- 2011/01/28 Fri
- お仕事関連 > ブランディング > 差別化の為のブランディング
どこに行ってもあまり景気のいい話を聞きませんが、個人事業主で飲食店をやっている方など、痛いほど景気の悪さを実感されているのではないでしょうか。我々デザイン制作など、サービスを提供しているところもご多分に漏れず、かなり厳しいんですけどね。
自宅の近所で飲食店を開く友人も、最近は一日の売上が ¥30,000に届かない日があるとよく嘆いているし、ここに住んでいる人たちは、あまり地元に食べにこないで近くにある繁華街に出てしまうからと、地域の特性に合わせて自分を変えようとする努力をせずに、環境が整っていないことに文句を言っているように感じます。とは言え頼まれればメニューを作りなおしてあげたり、色々と協力してはきましたけれど、先日友人のカメラマンと新年会をするのに、売上に協力出来ればとその友人の店で閉店近くまで呑んだくれましたが、客として接客受けてみて、なぜ売上が伸びていかないか理解できました。
来てもらったお客様に、来店していただき飲食して満足していただく、という気持が伝わってこない。
出された料理などはどこに出しても負けないくらい、美味しいものでした。でも料理を乗せられている皿一枚、ナイフやフォーク、グラスなどお客様の目に付く物自体も、料理の盛り付けも「満足してもらう」ための工夫と気持ちが感じられませんでした。ナショナルチェーンのお店などではそこいらへんを上手くマネジメントし、どのくらいの料金設定でどのレベルの料理を出せば満足と感じてくれるか、というデーターがある程度蓄積されているから数値化しやすく、損益分岐を冷静に判断し、投資という新しい店舗開発につなげているのでしょう。
そんなデータを持たない地域に根ざす料理店は、そこで長年生活した経験から、地域特性はこうだと感じた店長が創り上げた方針で営業していきます。そんな地元の料理店が、豊富な情報量から導きだされたマネジメントで、隙が見えないナショナルチェーンと戦い、勝機があるとしたら顧客満足度でしか無いように感じます。だって多くのナショナルチェーンで接客についているのは、商品知識のあまり高くないアルバイトの店員さんでしょ、反対に地域の料理店でしたらお客さんの好みと、仕入れた材料で満足してもらえる料理をアドリブでも出せたなら、自ずと顧客満足度に差が出てくるでてくると思います。
落ち着いた雰囲気で、美味しく食べていただき、呑んでいただく。けしてお腹がすいたからと、ファーストフードのように食べ物を早く口に運ぶだけではなく、満足したという気持ちを必ずもってもらう。一言で満足と言っても料理の味もありますし、値段もありますし、贅沢なスペースなど、一人ひとりの満足と感じるPOINTも違うということは理解しています。でも、ナショナルチェーンというブランドに立ち向かうためには、お店側で理想とするインテリアや、料理やその盛りつけ、接客など、自分の頭にある「お客様に愛される理想の店とはこういうもの」というポリシーを持ち、それを表現する事が専門店のブランド化です。それが出来なければ、お客様に愛され、盛り立ててくれることも出来ず、マネジメントに長けたナショナルチェーンとの差別化なんて出来ないと思います。
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