- 2008/08/27 Wed
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5.記者クラブ──記者発表の窓口
1:記者クラブとは
企業や団体にとって、広報活動の最も重視すべき業務である記者発表に際し、もっとも関係深い組織が記者クラブです。記者クラブは各公共機関等を取材するメディア各社が、取材・報道のため自主的に作り上げた組織で、各官公庁、地方自治体、主要民間団体には、必ずと言ってよいほどあり、多くの記者がこの記者クラブに所属し取材を行っています。
この各記者クラブは、当該する官公庁・自治体・団体の情報を記者が取材するだけでなく、その監督下にある企業の情報を発表する場にもなっています。広報業務に携わる者にとって、所属する企業・団体と言った情報を発信する側と、その情報を受け報道するメディアが一堂に会するこの記者クラブという仕組みは、お互いにとって重要な場であり、長年の間培われた約束やルールを知った上で、理解し付き合っていく必要があります。
2:幹事社が記者発表の窓口
記者クラブは、参加するメディア各社が持ち回り当番制で幹事社(主に2か月交代)を決め、クラブの代表として企業や団体の記者発表などの申し込みを受け付けます。
企業・団体が記者クラブに発表事項を持ち込む場合、まず幹事社の記者に相談し、その判断を仰ぎます(その時の幹事社はどこかは、クラブに連絡すれば教えてもらえます)。幹事社の記者は発表事項の内容によって、記者クラブとして正式に受理するか否かを決め、受理する場合には発表日時も定めます。発表日時は持ち込む側の都合も十分考慮されますが、記者クラブ主導が原則です。
3:48時間ルール
記者クラブへの記者発表の申し込みは、通常48時間前までに(土・休日を除く)行う約束になっています。発表日時が決まると、記者クラブ内の黒板に明記され、当該記者クラブに所属する記者は、発表前に抜け駆け取材をしてはいけないというのが、各記者クラブの“不文律”になっています。ただし、企業のトップ人事や合併・提携に関しては、各社のスクープ競争のため、黒板協定が破られることがまれにあります。
重大な発表事項がある場合(資料配付以外)は、その月の幹事社を確認し、できるだけ早い時期に幹事社の記者に申し込みをし、発表するのに値するかを卒直に相談した方がよいでしょう。ただし、緊急の場合に限り、直前でも受け入れられる場合があります。
4:インターネット
この十数年で通信環境の変化から、ニュースリリースは記者クラブ・新聞・雑誌各社への手持ち配信、郵送配信からファクシミリへと変化し、現在では電子メールでの配信も一般的になってきました。一部新聞社では現在でも企業に対する窓口の一本化から、ファクシミリでの配信を求められる場合もありますが、コストやスピードに大きなメリットがある電子メールでの配信はこれからの主流になるものと考えられます。
またインターネットというインフラが整備され、仕事にも日常生活においてもネット網を活用していく環境が整ってきた現在、今までのように企業からの情報を既存メディアに依存せず、自社ウェブサイトを使っての企業と社会とのコミュニケーションを取ることがが可能になってきました。またこのようなPR活動をアウトソーシングとして代行してくれる企業も増えており、スピードや利便性の面から考えるとインターネットを利用したPR活動が、今後中心になっていくと考えられます。
5:記者クラブのこれから
この数年記者クラブに関する論議が起きており、与えられる情報ばかりだと、ジャーナリストとして実際に世の中で起きていることを察知する感覚が鈍る。従来のカテゴリーチャネルから外れた企業が出てきた事により、発表に相応しい記者クラブが見あたらない。大手マスコミの情報独占に対する縦割り社会への懸念。などの理由から、記者クラブ廃止論も出ており、企業からのニュースリリースも電子メールや自社ホームページ、PR会社を経由する形で公表されることも多くなってきました。
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