースの背景への取材

3)コメント取材
 当社として、政治・経済などの社会情勢への意見や見解などを求められる事があり、ステークホルダーへの影響如何によって正式なコメントを出す場合があります。

4)番組の撮影強力

 マスメディアから当社に対し、上記の取材依頼が考えられます。この様な依頼が直接担当部署へ来た場合には、直ちに広報課へ連絡してください。担当者と広報課で協議し、取材を受けるか決定しますので、部署毎で直接取材に応じる事は避けてください。




2.取材を受けるチェックポイント


 取材を受ける上で注意しなければいけないポイントは、記者に対し誠実に対応し、率直な会話を心がける事です。取材する記者も人の子です、性格や取材態度が好ましくなくても、取材を引き受けた以上、誠実な対応をしてください。

1)あれもこれもと欲張らない
 取材の申込を受けた時点で、取材意図とポイントから、答えをいくつか用意しますが、伝えたいポイントはあれもこれもとあまり欲張らずに、取材意図に対して理解してもらいやすい3〜4点に絞りましょう。インタビューの中で聞かれた事だけに答えると言ったことをせず、伝えたいポイントに話の流れを展開していくよう心がけましょう。

2)写真や資料などで正確に
 正確な記事にしてもらうために、主観的な話しはせずに資料やデーターを用意し、きちんとしたエビデンスを示すようにしましょう。まだ公表段階にない質問を受けた際には、追って連絡するとし、取材後関係者と調整し処理します。用意する資料やデーターは、記者に渡す事を前提に揃え、渡す事が出来ない資料は、見せないよう注意しましょう。また、業界用語・専門用語などはなるべく控え、社会の人が見て分かりやすい平易な表現に努めましょう。

3)曖昧な答えをしない
 答えたくない質問には、「役員会で決まっていないから」「検討中なので」など、きちんとした理由を記者に説明し納得してもらってください。推量で答えたり、曖昧な言葉で濁したりすると、記者への印象を悪くします。即答できない難しい、または複雑な質問を受けた時には、原稿の締切を聞きその時間までに回答するか、具体的な日時を決め、出来るだけ早く回答するようにします。

4)場合によってはリハーサルを
 取材を受けたあなたが、こんな記事に書いてもらいたいと頭に思い描くのと、記者が取材をし客観的な印象で上がった記事とが大きく乖離する場合があります。記事になってから「こんな事言ったつもりはない」と言っても後の祭りです。記者の書いた記事を事前に見る事は原則として出来ませんし、見せろと言うのは報道のマナー違反です。自分でこう書いて欲しいというイメージを元に、伝える正確な情報を作り、自信を持って答えましょう。

 自信を持って答えないと、納得させるために余計な一言を言ってしまう事もあり「今話した事は聞かなかった事に・・・」になりかねません。場合によっては社内の人間に事前に返答を聞いてもらい、どのような印象に聞こえるか、リハーサルをし自分の答えに自信を持つ事も必要です。

5)報道機関・記者と良好な関係づくりを
 広報課では、取材をきっかけに報道機関と良好な関係を保つため、記事が掲載されると電話などでお礼と感謝を伝えます。取材を受けた担当者も、記事をいち早く読み、その感想を出来るだけ早く広報課まで伝えてください。

 また、取材された内容を他社の記者に話す事は、してはいけない事です。記事になった後でも報道関係者には「あの記事は自分がニュースソース」と明かしてはいけません。

 記者にとってニュースソースは財産であり、それを漏らすと言う事はモラル違反と考えているからで、それを明かす会社は「モラルを守らないルーズな会社」という悪印象を与えてしまいます。




広報マニュアル:practical(07

3.電話による取材


1)相手を確認し、広報課へ連絡
 報道機関から直接電話で取材依頼が入ったら、その場ですぐに応じる事は避け、まず取材内容と報道機関名・記者の氏名・所属・連絡先(電話番号)を確認し、折り返し広報課から連絡する事を理解してもらい、一度電話を切ります。広報課や関連部署と連絡を取り、対応を協議した上で報道機関へ折り返し連絡するようにしてください。

2)たらい回し厳禁
 担当者が不在だったり、他のセクションへ引き継ぐ場合などで電話の“たらい回し”は、日頃の顧客への対応態度と同等と思われ、記者の心証を害するばかりか、企業の対外的な対応が不十分との印象を与えてしますので、絶対に避けなければいけません。

3)出来るだけ面談取材で
 電話での口頭によるやり取りは、人名や数字など、取材内容が複雑で立ち入った事柄の場合、間違いや誤解を招くおそれがありますので、電話による取材は極力避け、面談による取材にしていただけるよう心がけましょう。

4)コメント取材には考えをまとめてから
 コメント取材とは、関連業界などで社会的に大きな事件・事故などの大きなニュースが発生した時に、それに対する反響を取るために、業界を代表する意見を求められ、「この件に関して○○氏は××と述べています」と言った形で掲載される記事です。

 どちらかというと記者の社会観にもよるでしょうが、一部世論を補足するための記事に使われたり、記者の意図とする方向にバイアスが掛けられたり、増長させるようオーバーに書かれたりする事があります。このためコメント取材の場合、発生した事件や問題を良く把握し、発言内容をロジカルに整理し、頭に入れてから明確に話しましょう。考えをまとめきれずに曖昧な発言になった場合、伝えようと思った事と異なるコメントとして使われる可能性もあります。もしその場で考えがまとまらない場合「○分後にこちらから電話します」と言って、考えをまとめてから発言します。

5)微妙なコメント取材の場合、記事内容を確認します
 マスメディアの発信するニュースにしても、扱いの大きさ・紙面の都合で文字数などは限られており、コメントはこの都合により整理した言葉の表現になりやすく、伝えようとしたニュアンスと大きく変わってしまう事があります。この事からコメントする際に十分注意を払い、間違われそうな微妙なコメントの場合は、記者にコメント記事が出来た際、電話で読み上げてもらうように依頼し、自分の考えにあった表現かを確認する事も必要です。




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