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企業も変わらなきゃ

ライフサイクルを考えてみる。3

2からの続きです。
ライフサイクルが終わったと考えられていた商品も、複合的なイノベーションで環境が変わってくると、再び舞台に登場する可能性もありますね。携帯音楽プレーヤーなどは、その最たる物でしょうか。カセットテープで始まりメディアが時代とともにCDやMDに変わりましたが、商品自体ライフサイクルも終焉を迎えた感が否めませんでしたが、AppleがHDを搭載し、パソコンで音楽を管理するスタイルを取るi-Podで返り咲きましたね。

製品も楽曲のソフトもコンピューターも、全てが手元にあったSONYからではなく、その頃はMacと言うPCのメーカーでも、マイノリティーなAppleから出てきたのは、その数年前にCEOに復帰した、スティーブ・ジョブスの指導力なのでしょうか。

しかし成功したから良い物の、躓きでもしたら独裁者とかワンマン社長とか、新聞などでも相当叩かれるところでしょうね。その携帯音楽プレーヤーもそろそろライフサイクルも終わろうとしていますが、これをPDAと合体させ、情報端末を持ち歩くと言う新しいライフスタイルの提案が、iPhoneですね、これも通信環境の変革で、さらに大化けしそうな商品だと思います。

パーソナルな部分はこの位にして、重厚長大な施設の新設が少なくなると、現在ある大きな施設はどうなるか、例えば流通業。日頃の服や靴、小物などはe-コマースが多くを占めるようになり、Net販売の割合が増えると同時に、体の物差しといえるようなサイトも出てくるかもしれません。メーカーやブランドごとの服のサイズを、SNSのようなユーザー特定ページで、細かい部位の体のサイズ・足のサイズを記入する事で、ブランドごとのピッタリのサイズを提示してくれるサービス、このサービスがあればNetで服や靴を頼んだけれど、着たらサイズが合わなかった。というような心配を払拭してくれるサービス。

この様なインフラに近いものは、多くのブランドの参画が必須なので、実際に流通を行うリーダー企業が作り、運営していくのがベストでしょうね。これに比べ現在ある大型SCなどはより個性を打ち出し、買い回りにエンターテインメント性を持たせた、アミューズメントに近いショーケース的な施設になるのではと考えられます。

家庭の家電製品なども効率化、省エネルギー化が進み、現在一世帯あたり一ヶ月の電力消費量は約300kWhから、 1990年頃の250kWh程度に落ち着き、さらなる効率化をめざすと太陽電池や風力発電など、地域での発電や、各個人宅でのコージェネレーション化で、電力会社から電気を買う習慣が無くなるかもしれません。また大手電機メーカーでは個人宅向けの原子力発電ユニットを開発中と聞きます。

たくさんの技術革新で社会環境や生活が変化して行きますが、これからどのようなモノが発案され、応用されていくのか実際に目にしたわけではありませんし、魔法使いでも予報屋ではありませんので当たり外れもあるでしょうが、だいたいこんな事がこれからの10年〜15年で起こるのではと考えられます。




ライフサイクルを考えてみる。4

3からの続きです。
ライフサイクルが終わったと考えられる商品。商品ならばまだ他の商品で代替えなど考えられますが、中には業種自体が終わったと思われる職業もありますね。主要駅付近に今や必ずと言っていいほど在る大型家電量販店、色々なメーカーを同時に比較購買でき、本体から周辺機器まで揃うとても便利なお店である事は、誰もが認めます。

しかしこのおかげでお客さんが遠のいてしまったのは、家のご近所の電気屋さん。欲しいものがあっても限られたスペースに周辺機器のサプライまでの品揃えはなく、取り寄せに時間を掛けるよりは、少し足を伸ばせばすぐにでも手に入いる量販店に軍配が上がり、誰がどう見ても量販店と、近所の電気屋さんとは勝負が付いているように感じられます。

でも、最近の家電。特にAVと言われるテレビを含む映像系家電ですが、地デジへの移行を含めどうも良く分からない。以前だったらアンテナをビデオデッキに繋ぎ、デッキからテレビにRCAプラグで繋いでしまえば、セットアップ完了だったのに今は、DVDは?ブルーレイ?5.1chサラウンドアンプ?サラウンドスピーカー?地デジ用のアンテナ?テレビとの接続は何のコード?インターネット?ゲーム?・・・もう訳解りません。

当然量販店にも設置してくれるサービスもありますが、自宅で作業してくれるのは良いけれど、見ず知らずの業者の人が家に上がっての作業より、顔も見たことがあるご近所の電気屋さんの方が、盲目的に安心出来る感じもします。

ライフサイクルを考えてみる。3 にも書いたように、トレンドはマスからパーソナルへ移って来ています、だから家電製品を近所の電気店で買いましょう、なんてことを言いたいわけではありません。近くに居住するというお客様一人一人に安心して営業できるからこそ、コンサルティングを含めた営業にチャレンジしてみてはいかがでしょう。

お店のウィンドウにでも「どちらで購入された物でも構いません、格安で家電製品の設置・セットアップいたします」と一言書いたPOPでも貼っておき、商売をコンサルティングから始めるのです。現在の省エネ家電もそうです、冷蔵庫・洗濯機・エアコン・暖房器具にしてもエネルギー効率からしたら、ガスより効率の良い物も出ているようですけれど、何がどれだけ効率的なのか判断できていません。

今すぐの購買には繋がらないかも知れませんが、一年後、三年後の購買に繋がるよう、地域の顧客密着型商売を始めてみてはいかがでしょうか。




社会のこれからは。

インターネットの発明は、グーテンベルクの印刷の発明よりも大きなイノベーションで、印刷が発明された後に産業革命が起こり、近代が始まったように、Webが社会インフラとして普及し始めたこの数年、大きく方向を変える変換点だと思います。

一番大きいのはコミュニケーションの変化から来る価値観の多様化、集団と集団との付き合いから、個と個の付き合いに変化してくる。ただし現在の社会からすると、もう一段階のイノベーションが必要ですが。

例えば現在デザイン事務所などは、代理店などがその事務所の力量やパフォーマンスを担保して、クライアントとの間をエンゲージをしていますが、担保するのはこの先代理店だけではなく、信用金庫のネットワークなど、別の組織が行っても構わないわけです。

当然力量など図るために、各事務所はプロフィールや作品をWeb上に公表し、どの程度の力量があるかをアピールしなければ行けませんが、新規で仕事を依頼するに当たっては「責任をどこかが保証しないと」と言う意味での担保です。

個と個の付き合いになると書きましたが、コミュニケーション自体の変化はありませんが、自分の都合でコミュニケーションできるメールやブログなど、これからはより活用されていくと思います。ただし文字を使ってのコミュニケーションには、慣れが必要で文章力が求められます。

やってみると楽しいコミュケーションでも、踏み込めない理由は、この文章の表現力が無いと自分で判断して躊躇しているだけで、実際には慣れですから、飛び込んでしまう勇気さえあれば、後はスムーズに進めるのでしょう。しかし座して死を待つのみと判っていても、まぁいいやメンドクサ、で座ったままの人が多いのが現状ではないのでしょうか。

プライベートでのコミュニケーションでは、やってもやらなくても大きな違いはありませんが、これが営利を求める企業だと、今までの新聞や雑誌、TVCMなどの媒体に頼った社会とのコミュニケーション・パフォーマンスが落ちてきているので、どうしたらいいのか試行錯誤の連続です。

特に資本の少ない中小企業は、情報の洪水の中で、自分の企業に何が重要なのかを見極める事すら出来ずに、無駄球を打っている状態なのではないのでしょうか。

そんな風に最近は感じます。




〜の仕方を変えよう

コミュニケーションの方法は、個人から複数になった時点で始まりますが、フェイス・トゥー・フェイスで共通の言語で会話することから、絵を描いて伝えることなど、色々な方法が沢山あり、遠くの人とも郵便や電話など通信手段の進化で、より多くの物をより速くに伝えることが可能になってきました。

中でもインターネットの誕生と、ブロードバンドと言った通信インフラの整備は、今まであった通信手段の進化の中でも最も劇的に進化した物でしょう。一昔前までは大量の荷物を、人の手を借りて送らなければならなかった物も、荷物自体がデジタル化し、インターネット経由でやりとりが出来るようになりました。

仕事でもそうですよね、同じ会社内でしたら自社ネットワークで、社員同士コミュニケーションは取れますし、外部との連絡でもメールに添付したり、ファイル共有サービスを利用したりと、仕事の進め方も通信環境の進化と共に進化してきました。特にイントラネットなどで自社ネットワークを構築した場合、メールやファイル共有など、メインのサーバーをハブとして社員が情報を共有し、仕事にも効率よく活用できるようになっています。

一方Yahoo! やGoogleと言った、ポータルサイトでは無料でWebメールを提供するなど、新しいネットサービスを提供し始め、すでに利用されている方も沢山いらっしゃると思います。そんなサービスが個人と個人のコミュニケーションを、より一層強い物にしてくれています。

こういったコミュニケーションの変化が、今までのビジネスの特徴であった「集団と集団」から、「集団と個」または「個と個」と言った物に変化すると考えていますが、例えば私の仕事であるデザイン一つとっても、クライアントの意向を成し遂げるために、カメラマンあるいはイラストレーター、コピーライターなど、さまざまなスタッフと協力していかなければなりません。

しかも多くのスタッフは独立した事務所を構えていますので、やり慣れている仕事でしたら最初のミーティングだけ全員顔を合わせ、後はメールや電話で済ませることも出来るでしょうが、組織を一から作るプロジェクトなどでは、中心となるメンバー同士の深い意思疎通など、綿密な連絡とミーティングが必要になってきます。

そんなときに便利なサービスを一つご紹介しましょう、Googleが提供している「Google Apps」という無料Webサービス。例えばプロジェクト名でアカウントを取ってしまえば、参加するメンバー一人一人(200人まで)にメールアドレスを設定し、Web上のカレンダーやドキュメント(Wordと同じような物)をメンバーで共有し、スケジュールや情報の管理する事も出来ます、またメールは1 アドレスあたりサーバー上に約8GBの容量を割り当てられますので、ドキュメントをアップすることでストレージサービスも可能です。

使いこなすことでWeb上のグループウェア的な事も出来ますので、時間や場所の制約を限りなく小さくすることが出来ます。しかも年間(確か)10ドルで、独自ドメインの取得可能ですので、多くの外部スタッフをハンドリングする企業なども使い勝手が良いでしょう、すでに日本大学などは学生とのコミュニケーションにこのサービスを導入し、成功している例もあります。

今までの道具としてのコンピュータは、ソフトウェアと言う商品を購入しインストールする事で、スタンドアローンの状態でデータを処理してきましたが、これからは上記にあるGoogleのやっているような、ソフトウエアを商品として販売することでは無く、インターネットを通じ、アクセスしたサーバー側で利用者の求めるサービスを提供し、そのサービスに対して対価を払うと言った「クラウドコンピューティング」が主流になると考えられます。




持続可能な多様化

先日、日本人物理学者として南部陽一郎氏・小林誠・益川敏英の3氏がノーベル物理学賞を、生物学者として下村脩氏がノーベル化学賞を受賞しました。物理学の南部先生は「素粒子物理学における自発的相対性の破れの発見」、小林・益川先生は「小林・益川理論とCP相対性の破れの起源の発見による素粒子物理学への貢献」が、化学賞の下村先生は「緑色蛍光タンパク質の発見と生命科学への貢献」が受賞理由でした。

物理学をウィキペディアで検索してみると「自然界に見られる現象には、人間の恣意的な解釈に依らない普遍的な法則があると考え、自然界の現象とその性質を、物質とその間に働く相互作用によって理解すること(力学的理解)、および物質をより基本的な要素に還元して理解すること(原子論的理解)を目的とする。」とあります。近代のガリレイやニュートンの頃の物理学と比べると、マクロ的な目で見える現象から、ミクロ的な細分化され、深化した分野での研究が、世界最高峰と言われるノーベル賞の受賞原因なのでしょう。

「相対性の破れ」と言われても、何の事やら我々にはさっぱりと理解できません。しかし細分化された分野の理論が確立されることにより、隣接する分野での類似性などから、その分野での考え方、理論が確立できていくのでしょう。

「知」という学問の分野でも、古くからある物理学は、社会的な要求などから先鋭化、細分化され研究されてきました。この社会的要求からの細分化では、例えば「環境破壊」と言うキーワードで、同じ物理学の中でも流体力学や熱エネルギー、重力などとそれぞれの分野で切り口を替え、同じキーワードを研究し、理論を確立して行くのでしょうが、同一のキーワードを異なる分野で研究すると、単独の分野だけで研究するよりも、各分野の考えを横断的な視野で、構造的に見直した方が効率的でもあります。

生物学から学ぶ変化に強い企業」というタイトルで、以前ここのコラムにも書きましたが、変化する社会にビジネスも変化させる事に、仕事の多様化は避けて通れませんが、多様化し細分化する仕事も、他業種からの視点で見直すと、ビジネスとして可能性が出てくるかもしれません、今まで見慣れた方向だけではなく、他の業種も視野に入れた横断的な思考で、見直すことでヒントがつかめるかもしれません。

ダーウィンの進化論で公表した概念に「存在し続けるための努力」で、最も環境に適した形質をもつ個体が生存の機会を保障されるとされると言う考えがありますが、まさしく現在の企業にも当てはまる言葉だと思います。




長期的社会展望

今日の日経のニュースでは「米上院、ビッグ3呼び公聴会 GM最大120億ドルの緊急融資要請」とあります。アメリカの自動車メーカーは、何で売れないんだと思うのでしょうが、アメリカの企業経営方法の終焉と見た方が良いのですかね。毎期ごとの利益や株価のことなど、あまりにも株主や金融の方ばかり向いた経営が、長期的社会展望からくる開発を怠る結果になり、売れる車が無くなってしまったのでしょうか。まぁ、そればかりではないのでしょうけれど。

金融不安を初めアメリカからの暗いニュースが多いのですが、現在の産業全ての最終到達目標だった「人間の生産性向上に向け、人間能力の量的拡大を目差す」事が、合わなくなってきているのかもしれません。「形有る物には始まりと終わりが必ずある」と教わってきましたが、文明にも同じように寿命があるようです。

1.技術の獲得→2.生産性の向上・人口の増加→3.自然資源の浪費・環境条件の悪化→4.生産性の低下・人口の減少→5.飢餓・疫病・内乱→6.文明の終焉


日本では2004年をピークに、戦後初めて人口が減少に転じているので、今は4.の入り口あたりでしょうか。1972年にローマクラブが発表した成長の限界―ローマ・クラブ人類の危機レポートが予言書のように感じられます。イギリスで起きた産業革命以降、右肩上がりに増え続けた人口と、工業生産に合わせるように増えた汚染、反対に減り続ける資源。産業革命は地球資源を商品に替える力を人類に与えたのでしょうか。

この事から、これから日本の製造業は、省資源・高効率な製品を作るところは繁栄し、対応できない企業は現状維持か衰退して行くでしょう。つまり大量のエネルギーを消費する物や、数年で使えなくなる機械は敬遠され、人の手によるメンテナンスや修理と言ったサービス業が伸びてくるのではないかと考えられます。また高効率なパーツを古い製品にレトロフィットさせるような、新しいサービスも出てくるかもしれません。車などもこれ以上は台数が伸びず、買い換え需要を狙ったものになり、自動車メーカーもその技術を利用して作られた、生活支援ロボットのような物が主流になるかもしれません。

ホンダ技研はすでに「ASIMO」の開発で、二足歩行のロボットを研究し、つい最近足の機能を補助する製品を発表していました。トヨタ自動車もパーソナルな移動デバイスを研究しています。世界の他の自動車メーカーでは、電気自動車や水素自動車など、車というカテゴリーで開発を続けていますが、CITY用と都市間移動用で、車のカテゴリー自体変わっていきそうです。

現在の製品などは効率とコストから、修理を視野に入れない設計で作られた製品が、数多く見受けられますが、将来的には今は必要とされていない、職人の「技」が必要となる時が来るかもしれません、切り捨てないで取っておいた方が良さそうです。

とは言え現在の世界人口は現在約66億人、2050年には95億人と予想する研究者もいます。現在の食資源を日本と同じようなメニューで料理すると、50 億人分の料理しかできない計算だそうです。食料と植物、そのための水資源をコントロールする治水、水産業の中でも育てる養殖などは、この先伸びる可能性が高い企業でしょうか。

将来の企業は今まで以上に実業に堅実で、永続的な成長を続ける企業に集約されそうです。




ローマクラブ

経済成長率がマイナスになるとかならないとか、朝日新聞が初の赤字に転落したとか、企業が生き抜くための努力が、今以上に必要とされていますが、楽天的オポチュニストの私でさえ、今までのようにラッキーや偶然が重なって稼げる時代ではなくなったように感じます。

この先日本は、世界はどのように変わっていくのでしょうか、そもそも変わるきっかけでもあるアメリカの金融危機って何。やはりこれですかね「気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書」の離脱。産業界からバックアップされたブッシュ政権が、議定書を批准していたら儲からんやンケー、と言ったか言わなかったか、なぜ関西弁なのかは分かりませんが、そんな政策が大きく係わってきたと思います。

そもそも月々10万円しか支払い能力の無かった人たち向けに、審査も甘アマで、返済能力を少しだけ背伸びした毎月11万円を返済させる住宅ローンを組ませ、宅地や住宅産業のバブルを生んだけど、やっぱり返せなくなりました。が原因のようです。しかしこの融資のための資金は、ゼロ金利政策を嫌って逃げ出したジャパンマネーだったという説もありますが。

この様に産業を発展させれば、国民一人ひとりの収入も上がり、国全体がどこまでも発展していくんだ。と言った夢を見ていたのでしょう、さらに追い打ちを掛けるような自動車メーカー、ビッグスリーの救済問題、株主の方だけを見て顧客のニーズに応えられるよう、多様性のニーズの中から、商品を開発する事を怠ったメーカーが、ニーズが変わった途端に売れる商品が無くなってしまった。と言う少しお粗末な顛末。

これに比べEUや日本では、資源を効率よく利用するための開発を行い、商品にしてきましたが「環境保全ダァー、何生チョロいこと言うとんねん」と言う巨大な暴君が失敗したことと、大統領が替わることで京都議定書に批准する可能性が大きくなってきました。

ところで題名にある「ローマクラブ」は皆さんご存じですか?小説に出てくる秘密結社ではありません。

1970年に設立されたイタリアの元オリベッティ社副社長で石油王、アウレリオ・ベッチェイ博士が設立した民間のシンクタンクで、資源・人口・軍備拡張・経済・環境破壊など世界規模で起こる問題解決を探るべく、当時世界中の英知と言われるような人たちが集められ、設立のために最初に開いた会合がローマで行われたため、この名前が付きました。

また、このアウレリオ・ベッチェイ氏は油田視察中にヘリコプターの墜落事故で亡くなり、マフィアの陰謀説が流れるなど憶測を呼び、映画にもなっているようですが、「成長の限界」という書籍の方が有名でしょうか、当時は賢人会議とも言われていました。

現社会では地球温暖化とメディアでも言われていますが、カーボンオフセットという形で、排出権を取引する商売になった時点から、とても胡散臭く感じております。でも生物でも、経済でも、流行でも全てにおいて無限に成長できるとは思っていません、いずれどこかで限界が来るだろうと。

18世紀から19世紀にわたって興った産業革命で、人類は地球資源を産業に変える知恵を得、今までになかったスピードで人口が増え、物が増えていくと同時に汚染も拡がり、地球資源が枯渇し、今までにない気候の変動が現れるようになってきました。

ボールを投げると放物線を描くように、上り坂だった物が水平に移り、やがて下降に転ずる、今回アメリカの金融危機の報道を見るたびに、世界はそんな分岐点に立っている感じがします。ただし下降に転じるとは言っても、いきなり破滅が目の前に現れるわけではありません。今まで上昇し続けたスピードと同じように減少していくと予想されていますが、その減少を少しでも送らせることは可能です。

この先、先進国と言われる国の産業経済は、今までの何でもかんでも大量生産・大量消費よりも、限界内での持続的発展のための産業へと、パラダイムシフトし、企業の中・長期計画を立てる上でも、無視できない流れになってくるでしょう。




厳しい年末になってきました。

新聞やTVから流れてくるニュースは、明るい話しは見あたらず、くらい話しが多く見られます。バブルがはじけた時もそうですが、企業の業績が悪化すると、まず削減されるのが広告宣伝費です。

トヨタ自動車などは社長自ら「広告費3割カット」を今年の8月に発表しましたが、自動車メーカーをはじめ大手家電メーカーも減産を発表するなど、日本の産業も足踏み状態が続いており、不景気という流れから財布の紐を締めるべく、外注費削減の一環で広告宣伝費を削減する、と言う図式が見えてきます。

大企業でしたらマスメディアへの出稿量を減らす事で、削減が目に見えるでしょうが、元々出稿量の少ない中小企業などでは削減=中止にもなりかねません。今までメディアへの出稿で築いてきた、コンシュマーとのつながりは、企業の大きな資産です。

いきなり全てをストップするのではなく、媒体や表現メディアを変えるなどして、コンシュマーとのコミュニケーションは、継続的に続けていかないと、一度離れてしまったコンシュマーを再び引き戻すためには、非常に大きなエネルギーが必要になってきます。

今まで複数の制作会社に個別に頼んでものを、年間契約で一社に絞るなど、企業の目的を見据え、長くつきあえそうな事務所と付き合うなど、腹を割って話す事も時には必要でしょう。

社会情勢を冷静に判断し、これからの目的を定め、手段としてのコミュニケーションツールがあります、クライアントとして厳しい時代は、制作側も厳しいのです。お互い頭に汗をかき、良い物を創る事で壁を越えるのが、最善の方法と考えます。




こんなご時世だから本業重視で

新しい事業に足を突っこむのは、リスクが伴いますので、広く浅く事業を行うのではなく、専門の事業を深く掘り下げましょう。

と言う事なのですが、この社会変化が早く急激に起きている場合には、隣接する事業をも含めて掘り下げてみる必要があるのかもしれません。

つまり、様々な要因で携わっていた事業が、斜陽業種に変化していた場合、いつまでも深掘りしていっても傷口を広げるだけです。

何度か申し上げていますが、ダーウィンの進化論の中でも生き残る生物は、力のある生物でも、頭の良い生物でもありません。
環境の変化に様々な方向性を探り、自らを変化させ対応できる生物です。

企業も同じだとは思いますが、冒頭にあるように新しい事業に対して、リソースが無いのに新しい事業に足を突っこむのは無謀です。


行っている事業の何に、クライアントは対価を払っているのでしょうか。

技術力? マネージメント力? 先進性? 反対にクライアントが求める物は何ですか?

私の元々の仕事はグラフィックデザインですが、クライアントの多くは紙媒体だけではなく、Webを含めた社会全体に対するパブリシティを求めています。

以前でしたら専門外ですと断ってしまっていたかもしれません、でもウチも変化しているんです、歩みはのろいのですが。

広告代理店など、以前からワンストップで全ての業務を引き受ける企業もありますが、料金的なことを含め、まだまだ敷居は高いようです。

この先「事業を何か別の方向性も考えなければ」と聞かれたら、いきなり別の事業に手を出せとは言いません、多少なりと様子が窺える隣接事業に手を付けてみてはいかがでしょうか。

最初から社内スタッフだけでは難しいのでしたら、将来的には統合を考えた業務提携から始めるのも、リスクを考えると合理的だと思います。

それでもなかなか出口の扉が見つからない時は、我々のような外部の人間が見ることで、答えに繋がるかもしれません。
いままでの慣習からの視点を変え、自社の都合ではなく、顧客の考える業態から事業を考えることで、ブレークスルーに繋がると思います。




成長の王道は変革にあり

お金の話で何ですが、昨年秋に表面化した世界金融危機で、リーマンブラザースが約65兆円の負債を抱え倒産しましたが、2008年度の日本の一般会計の歳出が約83兆円ですから、メディアに流れるニュースの数字だけ追っていると「ふーん65兆円の負債で倒産か」と余りその額の大きさは感じられませんが、日本の国家予算の約78%の負債と考えると、今さらですが、やはりとてつもない金融危機だったんだと感じさせてくれます。

その金融危機をきっかけとして、日本の輸出が落ち込み、経済的にも大きな打撃を受け、消費の冷え込みから製造業の多すぎた在庫調整のための製造停止で、雇用問題をはじめとしたさまざまな問題が噴出してきました。

国民も「未来は薔薇色」「今日より明日の自分はもっと豊かに」なんて空気感が在れば、ローンを組んででもモノを買うのでしょうが、今いる会社が明日も存在できるか、誰も保証出来ない空気感が流れています。

昨年の夏頃まで、国民が感じていた社会情勢と大きく変わってしまい、求めるニーズが大きく変わってきました。

売れる商品を作るのに、一番効果があると言われているのが「技術革新」ですが、これなどは長年絶え間ない研究開発を続け、やっと花が咲く物です。

しかし開発を成功させ、その商品を市場が求めているモノであれば、ライバルという他社がいない間に一人勝ち出来る可能性があります。

そんなミミタコみたいに言われることを、今さらながらに言われても、って感じですかね。

しかし今すぐに「技術革新」が出来なくても、変化し続けるニーズにあわせる形で、自分自身を変化させる事を怠ってはいけません。

もちろん今という時代を見るのも当然ですが、明日はどうなるのかを見通すことも必要です。

そして見通す側である自分をよく知ること、自己評価と第三者から見た評価にギャップは在るのか、在るとするとどの程度の差なのか、正確な自己評価を得るためにその質と量を計る必要があります。



収集した情報から、自社のサービスを開始した当時の社会情勢との差を掴み、変わってきた社会情勢に合わせたサービスを提供出来るよう、持続して自己を変革して行く。

これが企業が成長を続けるための秘策でもポイントでもなく、必要とされている王道としての考え方だと思います。

自己を変革していくと言うことは、自社とその仕事上で付き合いのあった関連会社との付き合い方を変える、と言ったことや、スタッフの人員配置を換える必要が出てくるなど、様々なことで弊害が出る可能性もあります。

顧客ニーズが専門知識を持つスタッフの対面販売を求めていれば、そのスタッフのための給料やグレードに見合った内装など、投資が必要になりますが、陳列棚に並べてある物をレジに持って行くだけでしたら、その分は価格を下げることが可能になります。

と、このように物事には必ずトレードオフがついて回り、昔からマネージャーの職にある者は、このトレードオフのさじ加減を顧客ニーズからの雰囲気を掴み調整し、決定することが職務だったと言っても過言ではないでしょう。

企業を社会の求める形に変革し続ける、と言うことは、社会のニーズをどれだけ上手にくみ取るかに左右されることから「企業と社会のコミュニケーション」がとても重要になっています。

90 年初頭のバブル崩壊の時、売上が落ちたから、先行きが不透明だからと、広報予算の削減を真っ先に行われてきましたが、社会ニーズを正確に知るためにはむしろ増額し、充実したコミュニケーションで、社会が、ユーザーが何を求めているのかを正確に探ることが必要なのではないでしょうか。




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