RISE weblog

RISE Productionアートディレクターの佐藤です、仕事上で感じた事からプライベートな事まで、こちらのブログに書いていこうと思います。

明と暗

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  • by virbius
  • 2008/08/26 Tue 21:39

昔話


私は今現在、趣味としてクルマやバイクが好きです。バイクは数年前に一度乗る事を止めましたけれど、クルマでもツーリングで美味しいモノを食べに行ったり、同じような家族同士で旅行に行ったり。中学の頃でしたかスーパーカーブームがあり、一時排ガス規制で落ち込んだ日本の自動車メーカーも、ちょうどその頃を境に世界的に巻き起こった環境問題から、ドメスティック企業からグローバル企業へと変換を迎えた時期でもありました。

もちろんモータースポーツも好きでしたが、サーキットに行くほどの熱い気持ちもなく、雑誌やテレビで見るだけの物でしたが、人づてで回ってきたHONDAのお仕事で「行くならF1のチケット手にはいるよ」と誘っていただき、フジテレビで放映もされ人気も高く、HONDAが破竹の勢いで勝ち続けたF1参戦第2期を休止した翌年。セナとシューマッハが鈴鹿で最後に対決した1993年、初めて三重県の鈴鹿サーキットへ足を運びました。

鈴鹿サーキットでの観戦は、F1サーカスと呼ばれた文化を、クルマ好きが集まってのお祭り騒ぎ。と表現すればよいのでしょうか、F1 Weekと言われた木曜日のフリー走行から、決勝まで4日間ベタに鑑賞させていただきました。確かに予選の土曜・決勝の日曜日は、15万人と言われた観客が移動するわけですから、延々と続く人また人の列びに合わせ移動しますが、サーキット内部や、最寄り駅の近鉄白子駅などは、慣れた物で混乱と言える物もなく、決勝日の夜にテレビで放映されたのを、横浜の自宅に帰って見る事が出来ましたので、人は多かったけれども、こんな物か。が正直な感想でした。

「こんな物」ってレースの事じゃありませんよ、F1はレーシングカーの中でも別格なのでしょう、あの頃のV10やV12気筒エンジンの上げるエクゾーストノートは鳥肌物で、いまだに耳に残っています。色々なメーカーがエンジン供給をしていましたが、とりわけフェラーリのエンジン音は聞いただけで「フェラーリ」だと分かるほど甲高く、金管楽器のような音がファンを魅了するのでしょう。





一昨年・昨年・現在


2006年でしたか、翌年のF1スケジュールが発表された時、JAPANは富士スピードウェイで開催となっていました。かみさんの実家が御殿場市で、家の外からメインスタンドも見えるほどご近所さんでの開催です。数年前に元の所有社だった三菱地所がサーキット閉鎖を決めた時、TOYOTAが買い取り、大々的に改修工事を行っていましたので、世界のTOYOTAが本格的に製品販売以外の自動車文化に参戦か、と思った物です。

その後Web上のニュースサイトに掲載された物に、鈴鹿サーキット側がコースマーシャルなど、F1運営で培って来たノウハウを提供し、お手伝いしましょうか。と富士スピードウェー側に打診したが、断られたとありました。

まぁ、業界トップの企業ですから、自信も誇りもあったんでしょうが、結果は皆さんご存知のとおり。昨日観戦に行って被害を受けたと、集団訴訟されました。F1が開催された頃の鈴鹿サーキットも、問題が全く無かったわけではないのでしょうが、1962年に車を作り始めると発表したばかりの企業が、3年後の1964年、いきなりヨーロッパF1に参戦すると言うようなクルマ好きの企業が、祭を楽しむ人の方を向いて運営・開催されていたからこそ、今まで多くのモータースポーツファンに支持されていたのでしょう。

今回アクセスの問題で集団訴訟を起こされたわけですが、その他にもWeb上では色々と言われています。今までヨーロッパを含むF1観戦する人たちは、サッカー観戦のように応援するチームやドライバーの旗やバナーなど、スタンドの手すりなどに結び、祭を盛り上げていましたが、昨年はサーキット側の管理上の問題からなのか、旗やバナーの掲載を禁止しました。ところが親会社のTOYOTAチーム1チームだけ、大きな旗を掲げていてこれも大ブーイング。

一つの企業は新聞の社会面に集団訴訟されたとニュースになり、もう一つの企業は経済面に新型燃料電池車「FCXクラリティ」のラインオフがニュースになっていたことを見て、企業は自社の都合で物事を判断せず、ユーザーの気持を汲む努力をしないと、広報やCSRと言った活動で企業イメージの向上を狙っても、どこかに落とし穴が潜んでいると。

「他人のふり見て我が身をなおせ」昔の人はよく言った物です。




ブランディングは企業戦略か?

ブランディングは誰のため?


先日友人で、地域の基幹病院で経営側にいる方と話しをしていました。中でも継続的に基幹病院として、地元社会の中で地域医療を行っていくためには、看護師不足を克服するためにも、現在院内スタッフで作ったWebサイトをリニューアル・充実させ、ブランディングを強化し、競合医療機関との差別化も行う。

との事でしたが、ある日彼曰く「患者さんに現在有るサイトを見ていただき、ご意見を頂戴しましたら、全員現状のサイトデザインで満足し、お金を掛けてリニューアルする必要があるのか」と言われてしまったそうです。

ちょっと待ってよ、サイトをリニューアル・充実させるという行為は、何の目的のためにするの?。

実際に言葉としては言っていませんが、患者さん(お客さん)がお宅の病院(会社)のブランディング・差別化を望んでいるとでも思っているの?。診療予約や診察日を調べるなど、窓口としてサイトを利用しているならば、使い勝手などに要望が出るかもしれないけれど、医療機関としてのブランド確立なんか、患者さんから意見でるわけ無いし、確立しようと考えているのは、患者さんではなく、あなた方病院の方でしょ。

ブランドって競合他社との差別化の為、差別という言葉は使いたくないのでしたら、個性化でもSTYLEでも良いでしょう。ブランディングの為に何を「しなければ」いけないか、とよく聞かれますが、反対に「して」はいけないか、を決める事だと思います。

繁華街で時たま見かける、肩で風切るハードにボイルドされたお兄さん達は、けしてお年寄りに優しく「して」はいないし、「した」ら周りからどう見られるか、ブランディングの達人ではないのでしょうが、クールに生きていくためには「したらいけない」をよく知っていると思います。・・・中には見た目と正反対に一見怖そうで、実は優しいお兄さんも沢山いるとは思いますが。

ただし、この様なお兄さん達を支持する方達は少数派で、この方向はニッチマーケットの部類でしょう。何を目的にブランディングを行うのか、集客力のアップ?・客単価のアップ?・良質なユーザーの囲い込み?・CSR(企業が果たすべき社会的責任)の為?等々、色々と思惑もあり一つに決めるのも難しいかもしれませんが、多くの人が納得せざるを得ない答えとして「自分の持つ能力で、社会とコミュニケーションを取り、永続的な企業として発展する。」事につきるのではないでしょうか。




ブランディングは企業と社会のコミュニケーション?


一言で企業と社会のコミュニケーションで頭に浮かぶ物は、お店などでしたら販売員とお客様でしょうか、新聞に入っている折り込みチラシや、テレビ・ラジオのCMもそうです。映像にしても音声にしても、印刷物にしても企業から社外へ情報を伝える行為は、全てコミュニケーションと考えて差し支えないでしょう。

ただしこれらは企業から社会への一方通行のコミュニケーションです、大手企業などではカスタマーセンターやお客様相談室と言った部署が、お客様の声を直接伺い、CS活動に繋げる「双方向コミュニケーション」がなされています。

とりあえずブランディングに絡んだコミュニケーションの話なので、双方向コミュニケーションは棚に置き、企業側から発信するモノについて書きます。企業から受けるイメージは全て、コミュニケーションの質によって作られます。「接客がよかった」「新聞広告に共感できた」「商品紹介パンフレットからキチンと伝える努力が伺えた」等々。ビジュアルから伝わるイメージが=その企業のイメージに繋がります。

また「商品を沢山の人に、子供からお年寄りまで手にしていただきたい。」と言った場合、TVCMから、スーパーなどのチラシに数多く露出する、折り込みチラシをまく。反対に「一部富裕層に、ステータスのある高価な商品を手にしていただきたい。」だと、全国紙の新聞に全面イメージ広告を掲載する、富裕層が趣味で読む専門誌に掲載するなど、メディア戦略でもブランディングは左右されます。

ブランディング一つで企業の経営理念から営業戦略まで変わります、例えば製造業だと、製品作りの方向性が明確になり、全ての社員が仕事の目的を共有する事が出来「全社一丸となってのプロジェクト」なども達成しやすくなります。

企業ブランディングの指揮を執り、第一線で舵取りするのは部署の中でも「広報(広告)部門」が担当されていると思います。この事から企業の経営者サイドには、広報を良く理解した者が付く事が多くなるなど、企業の中でも重要な部署の一つとして、認知されるようになりました。

上では差別化や個性化、STYLEと表現しましたが、人と同じようにブランドも成長します。要素としては新素材・新製品登場などによる、自社製品の変化。社会環境・意識の変化。ブランドの変化を一言で言えば「自分(企業)の足許を見つめ、環境の変化に合わせ自らも変化させる」です。現在の企業経営は社会と良好なコミュニケーションを取り、社会と共に成長・発展する事を求められています。




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