RISE weblog

RISE Productionアートディレクターの佐藤です、仕事上で感じた事からプライベートな事まで、こちらのブログに書いていこうと思います。

知って行動せざるは罪である

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タイトルはソフトバンクの孫社長が、「エネルギー政策の転換に向けて」と
私財10億円を投げ打ち、自然エネルギー財団を立ち上げた時の言葉です。


孫正義:2011年をエネルギー政策転換の年と位置付け、個人としての寄付10億円で自然エネルギー財団を設立いたします。10億で足りないことはわかっていますが、これはスタートの原資として、世界100名のトップ科学者との意見交換の場を作る。議論のきっかけを作るための財団。シンクタンクのようなもの。自然エネルギー発電にはいろいろある。どれがいいのかはこれから勉強して行く。太陽光発電だが、電気使用のピークは日中。電力の消費量が最も多いときに太陽は出ている。そこに当ててはどうか? 太陽光発電を否定する意見の多くは、曇りや雨のとき、発電出来ないというもの。しかし、天気の悪いときには、火力発電を使えばいい。バッファとして考えている。

・・・なんか、昔偉いお金持ちの財界人が、地球の将来を心配して世界中の知識を集め、全世界賢人会議と言われるシンクタンクを作った。名前はそう「ローマクラブ」。

イタリア・オリベッテイ社の会長アウレリオ・ペッチェイ氏が私財を投じ、地球の将来を見据えたシンクタンクが必要と1968年にローマで初の会合があったことから「ローマクラブ」と言われているけれど、4年後の1972年デニス・メドウズらによる「成長の限界」が出版され、成長・成長とイケイケムードの世界に冷水を浴びせた。

今回の孫社長がやろうとしている事が、アウレリオ・ペッチェイ氏とダブって見える。しかし今現在、国や官僚とメーカーの創り上げた原子力を元にしたエネルギー政策は非常に強固と言われていて、今回の福島の事故の後でも白紙に戻すことは非常に難しいように感じる。

官僚:忘れやすい日本人だからさ、10年くらい大人しくしていれば、何事も無く新しい原発も作れるからさ、少しだけ我慢してよ。と何も手を加えずに先延ばしになった時間だけを潰して終わりそうな気もする。

でもこの時期にドンキホーテのようにルシナンテに乗り、「知って行動せざるは罪である」と、風車に立ち向かおうとする孫社長の行動は尊敬できる。

たしかにそんな事やる前に、SBのユーザビリティを何とかしろよと言いたくなる人も居るだろうけど、すまないが私はユーザーではないので他人事である。

ペッチェイ氏の作った「ローマクラブ」と、孫さんが立ち上げた「自然エネルギー財団」とでは決定的に違うものがある。「ローマクラブ」は現場の消費するだけの生活を続けていくと人類は滅亡すると警鐘を鳴らすだけだったが、「自然エネルギー財団」はビジネスとして成りうるかを検証し、なると判れば資金調達して事業に出来る。記者会見の質問でも、ボーダフォンを買った金額より、東京電力と東北電力を合わせた金額のほうが安いとのことだから、誰も動かないのなら孫氏自ら動く可能性もある。

と、どうなるかは別として、一つのビジネスとして成り立つものか、大いに協議し、何かしらのブレークスルーをもぎ取ってもらいたいものです。自然エネルギー財団という名前も、きっかけとなった原発事故から「フクシマクラブ」なんてどうだろうか。

しかし声は届かないでしょうが一つだけ言わせていただければ、出る釘は打たれる。ローマクラブを立ち上げたペッチェイ氏はその後、1984年3月、視察で訪れたアラブ首長国連邦でヘリコプター事故により他界している。噂ではあるが、マフィアによって消されたという話があることだけ付け加えておきます。


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