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商売を続ける為にヤッテはいけない事

私たちの住んでいるこの日本の基本となる部分を見返してみると、自由主義社会ですから自分が欲しいと感じるものは自由に選んで所有することが出来ます。水や空気のように当たり前のこととしてそこにあるものだから、システムとしてあまり気にしたこともないのでしょうが、企業でも個人商店でもお客様に商品やサービスを提供する対価として報酬を得る事で社会は成り立っています。

カスタマーやコンシュマーが欲しいと感じる商品を提供し、満足を与える事で評価を得、利益につなげる。サービスや商品を提供する側は、けして顧客の希望を裏切らない姿勢で対応することで、お互いに信頼関係を築き、企業としてもその評価に見合うポジションを得る。商品やサービスは技術革新などで新しい製品などに変わってきても、顧客と企業の関係は上記のサークルを回し続けることで永続的な評価=価値を得るわけですから、この完成されたサークルを維持するためのエネルギーを惜しんではいけないはずです。

私事で恐縮ですが、今月そんなことを感じさせる出来事が、幾つか続けざまに起き、顧客への対応の仕方が、伸びてきているメーカーの製品と、以前はAV機器の頂点を究めたと感じていたメーカーですが、最近落ち目ではないかと騒がれるメーカーとで、ずいぶんと姿勢に差があるなと感じましたのでブログをエントリーしました。



割れた液晶

一つは、昨年秋に購入した地デジ対応の液晶テレビで、長男がテレビのあるリビングでポータブルゲーム機で遊んでいるときに、間違えて目の前にあった扇風機を倒し、液晶を割ってしまったこと。購入した時の製品価格が20万円を少し超える金額でしたので、メーカーの出値を6割と見てその製品の中でも一番お金がかかっていると考えられる液晶パネルをまるごと交換しますので、出張修理は10万円を少し切るぐらいと考えていましたが、かかった費用は5万円を少しだけ上回る金額で済みました。

もうひとつは偶然にもその液晶テレビと同じメーカーの製品で洗濯機ですが、我が家は子どもが3人いて全員学生、しかも2人は運動部で洗濯物の量は毎日半端ではありませんが、かみさんも働いていますので、一度に洗える洗濯物の量は超えていると理解していても、時間もないので無理してでも一度で洗ってしまうこともしばしば。これを6年近く続けていたのですが、洗濯槽の羽根が回らなくなってしまいましたので、修理を依頼し、サービスマンに出張してもらいました。結果はモーターの軸と羽根をつなぐスプライン(溝)の摩耗で羽根が空転していたことが原因。これを見てサービスマンは、メーカーとして製品の材質を決める研究材料として調査するので、今回の修理代金は無料とさせていただきます。と。

確かにモーターのシャフト側と、羽根に刻まれたスプラインが同じ材質だと、同じように摩耗してしまい、場合によっては羽根だけに収まらず、モーターも交換すると修理費が高額になってしまうので、羽側にあるスプラインの材質をシャフトよりも柔らかいものにすることで、安い羽根だけを交換する事で顧客の負担を軽くすることが出来ます。同じような家電製品はどこのメーカーも同じように、修理しても顧客の負担を軽く済ませるように設計しているとは思いますが、顧客側に使用上の過失があると分かっていても、そのメーカーの製品を長く使い続けてくれる事がCSにつながるとの判断で、製品のメンテナンスを行ってくれるのを目の当たりにしてしまうと、心のなかの好感度は2段階も3段階も上がってしまいます。

そして残念と感じた側の製品は、大手のAV機器を中心に扱うメーカーで先進的な製品を幾つも市場に送り、多くのファンが居るメーカーのポータブルナビ。長男が高校生になり、一人で自転車に乗りフラッと長距離を走るのが好きなので、迷わずに帰ってこれるようにと、自転車利用をメインに考えてあり、量販店の中で展示してあるものを見ても、手軽でぴったりだと思ったので入学祝いにと購入したものです。その時は自転車に取り付けのパーツの在庫がなかったので、一緒には購入できなかったのですが、よく行っている量販店でもあったので、注文も出さずに今度来たときにでも購入しようと軽く考え、本体だけを購入して帰りました。
2ヵ月後の6月に行く用事があったので量販店で在庫を聞いてみたところ、本体はまだカタログに載ってはいるものの、取り付けパーツに関しては製造中止になってもう手に入らないとの答え。現在でも本体のカタログには自転車で使うのにぴったりと製品のキャッチコピーで歌っているにもかかわらず、自転車に取り付けるパーツだけ手に入らないとはどういうことなのか、お客様相談室にメールで問い合わせしましたが、メーカーの都合で申し訳ございません、ご理解くださいと返事が帰ってきました。

自転車での利用をメーカーが推奨し売り出し、その目的に合ったので購入したのに、2ヶ月の時間差で自転車に取り付ける方法はユーザーで考えて取り付けろと言われたようでメーカーに裏切られた気持ちです。

製品を考案し販売した時点と思惑がちがい、思ったように売れなかったので新たに製品のラインを動かすことをしなかったのかもしれませんが、ほとんど同じくらいのサイズで上位機種をカタログに載せているのですから、取り付けパーツは汎用品として共用にしたって構わないはずです。製品を考案しデザインする段階でも顧客の存在をあまり考えず、メーカーの都合だけで製品を販売しているんだなと感じました。

今まで私はそのメーカーの製品が好きで、オーディオ機器からビデオカメラ、PCのモニターからテレビやゲーム機などたくさんの製品を購入してきましたが、顧客のことは考えずに製品化し、その責任を全うしない企業体質になってしまったこのメーカーの製品は2度と購入しないだろうと感じています。大きくなりすぎた企業を一度解体し、コンシュマー向けのメーカーの名前は中国企業にでも売却し、パーツをメーカーに収めるだけのメーカーとしてリスタートしたほうが良いのではないでしょうかね。




Comments:1

nizi 2010/07/11 16:08
あらら、相当キてますな。
どこのメーカーも部門によって考え方があるようですから
一概には言えませんが、ちょっと不親切ですな。
それが時間差が数年っていうならまだしも、2ヶ月程度ではね。
仰る様に汎用品としての設計はできないはずはないので
その部分だけOEMで子会社へ丸投げしたが、単価が合わずに
子会社側が止めてしまった・・なんてこともあるかもしれませんな。
事情がどうあれ、もう少しなんとかしてほしいとこですね。
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