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企業価値向上のために

ブランディングは企業戦略か?

ブランディングは誰のため?


先日友人で、地域の基幹病院で経営側にいる方と話しをしていました。中でも継続的に基幹病院として、地元社会の中で地域医療を行っていくためには、看護師不足を克服するためにも、現在院内スタッフで作ったWebサイトをリニューアル・充実させ、ブランディングを強化し、競合医療機関との差別化も行う。

との事でしたが、ある日彼曰く「患者さんに現在有るサイトを見ていただき、ご意見を頂戴しましたら、全員現状のサイトデザインで満足し、お金を掛けてリニューアルする必要があるのか」と言われてしまったそうです。

ちょっと待ってよ、サイトをリニューアル・充実させるという行為は、何の目的のためにするの?。

実際に言葉としては言っていませんが、患者さん(お客さん)がお宅の病院(会社)のブランディング・差別化を望んでいるとでも思っているの?。診療予約や診察日を調べるなど、窓口としてサイトを利用しているならば、使い勝手などに要望が出るかもしれないけれど、医療機関としてのブランド確立なんか、患者さんから意見でるわけ無いし、確立しようと考えているのは、患者さんではなく、あなた方病院の方でしょ。

ブランドって競合他社との差別化の為、差別という言葉は使いたくないのでしたら、個性化でもSTYLEでも良いでしょう。ブランディングの為に何を「しなければ」いけないか、とよく聞かれますが、反対に「して」はいけないか、を決める事だと思います。

繁華街で時たま見かける、肩で風切るハードにボイルドされたお兄さん達は、けしてお年寄りに優しく「して」はいないし、「した」ら周りからどう見られるか、ブランディングの達人ではないのでしょうが、クールに生きていくためには「したらいけない」をよく知っていると思います。・・・中には見た目と正反対に一見怖そうで、実は優しいお兄さんも沢山いるとは思いますが。

ただし、この様なお兄さん達を支持する方達は少数派で、この方向はニッチマーケットの部類でしょう。何を目的にブランディングを行うのか、集客力のアップ?・客単価のアップ?・良質なユーザーの囲い込み?・CSR(企業が果たすべき社会的責任)の為?等々、色々と思惑もあり一つに決めるのも難しいかもしれませんが、多くの人が納得せざるを得ない答えとして「自分の持つ能力で、社会とコミュニケーションを取り、永続的な企業として発展する。」事につきるのではないでしょうか。




ブランディングは企業と社会のコミュニケーション?


一言で企業と社会のコミュニケーションで頭に浮かぶ物は、お店などでしたら販売員とお客様でしょうか、新聞に入っている折り込みチラシや、テレビ・ラジオのCMもそうです。映像にしても音声にしても、印刷物にしても企業から社外へ情報を伝える行為は、全てコミュニケーションと考えて差し支えないでしょう。

ただしこれらは企業から社会への一方通行のコミュニケーションです、大手企業などではカスタマーセンターやお客様相談室と言った部署が、お客様の声を直接伺い、CS活動に繋げる「双方向コミュニケーション」がなされています。

とりあえずブランディングに絡んだコミュニケーションの話なので、双方向コミュニケーションは棚に置き、企業側から発信するモノについて書きます。企業から受けるイメージは全て、コミュニケーションの質によって作られます。「接客がよかった」「新聞広告に共感できた」「商品紹介パンフレットからキチンと伝える努力が伺えた」等々。ビジュアルから伝わるイメージが=その企業のイメージに繋がります。

また「商品を沢山の人に、子供からお年寄りまで手にしていただきたい。」と言った場合、TVCMから、スーパーなどのチラシに数多く露出する、折り込みチラシをまく。反対に「一部富裕層に、ステータスのある高価な商品を手にしていただきたい。」だと、全国紙の新聞に全面イメージ広告を掲載する、富裕層が趣味で読む専門誌に掲載するなど、メディア戦略でもブランディングは左右されます。

ブランディング一つで企業の経営理念から営業戦略まで変わります、例えば製造業だと、製品作りの方向性が明確になり、全ての社員が仕事の目的を共有する事が出来「全社一丸となってのプロジェクト」なども達成しやすくなります。

企業ブランディングの指揮を執り、第一線で舵取りするのは部署の中でも「広報(広告)部門」が担当されていると思います。この事から企業の経営者サイドには、広報を良く理解した者が付く事が多くなるなど、企業の中でも重要な部署の一つとして、認知されるようになりました。

上では差別化や個性化、STYLEと表現しましたが、人と同じようにブランドも成長します。要素としては新素材・新製品登場などによる、自社製品の変化。社会環境・意識の変化。ブランドの変化を一言で言えば「自分(企業)の足許を見つめ、環境の変化に合わせ自らも変化させる」です。現在の企業経営は社会と良好なコミュニケーションを取り、社会と共に成長・発展する事を求められています。




認知度を上げるためのやるべきあれこれ_05

火に油を注ぐいくつかの方法_2



Web以外の告知・印刷物


 既存の告知方法としては、新聞にチラシ広告を打つ、駅などにボード(看板)を掲示する、駅の改札などで優待券など、チケットを手撒きする、雑誌や地元コミュニケーション紙(ミニコミ誌)などに広告を掲載する・・・等々が現在よく見かける告知方法ですが、チラシや看板、雑誌や新聞などの媒体費も必要となってきます。

 お店などの対面販売をされているのなら、それ以外にも名刺のようにお店の自己紹介できる、コミュニケーションカードを作り、お客様の手の届くところに置くのも、お店のブランディングの表現方法として、地味ですが持続的に続けることで効果が見込めます。

 名刺サイズの表裏に入れ込む内容は、お店の屋号・住所・電話番号・メールアドレス・サイトのURL・お店までの地図程度でしょうか。お店の屋号と共に必ず何を販売しているのか、特徴を含めたお店のキャッチ・フレーズを忘れずに表記しましょう。

 また、Webでの販売にもある程度ウェイトを置くのでしたら、Netショッピングが可能な事をアナウンスし、簡単に商品紹介をしたA-4三つ折り程度の大きさの印刷物を作り、商品を購入していただいたお客様や、お届け物で配送依頼いただいた商品に、お店の自己紹介と言った目的で同梱することは、さりげなくお店や商品をPRでき、リピーターとして期待できます。

 印刷物に関し、以前は部数によって高価な金額を提示されたりしましたが、現在ではオンデマンド印刷機も普及し、小ロット・短期納品が可能になっており、500部の印刷などではカラーコピーよりも安くプリントできる印刷屋も出てきましたので、積極的に利用しましょう。

 今回は印刷ツールの基本的なアイテムを上げてみました、社会情勢の変化と共に目的に対する手段も変化しています。ホームページを作り自己アピールするのは、いくつかある手段の内の一つの手段で、何年か前まで費用対効果が、他の媒体を利用するよりも高かったためにもて囃されていますが、印刷や広告と言った媒体も最近は費用も安くなってきているので、様々なメディアを駆使して目的を達成する『メディアミックス』という考え方が必要になっています。


次回は印刷物に限らず、店内での告知方法として、今だから実現できる方法を提案したいと思います。




認知度を上げるためのやるべきあれこれ_06

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Web以外の告知・会計時レジ前でのプロモーション


 お客様がレジ前で会計や梱包を待っているときに、お店に展示できていない商品や、関連小物、新しい使い方提案、Webサイトの告知、地方発送の告知、次回セールの告知、定休日のお知らせなど、告知を必要とする全ての物をデジタル画像化し、小型のテレビモニターなどでスライドショーとして告知しましょう。

 デジカメで撮影した商品などに、パソコンで画像にメッセージの文字を入れるなど画像処理し、表示させたい順番で[001.jpg]などのファイル名を付け、一つのフォルダーに保存します。画像の編集ソフトはAdobe Photoshopがあれば最高ですが、Microsoft PaintやOfficeにバンドルされているパワーポイントなど、文字や画像が編集できるソフトが有れば大丈夫です。

 また、オープンソースでGIMPと言う画像編集ソフトもあり、このようなフリーソフトを利用するのも一つの方法だと思います。画像を表現する文字(フォント)も、個性的で色々な表現ができるフォントが、同じようにオープンソースのフォントとしてインターネット上で配布されていますので、高価なイニシャルコストを掛けることなく、イメージに近い表現ができます。本人の「やる気と情報」で、高度な表現を手に入れることが可能な時代になっていますので、チャレンジしてみましょう。

 ソフトと同じようにハードも、今まで画像をスライドショーとしてモニターなどに流す場合、テープに編集し、ビデオ機材で再生するのがスタンダードでしたが、デジタル機材のコモディティー化により、量販店にある汎用機材でも同じ機能を安価に使えるようになりました。その一つがi-Podです、テレビと専用ケーブルとで繋ぐことにより、デジカメの写真画像やムービーの映像を、テレビでスライドショーとして、簡単に再生することが可能になっています。

 パソコンで編集した画像を、i-Podに転送し、量販店などで特売されている2万円程度、7インチの画面サイズのコンパクトモニターに繋ぎ、レジの横にでも置けばイヤでも目に付きます。店内で告知の為のポスターや、商品としてはマイノリティーだが根強いファンが付いている商品など、ブランディングとして必要な訴求表現ができ、特にオシャレな商品を扱うお店などでは、スマートでコンパクトな表現方法で告知できるのでお奨めです。

 今まで業務用の高価な機材と、専門スタッフへの外注しか選択できなかった物が、汎用機材やパソコン、ソフトのコモディティー化で、驚くほど安価で、効率的な機材が手に入るようになっています。これからは、やる気の有るチャレンジングな人の要求に応えられるソフトや機材が揃ってきていますので、やる気のある人と、無い人との差が、大きく開いてくる時代になったのかもしれません。




会社の常識は、社会の非常識?

何を今更ではあるが、CSRやコンプライアンス、コーポレートガバナンスなどと言われていても、結局中で働く社員の意識に頼っているところも少なくない。

もちろん社員一人ひとりが働くにあたり、お客様に対しての心配りや、売るためのマーケティング、効率を考えていくのは当然だ。

商品を購入していただいたお客様に納品に伺う、限られた時間の中で、回らなければいけないお客様は沢山ある、コインパーキングを探し車を駐める時間的余裕がない。

お客様の近所の路上に停車させ、荷物を配達する。

当然のように毎日繰り返され、街中でもよく見る風景だ。

しかしクルマを運転している時は、事故を起こさないように対クルマに対しては非常に気を遣うが、意外なほど歩行者には気を遣わない。

市街地でよく見る片側一車線の幅員6mぐらいの道路+歩道があると、ほとんどの車両が走ってくる車両に気を遣い、他車に迷惑だからと歩道に乗り上げ停車する。

そもそも歩道とは歩行者と一部軽車両(自転車)のための道路であり、車を駐める場所ではない。

足の悪いお年寄りがカートを押しながら、子どもを乗せたお母さんがベビーカーを押しながら、最近は足の不自由なお年寄りが電動カートに乗る姿もよく見る。

弱者が道路を利用することを想像できていないのだ、歩道に乗り上げ駐車するドライバーに何で駐めていると聞くと、必ず「他のクルマにジャマになるから」と答える、歩行者にとって自分の車はジャマだとは考えられないのである。



道路や河川・海上など、人が自由に入っていける場所には、その方法により利用する人に義務と責任を負わせた上、認可するシステムです。

クルマを運転する人には、安全に運転する義務を負わされ、義務を負えなかった者に刑事罰、行政罰、民事罰などの責任を負わせることで免許を付与しています。

路上に障害物を認めた場合でも、安全に運転する義務が他車を運転するドライバーに負わされています、邪魔な障害物があれば、安全な運行をしなくとも良いとは一言もありません。

沢山の人が集まるところで、あなたの企業も関わり合う時に、社会的にどのような義務と責任を負わされているのか、一度考えた方が良いと思います。

会社の常識が、社会の非常識と言われる前に。




業務の本筋・原則を忘れるな

数年前まで、私はクルマやバイクのクラブで、良く幹事のような事をやらされていた。

乗っていたのが、余り人気のないマイノリティーの部類だったので、クラブと言っても数十人程度のこぢんまりとした所帯だ。

マイノリティーな部類の乗り物でも、日本全国まで範囲を広げると、数自体は少ないものの、クラブ員は日本全国に散らばって存在している。

年に何度か、近くの人たちとツーリングに行ったり、食事をしたり飲みに行ったりしていたが、年に一度位はみんなで集まろうと、一泊でリゾートホテルに集まり親交を深めていた。

リゾートホテルに泊まると言っても、その地での観光をするのが目的ではない。

ツーリングとして行くまでの過程を楽しみ、久しぶりに会う友人と会えるのを楽しみに行くのだ。

だから他の一般客の方達とは目的が異なり、ホテルに対しての要求も変わってくる。

一般客の方達は、旅行会社が企画するツアーなどで集まり、宿泊するのだろうが、現在多くのツアーは「交通費宿泊料理込みでこの値段」と、有名リゾート観光地に安価で行ける事を目的として来ている。



日本の経済構造は製造業などの第二次産業が輸出をする事で、成り立ってきた。

しかし製造業は基幹産業ではあるが、右肩上がりの成長から現状維持のゼロ成長に移行する可能性が大きく、これを今後成長が見込める第三次産業であるサービス業に移行すべきと、環境や雇用の問題などからも言われている。

現在日本のサービス業は、アメリカやヨーロッパに比べ、効率が悪いと言われる。

リゾートホテルなどの観光業にしてもそうなのだろう、単独で営業していくよりも、グループに属し、施設のマネージメントや集客のための広告、タオルや石けんシャンプーと言ったホスピタリティーグッズなど、様々な観点から効率化をめざしている。

ベテランスタッフがお客様一人ひとりの要求に、細かく対応し満足して貰うよりも、マネージャーの数を抑え、アルバイトやパートのスタッフで、本部が決め、セントラルキッチンで作った料理を、温め、アレンジして出す方が効率がよいのだろう。

この様な営業方法では、画一的な目的を持った顧客には有効なのだろうが、上記に書いたような、一般客と目的が異なる客の要求には、応えられないシステムになっている。

効率を追求するのは、働く人にとっても企業にとっても、顧客にとっても有益なはずだが、根本的な業務の原則を忘れている。

誰も写真で見た景色の中で過ごすために集まり、鶏小屋みたいに同じ方を向いて、同じものを食べれば済むとは考えたくない。

そのホテルでの数時間を、満足して過ごしたいのだ。

ビジネスホテルやシティーホテルとは宿泊する目的が違うのだ、何が何でもお客様を一つの型にはめこみ、アラカルトは一切認められないのは非常に疑問だ。

サービス業はサービスを提供し、その満足に対して対価を求めるのが原則だろう、これは飲食店や小売店など、全てのサービス業に共通する本筋だと思う。

他店との差別化を図り、自社のブランドを確立するためには、原則として求められる筋を通すのが当然だろう、出来なければその内に淘汰されていくかもしれない。




企業はWeb上で動画を積極的に活用しよう

当然プロモーションです。全ての業種とは言いませんが、趣味の領域にまで行っている商品は、素人さんが好きで撮影・編集し、YouTubeなどにアップされ、世界中の好き者達が閲覧し、自分がユーザーになる疑似体験をしています。

趣味の奥は深いのです、思いつくまま論ってみると、バイク・クルマ・鉄道・プラモ・ゲーム・アニメ・肉体改造・スポーツ・読書・カメラ・ビデオ・皐月・盆栽・犬・ネコ・釣り・熱帯魚・カメ・・・等々、カメは趣味じゃないか?

アニメでは角川がすでにもう始めていますが、MADと言う既存のアニメ映像と音楽を合わせ、独自のプロモーション映像のようなムービーを、作り公表するのが昔からアニメファンの間で行われていましたが、パソコンやソフトのの普及、YouTubeなどの映像投稿サイトの出現で、そう言ったファンがふえ、著作権法違反と押さえつけ規制するよりも、良い作品には著作権者から公認され、アニメファンに楽しんでもらい、顧客でもあるマーケットを活発にする事で、企業の繁栄に繋げるのが目的でしょう。

鉄道などでは「世界の車窓から」なんて長寿番組もありますが、キレイな景色だけがムービーとして、もて囃される訳じゃありませんよね。

私なんか通勤電車でも、先頭車両に乗り合わせた時には、運転席からの風景をただじっと眺めているのがとても好きです。

人間が潜在的に楽しいと感じる物を、企業はもっと企業価値を上げるために使ってもイイと思うんですけどね。

ロジェ・カイヨワ(1913〜1978年)フランスの文芸批評家、社会学者、哲学者ですが、人間は本能でなぜ遊びが楽しいかを、アゴン(競争)、アレア(偶然)、ミミクリ(模倣)、イリンクス(めまい)の4種類に分類できると言っています。

そんな人の本能的な楽しさを作って公表し、ステークホルダーに喜んでもらいマーケットを広げ、企業イメージ向上のために脳みそ絞りましょう。

ただし作ったからと言って、すぐに企業価値が上がると思ってはいけませんよ、盆栽と一緒で長い時間が掛かりますよ。

コモディティー化が進んで、作って公表する費用なんて、タダみたいな物でしょうから。




広報業務のこれから

先日のエントリー「選ばれるために」にも書きましたが、「とことん気に入ってもらえる」言い換えればあなたの会社、または製品をこよなく愛してくれている○○オタクは居ませんか。

こんな油で汚れた工場しかないし、こんないわゆる3Kの仕事に興味持つ人なんて・・・。

と中で仕事されている方は普通に考えてしまいますが、世の中は非常に広い。

例えば京浜工業地帯の子安あたりに、コンビナートなどが住宅地と大きな道路とJRの線路に挟まれ、住環境と共存しているゾーンがあります。

高度経済成長の頃は、公害の汚染地域で正直あまり言いイメージはなかったのでしょうが、現在は汚染部質の除去も思う通りにすすみ、大きな工場やコンビナート付近でも空気が汚れていると感じる事も少なくなりました。

するとどうでしょうか、工場フェチ、コンビナートフェチなるコアなファンが出てきて、BlogやSNSなどで盛んに情報交換されていたりします。

東京都大田区などにある中小の工場も、高度な機械のセンシング技術ではなく、働く職人の技術力の高さから製造過程が情報番組で紹介される事もあり、関心が高いと言えるでしょう。

また、公共交通機関の乗り物である電車や航空機なども、定常運行するために監督官庁である国土交通省で定められた非常に厳しい整備を科せられており、事業でかかる費用の中でも大きな原価率を占めています。

電車・航空機ともそれぞれにコアなファンが居ますが、利用者が多いのも共通する所でしょうか。

現在でも利用者に向け、どれだけ平常運行出来るよう、車両や航空機の整備をしているかのPRはされていると思います。

しかし、先日のエントリーにも書きました「メッセージを伝えるために。」にあるように、ステークホルダー達は自分の興味有る物しか見ようとしません、PR誌や年次報告書などの数字だけではなかなか伝わらなくなってきています。

やはり企業から押しつけられる情報は敬遠される傾向があるのではないのでしょうか、しかしオタクと言われるコアなファンが存在する業種なら、芸能界にいるその業種オタクで有名なタレントを使い、オタク目線で興味本位の根掘り葉掘り深掘りで工場の業務や仕組みなどを紹介出来れば、大きな効果があると思われます。

企業のファンを多く掴むためには、一方通行の情報をただ流すばかりではなく、興味を持ってもらえるような工夫や仕組みがより必要になってきます。

特にコモディティー化が進み、コンテンツを制作するにもアイデア一つで手軽に誰にでも作れるようになってきましたので、目的によるメディアの差と言った足枷も小さくなりました。

企業もオタクと言うコアなファンと一緒に企業価値を高められるよう、チャレンジしてみるのも良いのではないでしょうか。




フレームワークとは?

ビジネススキルに必要なフレームワークはいろいろな方が書かれ、本になっていますので参考にしていただくとして、Web上では「社会人なら押さえておきたいフレームワーク思考 - livedoor ディレクターブログ」に詳しく書かれていますのでご参考に。

基本的にビジネスに求められているフレームワークと、広報に求められているフレームワークとでは多少ニュアンスが変わっていると思います。

ビジネスに求められるのは戦略を進めるため、メンバー全員がコンセンサスを取るために書いたMap、自分がドコにいてドコに向かおうとしているかの解りやすい地図。枠組みと一言で言ってしまっても、なかなか漠然として理解しにくいかもしれません。

広報に求められるそれは、プロジェクト内でのフレームワークよりもステークホルダーに理解してもらいやすい、プリンシプルモデルと言った方が近いかもしれません。プリンシプル=principleという単語を辞書で引くと、「主義、原則」などとありますが、日本で考える「主義、原則」よりも強い印象で使われ、絶対に譲れない原則・ポリシーと言った方が近いでしょうか。

なぜ広報にはフレームワークという枠組みだけではいけないのかというと、製品や企業のブランディングに係わっているからです。自分の「主義、原則」を守る、つまり自分の筋を通すという表現を貫かないと、考え方がコロコロと変わる、つまり信用がおけない奴とステークホルダーに感じさせてしまう事は避けなくてはいけません。

そのPRを必要とする商品や企業は、社会的にどの位置にあり、どの様に考え判断する事で、将来どの位置に行く事を目的としていると言う、現在の自分の姿と未来の姿をプロジェクトに係わるスタッフが共有し、明確にする事でPRの手段が決まり、プリンシプルモデルを踏襲した表現を繰り返し積み重ねる事で、揺るぎないブランディングが出来ていきます。

例えば友人でもそうですが、人気が取れそうな人の意見にコロコロと考え方を変える友人よりも、自分の信念をキチンと持った友人の意見の方が信頼感もありますし、長い時間を一緒に過ごせる良い関係になると感じます。けして一概に一度決めた事をコロコロ変えるなと言っているのではなく、借り物の他人の意見に左右されず、自分の信念を持って判断し、舵を取れ。と言いたいのです。

その企業がどの様なプリンシプルモデルを持っていて、そのモデルが良いのか悪いのかの答えは、対象となるマーケットが求めている物だったら、全ての人に支持されなくても良いのでしょう。PRを続ける事でブランドを構築していくのには、このような作業を繰り返し続けていく事で、マーケットに認められていき、ブランドとして成り立っていきます。




コーポレートコミュニケーションの重要性

こんなデフレと不況がダブルパンチで襲って来る中、中小企業、特に B to C を中心に商売されている企業は、企業とステークホルダーとのコミュニケーションを真剣に考えるべきです。なぜ中小企業かなのは、大企業は資本力もあるので広告宣伝を行うために、昔からコーポレートコミュニケーションを統括する広報部や宣伝部と言う自社をアピールするための部署で、企業とそのステークホルダーに対してのコミュニケーションを深めてきましたが、中小企業では総務部あたりが処理するか、社員が行っても他の仕事との兼務だったり、社長が一人で対応したりと、その場しのぎの感を拭いきれませんでした。

コーポレートコミュニケーションと一言でいっても、広告を出すとかホームページを作って自社をPRするだけではありませんし、ましてや社員の不祥事の尻ぬぐいをする事でもありません。企業を取り巻く様々な人たちに安心してお付き合いできる会社と感じてもらい、企業自体はもちろん、扱う商品・サービスに「価値を感じてもらう事」を目的として活動すること全てを指します。

以前のエントリー「メッセージを伝えるために。」でも書きましたが、インターネットの普及でこの10年ほどで社会に流通する情報量が天文学的に増え、中でもメールやブログと言ったパーソナルメディアでの情報伝達のされ方を見ると、商品やお店の評価がWebと言う口コミであっという間に伝わると言うこと。

コーポレートガバナンスやコンプライアンスを遵守することは当然として、その遵守している姿をステークホルダーとコミュニケーションできていれば、信頼感は大きく上がります。そう、世の中にはライバルが沢山いて、比較購買で商品が俎上に上がっていた場合、その信頼感で最後に選んでもらえれば良いのです。

具体的に何すりゃいいのか、何かキャンペーンみたいな物が必要なのかと聞かれると、これはもう企業の体質改善としか言い様はなく、イベントをやったから「好感度○○%アップ!」何て事はマグレか宝くじに当たったようなもので、メタボな体を健康的な体に作り替えるために食事に気を配ったり、運動してみたりと、何か一つの事だけではなく、色々なことを併用して行う方が効率が良かったりするのも、体質改善に似ているのかもしれません。

だからその場しのぎでするのではなく、企業戦略を良く理解している専門の担当を付け、中長期的な観点からコミュニケーションを戦略的に構築する必要があるのです。

予算が取れるのであればPR会社や広告代理店と言った外部に依頼も出来るでしょうが、取締役の一人が責任者となり、若いスタッフに必要であれば我々のような外部のブレーンと共に進めていくのが、一番現実的ではないでしょうか。

でも、最初に中小企業などと書きましたが、これをやることで差別化やブランディングに繋がるのですから、病院やNPOなどの非営利団体も考えていかなければいけない事だと思います。




商売を続ける為にヤッテはいけない事

私たちの住んでいるこの日本の基本となる部分を見返してみると、自由主義社会ですから自分が欲しいと感じるものは自由に選んで所有することが出来ます。水や空気のように当たり前のこととしてそこにあるものだから、システムとしてあまり気にしたこともないのでしょうが、企業でも個人商店でもお客様に商品やサービスを提供する対価として報酬を得る事で社会は成り立っています。

カスタマーやコンシュマーが欲しいと感じる商品を提供し、満足を与える事で評価を得、利益につなげる。サービスや商品を提供する側は、けして顧客の希望を裏切らない姿勢で対応することで、お互いに信頼関係を築き、企業としてもその評価に見合うポジションを得る。商品やサービスは技術革新などで新しい製品などに変わってきても、顧客と企業の関係は上記のサークルを回し続けることで永続的な評価=価値を得るわけですから、この完成されたサークルを維持するためのエネルギーを惜しんではいけないはずです。

私事で恐縮ですが、今月そんなことを感じさせる出来事が、幾つか続けざまに起き、顧客への対応の仕方が、伸びてきているメーカーの製品と、以前はAV機器の頂点を究めたと感じていたメーカーですが、最近落ち目ではないかと騒がれるメーカーとで、ずいぶんと姿勢に差があるなと感じましたのでブログをエントリーしました。



割れた液晶

一つは、昨年秋に購入した地デジ対応の液晶テレビで、長男がテレビのあるリビングでポータブルゲーム機で遊んでいるときに、間違えて目の前にあった扇風機を倒し、液晶を割ってしまったこと。購入した時の製品価格が20万円を少し超える金額でしたので、メーカーの出値を6割と見てその製品の中でも一番お金がかかっていると考えられる液晶パネルをまるごと交換しますので、出張修理は10万円を少し切るぐらいと考えていましたが、かかった費用は5万円を少しだけ上回る金額で済みました。

もうひとつは偶然にもその液晶テレビと同じメーカーの製品で洗濯機ですが、我が家は子どもが3人いて全員学生、しかも2人は運動部で洗濯物の量は毎日半端ではありませんが、かみさんも働いていますので、一度に洗える洗濯物の量は超えていると理解していても、時間もないので無理してでも一度で洗ってしまうこともしばしば。これを6年近く続けていたのですが、洗濯槽の羽根が回らなくなってしまいましたので、修理を依頼し、サービスマンに出張してもらいました。結果はモーターの軸と羽根をつなぐスプライン(溝)の摩耗で羽根が空転していたことが原因。これを見てサービスマンは、メーカーとして製品の材質を決める研究材料として調査するので、今回の修理代金は無料とさせていただきます。と。

確かにモーターのシャフト側と、羽根に刻まれたスプラインが同じ材質だと、同じように摩耗してしまい、場合によっては羽根だけに収まらず、モーターも交換すると修理費が高額になってしまうので、羽側にあるスプラインの材質をシャフトよりも柔らかいものにすることで、安い羽根だけを交換する事で顧客の負担を軽くすることが出来ます。同じような家電製品はどこのメーカーも同じように、修理しても顧客の負担を軽く済ませるように設計しているとは思いますが、顧客側に使用上の過失があると分かっていても、そのメーカーの製品を長く使い続けてくれる事がCSにつながるとの判断で、製品のメンテナンスを行ってくれるのを目の当たりにしてしまうと、心のなかの好感度は2段階も3段階も上がってしまいます。

そして残念と感じた側の製品は、大手のAV機器を中心に扱うメーカーで先進的な製品を幾つも市場に送り、多くのファンが居るメーカーのポータブルナビ。長男が高校生になり、一人で自転車に乗りフラッと長距離を走るのが好きなので、迷わずに帰ってこれるようにと、自転車利用をメインに考えてあり、量販店の中で展示してあるものを見ても、手軽でぴったりだと思ったので入学祝いにと購入したものです。その時は自転車に取り付けのパーツの在庫がなかったので、一緒には購入できなかったのですが、よく行っている量販店でもあったので、注文も出さずに今度来たときにでも購入しようと軽く考え、本体だけを購入して帰りました。
2ヵ月後の6月に行く用事があったので量販店で在庫を聞いてみたところ、本体はまだカタログに載ってはいるものの、取り付けパーツに関しては製造中止になってもう手に入らないとの答え。現在でも本体のカタログには自転車で使うのにぴったりと製品のキャッチコピーで歌っているにもかかわらず、自転車に取り付けるパーツだけ手に入らないとはどういうことなのか、お客様相談室にメールで問い合わせしましたが、メーカーの都合で申し訳ございません、ご理解くださいと返事が帰ってきました。

自転車での利用をメーカーが推奨し売り出し、その目的に合ったので購入したのに、2ヶ月の時間差で自転車に取り付ける方法はユーザーで考えて取り付けろと言われたようでメーカーに裏切られた気持ちです。

製品を考案し販売した時点と思惑がちがい、思ったように売れなかったので新たに製品のラインを動かすことをしなかったのかもしれませんが、ほとんど同じくらいのサイズで上位機種をカタログに載せているのですから、取り付けパーツは汎用品として共用にしたって構わないはずです。製品を考案しデザインする段階でも顧客の存在をあまり考えず、メーカーの都合だけで製品を販売しているんだなと感じました。

今まで私はそのメーカーの製品が好きで、オーディオ機器からビデオカメラ、PCのモニターからテレビやゲーム機などたくさんの製品を購入してきましたが、顧客のことは考えずに製品化し、その責任を全うしない企業体質になってしまったこのメーカーの製品は2度と購入しないだろうと感じています。大きくなりすぎた企業を一度解体し、コンシュマー向けのメーカーの名前は中国企業にでも売却し、パーツをメーカーに収めるだけのメーカーとしてリスタートしたほうが良いのではないでしょうかね。




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