RISE weblog

RISE Productionアートディレクターの佐藤です、仕事上で感じた事からプライベートな事まで、こちらのブログに書いていこうと思います。

技術革新か改革か? 求められるイノベーションは何だ

スマートmhd

先日メルセデス・ベンツ日本がアイドリングストップ機構採用の「スマート・フォーツーmhd」を、12月に発売すると発表しました。この「mhd」とはマイクロ・ハイブリッド・ドライブの略で、現在トヨタ自動車やホンダで発売している、ガソリンエンジンをモーターでアシストするハイブリッドとは一線を画しています。どのようなハイブリッドかと申しますと、アイドリングストップ。

なんだベンツが創るハイブリッドだから、もっと驚くような技術てんこ盛りかと思いきや、頻繁なエンジン始動に強いバッテリーと、アイドリングストップ機構を制御するコンピューターで成り立っているものです。厳密に言いますと電気を効率よく作るオルタネーターと、スターターモータも違うそうですが。

いま日本でハイブリッド車と言えばトヨタ自動車のプリウスを思い浮かべますが、こちらの機能としては、ガソリンエンジンでは効率の悪い領域をモーターでアシストし、クルマ全体としてエネルギー効率を高くしようと、ブレーキング時に運動エネルギーを電気エネルギーに回生する装置もあり、非常によく考えられた、開発に時間もお金もかかっている製品です。

一台の車としての10・15モード燃費の効率はどうかと、比較してみると。
スマート・フォーツーmhd:23.0km/リッター
トヨタ自動車「プリウス」:35.5km/リッター

やはり根本から効率を重視して開発してきた「プリウス」にはかないませんが、軽自動車の多くが21〜23km/リッターの燃費ですから、高速道路での高負荷走行を考えた欧州車としては、かなり立派な数字です。しかし技術を一から開発した「プリウス」と、既存技術を集め製品にした「スマート」では、回収すべき開発費は天地ほどの違いがあるでしょうし、従来モデルからの加算される値上げ幅も少なくてすみます。

因みに「スマート」の従来のモデルから、どの程度効率化が進んだかは、 10・15モード燃費は従来の18.6km/リッターから約24%向上して23.0km/リッター、との事です。中長期な観点からすれば、現在の技術をブレークスルーしていく新しい技術開発は必要です。しかし自社に技術の蓄積がない場合でも、使い慣れた技術を組み合わせる事で、社会のニーズにあった商品を開発する事は可能です。

昨日のコラムにも書いたように、全ての利益を株主に還元ではなく、技術開発への投資をした上でイノベーションは継続的に続けて行くにしても、マーケティングの視点から既存技術を使った、新しい商品を開発する事も企業として考えなくてはいけません、脳みそにもっと働いてもらいましょう。




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