RISE weblog

RISE Productionアートディレクターの佐藤です、仕事上で感じた事からプライベートな事まで、こちらのブログに書いていこうと思います。

広報マニュアル:knowledge(05

2.通信社


新聞社と同じように、時事を取材編集し配信する機能を持つ、通信社があります。現在日本には「共同通信」と「時事通信」の2社があり記事を配信しています。東京に取材拠点を持たない地方紙でも、東京の記事が掲載されるのはこのためです。また、この2社は世界の通信社と特約を結んでいるため、世界中の報道機関にも記事が配信されています。





3.雑誌


●種類
発行回数により月刊誌、週刊誌などに分けられ、その内容によって総合雑誌、専門・趣味雑誌などに分かれています。速報性が主体の新聞に比べ、調査報道が可能な雑誌は、それぞれ購読者層がはっきりしており、スクープ報道も多くみられます。専門・趣味雑誌以外にも「ショッピング」「グルメ」「エンターテインメント」といったトレンド情報を網羅した生活情報誌が、20代、30代の読者を対象に週刊、隔週刊といった形で多数発行されています。

また、日本の雑誌の中で忘れてならないのが、独自の文化を生み出している週刊コミック誌で、週刊誌という分野の中で市場の大きなマーケットを占めています。もう一つの傾向として、最近は定期的に発行されるフリーペーパーも多く出版され、記事と広告の両方を一企業・商品とのタイアップで行うなど、「お金を払って情報を得る」という、今までの雑誌という概念が変わってきているものも出てきました。


●特徴
1:速報よりも詳報性、解説性、娯楽性を重要視
雑誌の編集は、詳報性、解説性、娯楽性にウェイトが置かれています。というのも、制作に長い時間を必要とし、新聞ジャーナリズムに比べ、速報性に劣るということが挙げられます。このことから、一つの事件報道においても、事実の報道よりも、むしろ原因・経過・背景・結果に至るまでを、「人」や「話題」をそれぞれ独自の視点で調査し、新しいニュース価値を見つけ出して“読み物”にするのが特徴です。たとえば事件や事故が起こった場合、最初は速報性を求められる新聞・テレビ・ラジオなどが駆けつけ、事態が収束すると雑誌記者が取材に来て記事にします。

読者の価値観を一つのカルチャーとして囲い込み、継続した読者を獲るために月刊誌を初めとして、ファッションやライフスタイルなど、カルチャーのオピニオンリーダー的な存在を提案することで、読者を引きつけ、継続していくメディアと言えます。


2:多様化しているメディアの中で
インターネットや携帯コミュニティーなど、さまざまなメディアが登場する中、新聞と同じように雑誌の売れ行きも減少傾向にあります。また読者意識の変化により、雑誌に求められる内容も変化しており、廃刊になる雑誌、新しく創刊される雑誌など、読者の嗜好を探し求め雑誌の内容も変化し続けています。多様化しているメディア特性を生かし、Web上でダイジェスト記事を掲載し、雑誌購入へ誘導するなど、さまざまな取り組みが考えられています。




広報マニュアル:knowledge(06

4.テレビ・ラジオ


●種類
テレビ・ラジオとも大きくNHKと民法に分けられ、NHKは各都道府県内に支局を置いています。テレビ・ラジオは他の報道メディアに比べ、情報の保存性に劣るものの、特にテレビ報道は実況中継など現場の声を伝えるために、インパクトが強く社会に与える影響が大きいと言えます。

テレビに関しては、民放は全国で122社、内5社のキー局と系列のテレビ局、系列を持たない独立UHF13局とに別れています。2003年12月より地上デジタルテレビジョン放送が始まり、現在親しまれている地上アナログテレビジョン放送が2011年7月24日で停波される予定です。

現在すでにGyaoやアクトビラがインターネットでサービスを供給し、NHKもアーカイブスと言ったサービス開始を予定しており、DVDソフトの低価格化、レンタルビデオの早期配信、 CATV(ケーブルテレビ)や衛星放送などが普及してきていることから、番組が今まで以上に多様化・専門化されるなど嗜好が変化しており、テレビ離れが始まっていると言われています。

ラジオに関しては、仕事や勉強をしながらの「ながら聴取」や、放送とFAXやメールなどによるリスナーとパーソナリティーとのコミュニケーションから、長時間聴取される事で、計画的に活用する事により、マーケティングや広報戦略に大きな効果を与える事があります。



●特徴
1:抜群の「速報性」と普遍的メディア
テレビ・ラジオの最大の特徴と言えるのは「速報性」です。最近では番組放送中に大きな地震を感知すると、「緊急地震速報」が視聴者に対して注意を喚起するなど、テレビ・ラジオは放送時間中であればいつでも視聴者に対し、最新情報を即座に伝えることができます。テレビで映像による報道がなされた場合には、その視覚による「迫真性」は他の報道機関と比べ大きく、情報伝達力とイメージ作りに関しては、極めて大きな効果を持つメディアといえます。

また、家庭でスイッチを入れれば、すぐに視聴できる手軽さから利用する視聴者も多く、日本人のテレビ平均視聴時間は平日3時間27分と長時間視聴が続いています(2005年NHK放送文化研究所「日本人の生活時間」より)。この事から、テレビから視聴者が受ける影響も大きく、人気番組やCMなどから発生する、さまざまな社会現象が認められます。


2:多角的な取材網の活用
NHKの場合は、各都道府県に支局を持ち、また新聞社と同様に自社記者取材が原則となっているため、各記者クラブに記者を配置するなど、ニュースの報道には新聞社に近い体制をとっています。

一方の民法は、自社記者の取材に加え、東京のキー局を中心にネットワーク網を形成し、情報の相互補完を行っています。このネットワーク網の系列は新聞社との系列化が確立しており、新聞社や通信社の情報も活用しています。




広報マニュアル:knowledge(07

5.記者クラブ──記者発表の窓口


1:記者クラブとは
企業や団体にとって、広報活動の最も重視すべき業務である記者発表に際し、もっとも関係深い組織が記者クラブです。記者クラブは各公共機関等を取材するメディア各社が、取材・報道のため自主的に作り上げた組織で、各官公庁、地方自治体、主要民間団体には、必ずと言ってよいほどあり、多くの記者がこの記者クラブに所属し取材を行っています。

この各記者クラブは、当該する官公庁・自治体・団体の情報を記者が取材するだけでなく、その監督下にある企業の情報を発表する場にもなっています。広報業務に携わる者にとって、所属する企業・団体と言った情報を発信する側と、その情報を受け報道するメディアが一堂に会するこの記者クラブという仕組みは、お互いにとって重要な場であり、長年の間培われた約束やルールを知った上で、理解し付き合っていく必要があります。


2:幹事社が記者発表の窓口
記者クラブは、参加するメディア各社が持ち回り当番制で幹事社(主に2か月交代)を決め、クラブの代表として企業や団体の記者発表などの申し込みを受け付けます。

企業・団体が記者クラブに発表事項を持ち込む場合、まず幹事社の記者に相談し、その判断を仰ぎます(その時の幹事社はどこかは、クラブに連絡すれば教えてもらえます)。幹事社の記者は発表事項の内容によって、記者クラブとして正式に受理するか否かを決め、受理する場合には発表日時も定めます。発表日時は持ち込む側の都合も十分考慮されますが、記者クラブ主導が原則です。


3:48時間ルール
記者クラブへの記者発表の申し込みは、通常48時間前までに(土・休日を除く)行う約束になっています。発表日時が決まると、記者クラブ内の黒板に明記され、当該記者クラブに所属する記者は、発表前に抜け駆け取材をしてはいけないというのが、各記者クラブの“不文律”になっています。ただし、企業のトップ人事や合併・提携に関しては、各社のスクープ競争のため、黒板協定が破られることがまれにあります。

重大な発表事項がある場合(資料配付以外)は、その月の幹事社を確認し、できるだけ早い時期に幹事社の記者に申し込みをし、発表するのに値するかを卒直に相談した方がよいでしょう。ただし、緊急の場合に限り、直前でも受け入れられる場合があります。


4:インターネット
この十数年で通信環境の変化から、ニュースリリースは記者クラブ・新聞・雑誌各社への手持ち配信、郵送配信からファクシミリへと変化し、現在では電子メールでの配信も一般的になってきました。一部新聞社では現在でも企業に対する窓口の一本化から、ファクシミリでの配信を求められる場合もありますが、コストやスピードに大きなメリットがある電子メールでの配信はこれからの主流になるものと考えられます。

またインターネットというインフラが整備され、仕事にも日常生活においてもネット網を活用していく環境が整ってきた現在、今までのように企業からの情報を既存メディアに依存せず、自社ウェブサイトを使っての企業と社会とのコミュニケーションを取ることがが可能になってきました。またこのようなPR活動をアウトソーシングとして代行してくれる企業も増えており、スピードや利便性の面から考えるとインターネットを利用したPR活動が、今後中心になっていくと考えられます。


5:記者クラブのこれから
この数年記者クラブに関する論議が起きており、与えられる情報ばかりだと、ジャーナリストとして実際に世の中で起きていることを察知する感覚が鈍る。従来のカテゴリーチャネルから外れた企業が出てきた事により、発表に相応しい記者クラブが見あたらない。大手マスコミの情報独占に対する縦割り社会への懸念。などの理由から、記者クラブ廃止論も出ており、企業からのニュースリリースも電子メールや自社ホームページ、PR会社を経由する形で公表されることも多くなってきました。




広報マニュアル:knowledge(08

3:企業市民として社会の一員であるために


1.社員一人ひとりが広報マン


日頃、我が社のサービスをご利用いただいている社会の人々は、我が社で発行するPR情報や広告ばかりではなく、社員一人ひとりの態度、言葉遣いなどからも企業イメージを判断しています。全社員が企業市民としての会社の方針を良く理解し、社会の人々に対し礼儀正しく謙虚であり、広報活動の原点である企業と社会の「コミュニケーション」の重要性をよく認識し、お客様の立場に立った視点で、サービスや仕事を進めていくことが何よりも必要です。

広報の業務として企業PRで「話す」と同時に、お客様のご意見・ご要望を「聞き」、当該部署へフィードバックしていますが、こうしたご意見・ご要望をきちんと受け止め、改善する姿勢をお客様に伝えていかなければ、ご意見・ご要望を寄せて頂いた方に「対応の悪い企業」として烙印を押され、真の「コミュニケーション」が実行できないばかりか、企業価値を損ねる事になります。

対話から得られた結果を生かすためには、社員一人ひとりが「コミュニケーション」確立のための認識を持つことが必要です。



2.広報活動とCSはクルマの両輪


CS(=Customer Satisfaction)とは「顧客満足」のことで、広報(PR)活動とはクルマの両輪のように、どちらが欠けても上手く前に進む事が出来ません。CSの向上とは、企業のサービスを利用しているお客様のニーズを的確に把握し、満たすことです。

ここで注意しなければならないのは、お客様のニーズを満たすために提供されるサービスは、けしてマーケティング調査などで導き出され、提供するサービスではなく、お客様自身が判断し、納得のいくサービスのことです。このサービスの内容には、施設の改善といったハード面ばかりではなく、われわれ社員の接客態度や言葉遣い、同業他社のサービス向上に伴う要望など、社会的要求も含まれます。

広報活動とCSの向上は別の概念ですが、広報活動が「社会との対話」を経営に生かす活動であるのに対し、CSの向上は「お客様の意見」を営業に生かす活動です。広報(PR)活動を充実・徹底させればおのずとCSの向上も図れるのです。

社会との「対話」の中から社会のニーズを把握し、満足していただけるよう経営・営業等を変化させていく。これにより社会との「コミュニケーション」を確立できるとともにお客様の満足も獲得できる事で、車の両輪と言われる所以です。これを繰り返す事でPDCAサイクルを確立し、永続的に成長を続ける企業になれると考えます。


この「Sec.1広報という仕事」の最期のまとめとして、けして忘れてはならないことは、対話の中でただ話を聞くだけではなく、それを生かすこと。すなわち、企業の倫理と社会の倫理と擦り合わせ、お互いを近づける努力がなければ、本当の広報活動の充実・CSの向上、強いて言えば企業の発展は図れないということです。




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