Home > お仕事関連 > 変化する社会 > 企業も変わらなきゃ

企業も変わらなきゃ

未来に向け今なすべき事は

 仕事で様々な統計を見た、まず頭に入れておかなければいけないのは、2006年をピークに下がり始めている人口の問題。予想では2020年には1億 2735万人、2005年を100とすれば96%の人口しかいなくなると言うこと。つまり人が少なくなるからそれだけお客様も少なくなり、売上も落ちると言うこと。 しかも頭のいい人はそんな中でも人を集めるために、沢山知恵を絞って集客に努める。

 先日9月14日、日曜の朝TBSで放送している「がっちりマンデー」で放送された、イタリアンレストランのサイゼリアを見て、企業はここまでやるのかと、本当に驚かされた。見られていない方は、サイトでご確認ください。

 日本全国で人口が減っていると言っても、都市部の減少はだいぶ先送りになりそうだ。と言うことは都会と地方の格差は今よりも広がると言うこと。さらに都市部では結婚しない独身層が広がり、死に別れるなど高齢者の独身層も増え、子供を作らないカップルも増えることから、2020年には子供のいない世帯が全世帯の 54%にも達する予想が立てられている。

 Web上ではECサイトも増えることから、リアルに小売りを行うお店は今から対応を考え、業態を変えていく必要があるようです、特に地方にお店を構える企業は。ヒントは街にも転がっています、でも同業種じゃないところに有るのでしょう、キット。
 近視的な視点を避け、社会を俯瞰したマクロの視点で、自分を取り巻く環境を見回してください。ついこの間までコンピューターを売っていたアップルコンピューターは現在、ポータブルオーディオや携帯電話、音楽そのものまで売り商売しています。

 それでもなかったら、中国でしょうか。これからは5000万人都市を中国国内に20カ所作るらしいですから。ちなみに現在世界で一番人口の多い都市が、東京圏で3000万人です。
 5000万人の都市って想像も出来ないんですけれど、現在戸籍規制が厳しい中国では、出稼ぎなど働き口があるからと都会で暮らしても、戸籍上の土地以外だと子供の養育費がとても高かったりと、住む自由は市民に与えられていないようですが、そろそろ農民の我慢も限界だからか、戸籍規制の撤廃と都市化がセットで政策に登っているそうです。・・・スゲーな、生きている間に5000万都市を20カ所も持つ国って、見てみたい。

 まだ元気のあるうちに、中・長期の経営戦略で、ブランディングと言う差別化を図る必要がありますね。10年後の未来予報は、お天気ばかりではありませんでしたが、雨が降っても良いように、傘の準備は怠らずに。




生物学から学ぶ変化に強い企業

社会の変化が試練をもたらす


昨日見た日経に、こんな記事がありました。もう耳にタコが出来そうですが、物が売れないのです。


 百貨店業界の7月の売上高(店舗数調整後)は前年比2.5%減と、5カ月連続の前年割れとなった。また新車販売台数は7月こそ前年比3.6%増と一時的にプラスになったものの、8月は10.7%減と、大幅な前年割れとなった。

 現在の消費不況を深刻化させている最大の要因は、景気悪化・物価上昇・将来不安などにより、消費者心理が著しく悪化していることにある。内閣府の消費動向調査によれば、消費者心理の強さを示す消費者態度指数は、坂道を転げ落ちるように下落している。


 アメリカではサブプライム問題から、金融危機が言われていましたが、リーマン・ブラザースは会社更生法を申請し、AIGは公的資金投入で救済されました、この金融不安はいつまで続くのでしょうか。不安ばかり煽るわけではありませんが、この先人口は確実に減ってきます。子供のいない世帯も増え、ファミリーをターゲットにした商売も、今よりも難しくなるでしょう。

 所得の上昇は伸び悩む変わりに、物価は上昇し社会保障費も負担が増え、可処分所得が目減りして行くことで、自由に使えるお金も少なくなることから、消費全体に影響が出てきています。こうゆう社会現象の変化が「試練」なんでしょう。・・・誰に対しての「試練」か?って、大量生産・大量消費にオプティマイズされた、我々日本人にって言うことで。(でかい風呂敷だな?)




生物は多様性をもって変化に対処します


 人間を含めた生物は、環境の変化を克服し生き残っていくために、同一タイプの生き物ではなく、様々なタイプを生み出します。例えて言えば学校という社会の中で、勉強が出来る子供がクラスの中でもてはやされ、社会の中でも勉強できる子がよい子だと、マジョリティとして認知され、受験に強い頭の良い子が集まる学校が出来ます。

 そんな学校生活の中でも勉強のプライオリティーが高い学校として、生徒もたくさん集まり学校経営も安定していたとします。・・・ある日突然、野球部が突然選抜高校野球に選ばれ、春の甲子園に出場が決まり、進学校でも運動にも力を入れる学校と報道され、ひょっとしたら勉強よりも野球が一時もてはやされるようになる、かもしれません。

 ・・・これが一つの外的要因による環境の変化としましょう。生物は環境の変化に対応するために、突然変異が生まれてきます。勉強が出来る子供たちの中に生まれた、野球も出来る突然変異なんでしょうが、エリートの中では異端児扱いされ、勉強が出来る子供たちというエリート集団が大きいと、この突然変異の異端児は淘汰され、消えてしまいます。

 環境が変化し続け、集団も小さければ、色々なタイプのたくさんの異端児が生まれ、生き続けます。これが種の多様化です。この時に学校に対する社会からの要求の変化が起こり、勉強もそこそこで良いが、運動や芸術の分野にも強いタイプしか進学できなくなったとしたら、勉強だけ出来る子供たちは全員留年になってしまいます。この社会の変化が「試練」と言う壁です。

 この「試練」という壁を抜けたモノだけが、次の世代で成功(沢山繁殖)出来るわけです。

 一つの秀でたタイプにオプティマイズされた生物は、生物の機能として安定した収穫を約束してくれますが、予期できない変化に弱く、人間のような強い生物が保護しないと生きて行けません。反対に野生でたくましく生きる、ネズミやカラス、ゴキブリなどは駆逐しようとも環境の変化に合わせるのが上手いのか、一向にいなくなる気配がありません。

 企業の中でも、エリートばかりで会社の舵取りをせず、でたらめでも沢山のことを経験したスタッフを参加させてみるのも、多様性を持たせる一つの方法かもしれませんね。




メイク・ア・ウィッシュのチャリティーイベントです

 友人で箱根仙石原にあるCafeのオーナーでもある友人が、昨年までフジスピードウェイで行われていた、メイク・ア・ウィッシュ・オブ・ジャパン主催のチャリティーライドの、企画・運営を任されることになり、私も本当に一部だけお手伝いすることになりましたので、この場を借りて告知させていただきます。

 このメイク・ア・ウィッシュ・オブ・ジャパンの活動は、今月18日の新聞にも載ったことで、記憶されている方もいらっしゃると思いますが、難病と闘っている子供たちの夢をかなえ、生きる力と病気と闘う勇気をもってもらいたいと設立され、活動しているボランティア団体です。

 その活動を広く社会の方に知っていただくためのイベントが「MAWJ湘南チャリティーライド2008」で、文化の日の11月3日大磯ロングビーチ・駐車場にて、朝9時から、夕方4時まで開催されます。入場無料・駐車料金無料となっておりますので、どうぞお気軽にご参加ください。まだ詳しい催しなどは未定の所もあるようですが、催し物によっては参加するために参加費が必要な場合がありますので、その時はご了承ください。

 映画やテレビドラマなどで感動することが少なくなりましたが、上で紹介した、静岡県立こども病院に「大人になったらF1関係の仕事をしたい」と言う希望を持つこどものために、ホンダが実物のF1を持ち込み勇気づけたニュースや、アメリカ・コネチカット州で神経芽細胞腫と闘った、アレックスのレモネードのニュースなどを聞くと、思わず涙腺がゆるんじゃいます。

 友人は今回のイベントを行うために、様々な企業にスポンサーのお願いをして回ったそうですが、日本のメーカーさんよりも、海外メーカーの日本法人の方が、気持ちよくスポンサーになってくれたと話していたのが印象的です。社会に対して有益なことに関して積極的にバックアップする、宗教的なバックボーンがあるのでしょうが、企業の広報・CSRと言った観点からも、この様なイベントに名前を連ねる事も必要になってくると思います。

 詳しい内容などは、友人がコラムを書いている自動車雑誌のNAVI誌のサイトで。




u-Japanってご存知?

 eコマースはご存知、電子商取引のことですが、総務省ではビジネスの相手だけではなく、顧客、サプライヤー、商品間を行き交うコミュニケーションやサービスを包括的に、連続的でスムースな流れを作るべくeコマース(electronic commerce)を包括するuコマース(ubiquitous commerce)、ユビキタスコマースを策定し、究極のショッピングスタイルとして実現しようとしています。

 このユビキタスコマース(ubiquitous commerce)の頭文字であるuを頭に付け、日本の目指すべき理想の姿の一つとしてu-Japan政策がとられています。例えば生産者である農家から出荷する農産物に、履歴を含んだ情報を添付し、エンドユーザーである消費者が端末で履歴を辿れば商品の履歴を確認できる、またこの添付された情報を家電製品が読み取り、賞味期限などを冷蔵庫などで管理できたり、洗濯機で衣料品の洗濯方法を最適な方法で洗ったり、と言ったユーザーサービスを推し進めると報道されたこともあり、ご存知の方も多いと思います。

 商品一つ一つに付けられた情報、現在有るバーコードなどでは情報量が限られるので、 ICチップなどを利用したタグが現在開発中とされていますが、このタグを使って流通を効率化し、ユーザーが負担すべき流通コストを抑えた流通システムと、実店舗+ネットビジネスの顧客アクセスの利便性を併せ、シナジー効果を発揮できる企業が、u-Japanの先にあるべき企業の姿なのでしょう。

 総務省のサイトには、このu- Japanが実現する未来予想がムービーで掲載されていますが、政府が実現に向け大風呂敷広げ、税金を使ったあげく実現しなかった情報スーパーハイウェイは、自然発生的に生まれたインターネットに負けちゃった例(by U.S.A)もありますので、このu-Japanも、どの程度現実味が出てくるのか興味もありますが、最初に恩恵を受けるのは企業側だと思います。

 私は大本営発表のニュースを話半分でしか聞けない、疑り深いおっさんですが、総務省が提言する生活を実現するには、最低でも二つの大きなブレイクスルーが必要でしょうね。一つはICタグ、オフセット印刷と同じようにプリントできるほどの、安価で量産できるタグが出てくる必要があるのでは、と考えます。もう一つは通信網、ADSや光ファイバーと言った設置型の通信網の他に、モバイル(携帯)用の高速・大容量を可能にし、有線・無線両通信網を利用して月額¥5,000くらいの利用料になるのが、普及の決め手になるのではと考えます。

 だから私たちが直接的に恩恵に授かるのはまだ先だと思っていますが、大企業が作ったインフラの中では当たり前のように使っています、東京でしたらJRの SUICAなどの非接触型カードはその一つの成果ですから、少しずつ少しずつ変化し浸透し続け、改めて長いスパンで見直すと、便利さを実感するのでしょうね。




人が集まるところにお金も集まるのである。

 繁華街、鉄道の起点となる駅など、人が集まる街に住もうと考えると、土地の価格は高い物になります、銀座や田園調布と言ったブランドもありますが。人が集まるからなんかしらの商売が考えられ、お金を落としてもらえると考えるから、場所代も高いのです。

 テレビや雑誌、新聞と言ったメディアも、元はと言えば情報を発信することで人を集め、集まる人がいるから広告を載せるために、メディアのスペースを買う企業がいるわけです。

 最近はWebがメディアとして伸びてくる一方、マスメディアに対する広告の出稿量が減り続け、2006年にはとうとう雑誌の広告料を上回るようになりました。マスメディアと言っても媒体と社会のコミュニケーションが基本で、例えば新聞でしたら掲載する記事の客観的、世論としての判断と正確で社会に利益のある情報を発信する。テレビもニュースはもちろん、質の高いエンターテインメントの発信が、企業の使命としてあります。

 企業の経営者としては『企業の使命』にお金をかけていくのは、健全な企業経営だと思いますが、テレビ局社員の生涯賃金の高さに比べ、制作会社やその下請け、孫請け会社の制作費の安さが、番組ねつ造事件の発端になり、番組の質の低下を指摘する声が上がったのも記憶に新しい物です。

 さらに追い打ちをかけるように一月ほど前、媒体料売り上げが予定を下回ったと、各テレビ局も制作費の削減が発表されています。

 そんな中昨日『ゴールデンタイム平均視聴率 NHKが民放を抜いた』なんて記事が出ていました。また、『フジテレビ『印税スター誕生』の横暴に出版業界が大激怒!?』なんて記事も出ていました。「メディアが売れなくなったから、他に売れるもの探して稼ごう」は、けして間違えではないと思いますが、民放キー局は何でNHKの平均視聴率を下回ったか、もう一度自分の足下を見直すべきと考えるんですがねぇ。オリンピックは世界最高峰のアスリートの戦いを見るためにチャンネル合わせるのであって、お笑い芸人のゲーム解説なんかあまり見たくはなかったなぁ。

・・・今さらお前なんぞに言われたくないってか。(笑




軸足がぶれていますけど

 私スポーツは下手です。以前はマスターズ水泳なぞ参加していましたが、肩を壊してからはスポーツクラブも辞めてしまい、運動らしい運動もしていませんから、今はやりのメタボリックな体型です。

 水泳などはあまり利き腕など影響しませんが、野球やテニスのように投げたりボールを打ち返したり、体を回転させる動作には回転する軸をピシッと安定させていないと、コントロールが定まらなかったり、打った球がどこに飛んでいくかはボールのみぞ知る、な状態になってしまいます。

 仕事でも同じようにどこの視点で物事を判断するか、と言うディレクションする思考の起点がハッキリしないと、“誰”に対して“何”を伝えたいかが曖昧になってしまいます。私どもの仕事ではクライアントさまから依頼があり、始めて仕事に取りかかるわけですが、何度かお仕事を頂いているクライアントさまだと、競合プレゼンが前提ではなく「この様なお題でこんなものを制作してください」とお話しがあるわけです。

 今の時代社会の変革で、自分の会社の事業がこのまま続けていけるか、将来に対しての一つの提言も兼ねての制作なのですが、近い将来にはマーケットが萎み、業態を変革しなければいけないのは目に見えているわけです。

 クライアントさまは高度成長期で業績を伸ばした業界でも大手企業ですが、現状のメインのマーケットであるファミリー層から、違うマーケットに移行するための事業形態を模索されているのです。

 現状の業態を残しつつ事業を少し縮小しつつ、様々な業態とのコラボレーションでシナジー効果を発揮させるというのはお約束でしょうが、混沌とした社会では業態に多様性を持たせ、伸びていきそうな業態に投資することで成長していくのです。

 場合によっては業界全体を一度解体し、リストラクチャリングまでを視野に入れる覚悟が必要な時代になってきているのですが、覚悟が足りないというか、少し前まで上げ潮に乗ったような現状を忘れられないのか、ハッキリと見えない将来が漠然と怖いのか・・・、ああしたい、こうしたいと、あちらへフラフラ、こちらへフラフラ。

 人が集まる箱を作りサービスするだけではなく、作るため、維持するためのノウハウはたくさん持っているんだから、ソフトを提供するサービスも考えられるでしょう。

 そんなあなたの会社はどうしたら?と悩む前に、自分(会社)の立っている位置(社会的ポジション)を確認し、何ができるのか、何を求められているかを正確に把握するのが、今行わなければならない仕事です。

PS:少しだけ事実で、ほとんどはフィクションですよ。(笑)




過剰反応ではオオカミ少年になりますよ

 大きな組織で次世代の事業形態を模索する時、必ず一度や二度出てくるのは、まだどうなるのかハッキリしないものに過剰反応してしまい、慌てて色々な情報を集めた末にパニックに陥り、正確な判断ができなくなってくる事、大体そんな時は意見も堂々巡りをし始め、結論も見えなくなってきます。戦争や災害など原因がハッキリとしている場合を除いて、社会はもう少しゆっくり変化してゆきますので、慌てずに。

 確かに将来に対し変化の振れ幅が、今まで以上に大きくなりそうだと不安はあるでしょうが、来てもいないオオカミにおびえるのではなく、沢山ある社会のつながりから正確な情報を入手し、事業の本質で関わりがあるものから、企業の未来像を描く事です。できれば自社の目ではなく、お客様の視点で評価すべきですね。

 声の大きな人、著名人など意見の影響力が大きい人には見る人によってバイアスが掛かってきますので、情報の本質を理解し、対極にある情報を調べるなど、表層に流れる情報だけではなく変化する事象の本質を掴み、判断する事が大切ですね。

 でもそんな情報をたくさん抱え、自社の持っている資産・資質と言う視点から情報を俯瞰して切り取っていくと、新しいマーケットも見えてくるんですよね。その新しいマーケットが将来実を結ぶか、あまり予算を掛けずに事業を始めて見るのも、変化する時代に対しての多様化を模索する、一つの答えでもあります。




このままだとやばい、、、どげんかせんとイカン!

で、さてどうしましょう。

以前は順調に売上も伸びていたんですがねぇー、最近伸び悩んでいて今期赤字寸前。なんてお話しは掃いて捨てるほど聞きます、何かしなきゃいけないのはよく判っていますが、具体的に何をすれば良いんでしょう。今流行のインターネッツでお客さんを集めるために、ホームページを作りますか? 雑誌や新聞に広告載せますか? 目的も決めずにあれこれやってしまうのは、沈みかける船から逃げようとパニックになったネズミです。

以前買っていただいたお客様は、商品のどんなところに魅力を感じ、購入してくれていたのでしょう、安全性?信頼性?デザイン性?価格?。

売れなくなってきた原因はなんでしょう、競合他社が新製品を発売した?材料費の高騰で買い控えされた?社会通念上、使い方が認められなくなってきた?

先ずは売れなくなった原因をキチンと分析してください、その分析によって今ある商品に手を加え、競合他社より便利で使い勝手やデザインも良く、より安価な新製品を出しましょうか。材料費の上がり下がりの影響を受けない新素材を捜しましょうか。使い捨てや健康意識を考えた商品を出しましょうか。再び売るための新しい武器を手に戦場に戻るか、見切りを付けその業界から撤退するか、それとも競合他社の作れない、新しいセグメントの新商品を開発しましょうか。

商品に手を加えるにあたって、どこにお客様のニーズがあるのかを判断してください。お客様の意識やニーズ、社会環境が変化するから求められる商品も変化します。しかし変化が大きすぎてもう井戸が涸れたと感じられたら、撤収の時期かもしれません。一度社内の人的資産や、知的資産の棚卸しをして、変化し続ける社会の要請に応えられるよう、事業の多様化が転ばぬ先の杖になるかもしれませんね。




ライフサイクルを考えてみる。1

新しい技術が新しい商品を生み出し、飛び抜けて目新しい技術が入った商品ほど、ライバルは見あたらなく、一台一台も手作りに近く、作りも凝った構造が喜ばれ、ニッチで客単価の高い高価なマーケティングで、ある程度のユーザー層が出来た段階でブランドが成立します。企業としては一人勝ちのこの段階が一番美味しい期間かもしれません。

その内にライバル企業から、手の内を読まれ、より付加価値の高い商品が発売されます。最初に発売した企業は、より使いやすく、より高機能な商品を開発するなど、複数の企業がしのぎを削り合う事で、ユーザー人口も爆発的に増え、商品の生産台数が桁違いに増えて行き、一台の値段も新商品として発売された頃から十分の一程度の値段に落ち着いてきます。

これがコモディティ化と呼ばれ、量産化で単価が低くなり数を売るようになります。その内に単一機能の製品はユーザーに行き渡り、売れなくなってきますので、他のセグメントの機能を合体させた商品が出てきたりもします。ここまで普遍的な商品になってくると、単機能の性能がいくら高くても、性能に見合うだけの金額で買ってくれるユーザーはほとんどいなくなり、買い換え需要が大きなマーケットになってきます。

だいたいこんなところが、一つの商品カテゴリーといういわばミクロな視点で見る誕生から終焉でしょうか。家庭用ビデオデッキやウォークマン、と言った商品を思い出すとそんなライフサイクルだったと感じられますが、社会環境と言うマクロの視点で業界を見てみると、変化が早くなった現在、商品カテゴリーだけではなく、一つの業種にしても、このライフサイクルが当てはまるように感じます。

特に近年、職人の技をコンピューターが肩代わりする事で、消えていった職業が幾つもあります。私が仕事をしているグラフィックデザインという業界だけでも、写植屋さん・版下屋さん・製版屋さんのほとんどが消えていきました。Web業界でもhtmlやCSSのコーディングをメインにやってきた事務所は、生き残っていくのに厳しい時代になるでしょう。




ライフサイクルを考えてみる。2

1からの続きです。
じゃあどうすればいいか、グラフィックデザイン業界ならば、最近増えているページ物の仕事を増やす。:
ページ物のデザイン・構成がイラストレーターよりも効率的に作れる、インデザイン、またはクォークエクスプレスと言ったページソフトのスキルアップをめざす。

Web業界ならば、CGIやJavaScriptなど、プログラマーが強かった分野でのデザインをプラスした制御系に力を入れる。これはいずれも一般ユーザーには少し敷居の高い、より専門性を必要とする分野に自分の仕事をシフトする所からの提案です。

この様な社会環境の変化に合わせた対応の仕方もありますが、もちろんグラフィックにWebと言った単一機能だけでなく、両方を併せ持った「表現する事を複合的に行う事」で差別化を図れる事もあるでしょう。またSEO対策と言ったサイトの立ち上げだけでなく、運営までをもコンサルティングサポートする事も考えられます。

私が身を置く業界のミクロ的な回答になりましたが、業界以外でもほぼ同じでしょう。つまり自社の持つ売れる資産を買っていただくための形作りが必要、という事でしょうか。

しかしアメリカのサブプライム問題から発生した金融不安、世界経済低成長時代への突入かと言われ、先行きがとても不透明で、社会環境がどう変化するかが見えにくい時代になってきましたが、一つ言える事は「マスからパーソナルへ」が加速していく事でしょう。

大資本が必要な、重厚長大な施設の新設は少なくなり、個人や世帯単位の事業が増えてくると感じています。2011年の民法の地デジへの移行で、空いた電波領域を総務省が一般にオークションにかける事へ興味を持っているとありました。これでWiFiなどのインフラ整備のスピードが上がり、自宅でのPC利用目的のほとんどを占める、メールとインターネット閲覧が、PDAなどの機器で行えるようになり、外出先での情報収集とコミュニケーション能力が増強されます。

優良コンテンツ閲覧時に個人に合わせた広告が流せるようになり、大きな媒体となるでしょう、・・・答えはCMの後で。みたいな感じで。




<< 2/4 >>

Home > お仕事関連 > 変化する社会 > 企業も変わらなきゃ

Search
Feeds

Page Top

無料アクセス解析