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最近の若いもんは。

昔から世代間のギャップで年寄りがボヤく言葉ですけれど、50歳を超えた私でも見た目若作りしていますので街の中で合う若者たちにそれほど違和感なく付き合えて(いるつもり)います。でも最近仕事をしていて、どうも気になることが目につきましたので、なんで?と朽ちつつある脳みそを働かせて原因を探ってみました。

なんで?と感じたものはいくつかの会社の「会社案内」のパンフレット。担当者いわく、殆どが2〜3年前に制作され、それを毎年修正して印刷してきたものと言うことですが、ページ構成なども含めてあまりにもパッとしないデザインが並び、どちらの制作会社を使って作ったものかを聞くと「今まで会社案内などの印刷物の制作をしたことが無いのだけれども、付き合いのある業者が出来るということで依頼して作った。」と言われていました。

う〜ん、その制作した会社のことはよく知りませんが、今までも納入実績はあるので先方の担当者とも話を詰めることができるし、印刷物の制作もDTPソフトをハンドリング出来るスキルさえあれば制作可能だから、新規事業としての可能性も考慮し仕事を受けた、と言う感じでしょうか。

今まで専業でなかった業種でも、スキルを持ったデザイナーを確保できれば誰でもが印刷物を納品することができますし、デザイナーもグラフィックとDTPを学ぶ学校を出て、いくつか仕事も任せてもらえるようになると、こんなビジュアルでこんな表現したい。
・・・と若いデザイナーたちの発想力や表現方法などは、今も昔もさほど変化はないのでしょうが、クライアントから「こんなイメージで、これを訴求ポイントとして企業の全体像を表現したい」とお題がだされ、何案か作ってプレゼンをし、この方向で行きましょうと決まれば、後は細部を担当部署と詰めていけばほぼ完成です。

と、ここまで見てみると意外と簡単ジャーン。と感じられるかもしれませんが、クライアント、制作会社とも作り慣れていない場合、ドラマはここから始まります。

制作会社側がある程度の企業規模があり、複数のスタッフを抱え、コピーライターやデザイナーは制作に専念し、営業がクライアントとの窓口になっている会社がたくさんあります。通常営業はクライアントの意向を制作側に伝えるため、双方とのコミュニケーションが非常に重要で、当然社会環境からクライアントの立ち位置を理解し、企業戦略の一ツールとなる会社案内のあるべき姿を持っていないと、双方の交通整理は上手く出来ません。

作り慣れていないクライアントの担当なども、見た目がパッとしないとか、写真が暗いとか文字が多くて何が言いたいのかよく理解出来ないとか、主観的な意見をバシバシ言ってきますから、それを客観的に見て方向を修正していかないと、大阪に向かって走っていたものが、着いたら札幌にいたなんてことになりかねません。

専業でそのような仕事を長い間続けてきた会社は、社員スタッフの層が厚いんです。先輩について叱られながらも長い間仕事をしますから、ノウハウがそこで伝承されていくんですけれど、異業種から参入してきた会社は層も薄く、主観的な意見で方向がブレて行っても軌道修正することができず、戦略ツールとしてふさわしくなくなったのではないか。
と言うのが最近の仕事で見て感じたことです。

まず仕事のノウハウが上下の間で伝承されていない。もうひとつはツールとして、クライアントと最終的な姿の共通認識が出来ていない。こればかりはインターネット上に書かれている記事を読んでも身につきませんから、経験するしかないのでしょうね。

でも、版下作成からデーター入稿、CDやMOなどのメディアを受け渡す入稿から、ファイル転送サービスを利用した入校へ、などと、仕事の効率化を進めて行った結果でもあるので、クライアントと制作会社とのコミュニケーションの絶対的な時間の減少はしょうがないのかもしれませんが、その質を落とす要素を排除していくマネージメントを実行しないと、新しい事業を継続していくのは難しくなるかもしれません。

・・・なんだ、若者の話じゃないじゃん。タイトルに偽りありだな。(笑

つい最近、こんなお話も耳にしました、あなたならどう応えます?。
会社案内の校正紙を先方のとある部署の偉い人が見たときに、ボディコピー文中の平仮名の“お”が小さく見える、20ページのパンフにある“お”の文字全てバランスよく大きくしろ。

非常に個人的で主観的な意見だと思います。翌日その校正紙見たら大きく見えないかもしれません、書体も歴史ある書体メーカーの基本的な書体です。キャッチコピーや商品ロゴと言った、限られた文字組の中の一文字ではありません。怖いのは文字のバランスが崩れて、文字組がオーバーフローする可能性がある事、クライアントの窓口も制作側の担当者も、偉い人の意見だからとただ受け入れてしまうのはいかがなものかと感じますね。




Comments:2

virbius 2010/06/20 12:28
niziさん、コメントありがとうございます。
具体的にはリュウミンのL-KLらしいんですけどね、
未だにクラッシック環境とクォークで仕事している人でして、
文字設定でそのドキュメントに使われているリュウミンL-KLの
“お”は数%大きくする設定したと言っていました。

でもそんなこと言われたら次の仕事からは何でもかんでも、
各文字毎に大きさの差の少ない新ゴとかにしちゃって
あんまりメリハリのない誌面作りになりそうですね。

制作費を低く抑えるためか、学校卒業したての若い人ばかり使うんではなく、
コミュニケーション能力などの知識の継承は必要だと思うんですけどね。
nizi 2010/06/17 19:08
最後の話はあるあるって感じですな。正直言えばメガネ直せば?って
感じですけどねw言いませんけどw。

話的には「お」単体の修正をことはないですがクライアントには文章の
組み方を変更してみないかと提案。
もしくは書体変更を提案。
まぁその前にどこの「お」が小さいか確認してもらう話へ誘導するかな
全体!とか言われたら見直ししてバランス取りしてみますと、とりあえずは
言うかな。
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