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クリエイティブって

クリエイターとしての資質を磨くために

美大や専門学校などでは、デッサンやクロッキー、色彩構成など基本的な勉強をして、ビジュアルコミュニケーションを学んだ人は多いだろう。その先の実作業では先達たちが残した作品や、絵画、映画などからインスパイアされたり、自分の見たり経験した風景などの記憶から、仕事へのヒントへと繋がることも多いと思う。現在でも多くはそうではあるが、仕事の流れはクライアント→代理店→制作と流れているが、インターネットのインフラが整ったことで、ビジネスの垣根が取れた今、クライアント→制作とダイレクトに仕事が流れるようになったのも事実だろう。

間に代理店の営業などが入り、クライアントとの付き合いが間接的ならば、制作側のコミュニケーション能力は、仕事上のビジュアルコミュニケーションに特化した物でも構わなかったろう。しかし、クライアントとの直の仕事では、コミュニケーションはそれだけでは済まない、企業の体質や戦略を知り、その延長線上の道具であることを意識した、目的をマネージメントされた表現が必要になっている。

なぜそれほどまでにコミュニケーションが必要なのだろうか。依頼された仕事は何を目的でこの様な表現が必要なのか、キャッチコピーやビジュアルにしても、プライオリティーと言った順列を付け、それをキチンと口で表現する能力が必要なのだ。つまり売れっ子のディレクターやプランナーと言われている人たちが、バンバンと企画書を量産する作業に似ている。量産してもツボを押さえてあるから、クライアントにすんなりと伝わり企画が通るのだ。時代が求めるクリエイターは、この様なビジュアルコミュニケーションと言われる物を企画し創れるプランナーでもある。

企画書を上手に書く方法は、書店に行けば売るほど積んであるので、ここでいちいち説明はしない、と言うか説明できるほど私自身修行を積んではいない。自分以外の人に説明し、理解してもらうには何が必要で、どんな順番で伝えるのが効果があるかは、自分の頭で整理・理解し、相手に興味を持って聞いてもらえ、それが魅力的に見えるよう説明出来る能力が必要である。

手段によっては文章だけでなく、カンプ状態の絵も含めたプレゼンシートが有効かもしれないが、基本はやはり文章にすることで、何をどのようにプライオリティを付けて伝えることを説明し、メリットとそれにかかる費用など考え方を整理し、キチンと相手に伝わるよう説明できることだ。

これはもう文章を何でも良いから書きまくり、簡単でも評価をもらうこと。その評価に対して簡単な言葉で言葉のラリーを繰り返すことが出来ると、物事を階層的に捉え、考えることが可能となってくる。このトレーニングを簡単にできるのは、やはりブログや日記だろう。例えばmixiの日記などでは、気心の知れた友人とのコミュニケーションを、書く内容を少し仕事にシフトし、何をどう伝えるかを念頭に書いていくことで、コミュニケーションを楽しみながら十分なトレーニングになる。

今日明日はまだ使えないかもしれないが、5年後10年後を見据え、簡単なところから始めて見てはどうだろうか、何でもかんでも書いて書いて書きまくって、やっと見えてくることもある。




広告の未来が見えてきた。





新聞、テレビ、雑誌など、今まではこの3媒体に加えラジオを入れて、マスメディア4媒体なんて呼ばれていました。これら媒体は企業などの団体がスペースを購入し、伝えたい情報を広告としてコンシュマーに流す、一方通行の情報でした。

インターネットが普及し、Webの特性を生かした広告や、商品告知の方法は、今まで色々な方法使って試行錯誤を繰り返してきました。

その中でも、昨年のカンヌ国際広告祭2部門でグランプリを受賞した、ファーストリテーリング社の「UNIQLOCK」が、発想の斬新さ、ブログに貼ってもらうという媒体の使い方など、インターネットを使った広告の一つの方向性を示してくれました。

昨日初めて見た、SONYのビデオカメラHandy CamのWeb広告が、非常に優れた物でしたので紹介します。説明を聞くよりも、上の矢印をクリックしてみてください。

Web 広告の内サイトで良く見るバナー広告自体、効果的には相当目新しい商品など、それ自体に話題性がないと、ただ街で見る看板程度でしか見られませんでしたが、Handy Cam自体今まで長い時間をかけて特徴とブランドイメージを作り上げたおかげか、すんなりと作り手の思惑に乗せられる気軽さが感じられます。

メーカー側の購買ターゲット層も、お金を持っていない若い夫婦よりも、退職金や年金などで小金を持っているその親の世代を狙っている戦略に感じられます。

出てくるムービーは、子育て真っ最中の夫婦はもちろんのこと、自分たちの若かった頃とムービーを重ね合わせ、成長し嫁いだ娘の産んだ孫を見て、思い出という記憶から心地よさを共感させる事。

よく練られた良い広告です、特に成長した子供を持つ世代には、キラーコンテンツになる可能性を持っています。




全てを見せることの不自由

人の能力には、一を見て十を想像する能力が備わっています。
私が仕事としているクリエイティブには、デザインを通して情報を整理し、見る人に伝えると言ったことを要求され、仕事としています。

しかし綺麗にデザインし、整理された情報だとしても、次から次へと情報の洪水として見る人に提供されても、果たしてその情報を蓄積してくれるでしょうか。

目からはいる情報、耳からはいる情報・・・、人間は五感を駆使して情報を入手していますが、入った情報で必要のない物と判断されると、記憶に残すことはないでしょう。

しかし広告は見る人に商品という情報を伝え、必要だと感じてもらい、購買に繋がらなくてはいけません。

なるべく他の広告と比べ、変化のあるビジュアル、コピーなどで見る人に印象づけるのでしょうが、人間の脳が頭に記憶として残そうというきっかけは何なのでしょうか。

それはやはり見たときに感じた「キレイ」「気持ちいい」「うれしい」「かわいい」と言った「心の感動」がフックになるのだと思います。


広告などのビジュアル表現では、商品の説明を写真やイラストで、特徴や機能を説明している物がありますが、そのような表現はまず心に残りません。

特徴や機能はボディコピーと言われる文章で、十分ではないにしろ説明できます。

ビジュアルで表現すべき物は、商品を印象づけて記憶してもらう事です。
そして興味を持ってもらい、ボディコピーを読んでいただき、購入に繋げる事です。


例えば人が人を好きになる事ってどうでしょうか、最初に会った第一印象で、言葉を交わして興味を持ち、会った印象から、言葉からその人の背景を想像し、全体像として作り上げるのではないでしょうか。

広告では限られたスペースの中で、全体像を全て伝えるにはムリがあります。

例えばモデルの顔の表情から、手の動きから商品イメージを想像させ、伝えることは可能です。

一番上にも書いた「一を見て十を知る」と言うことです。

ロジカルに全ての特徴を表現することよりも、全体を見せずに隠しておくことで、見る人が背景を想像してくれたほうが、印象に残るフックとなります。

マーケティングやブランディングに戦略があるように、一枚の写真を作り上げるクリエイティブにも戦略は必要です。




デザインの仕方・考え方

我々がデザインという仕事に就いた頃は、業界内にも徒弟関係がしっかりとあり、先輩が版下の作り方から、企画の考え方などをみっちりと教えてくれたモノでした。

クリエイティブ、アートディレクターなどは、時代の気持を牽引するオピニオンリーダーとして、サブカル的なメディアからマスメディアまで、もて囃されてもいました。

これはグラフィックデザインに限られたことではなく、雑誌の編集にしても、同じようにディレクションする人は、みんなスタイルを持ち、こんな遊びが楽しいよね、こんなファッションがオシャレだよね、などと自分でも真剣に遊び、そんなオーラが制作する物にも現れていたので、コンシュマーや読者を牽引する力にもなっていたのではと思います。

現在でもデザイン事務所や代理店の制作では、先輩からみっちりと手取り足取り仕込まれるのではないかと思いますが、PCがこれだけ普及し、ソフトを使いこなすスキルも上がってきたことから、誰でもが表現出来る時代になったと言っても過言ではないでしょう。

絵画や写真、彫刻でもアートとは、自分の考え方、美しいと感じる物を表現することですが、デザインとはこんな機能を持たせたいなど、目的を内包した表現です。

商品企画やグラフィック、パッケージデザインなど、目的を内包したモノの表現の仕方を、誰かから教えて貰うのではなく、独学でやられた方も多いのではないかと感じます。

誰かが作った「パンフレットやフライヤー見たいにデザインして」と言う風にオーダーされたり、この写真を使ってこんな感じになど、ただデザインのためのレイアウトを要求されることも多く、何のために、どんな目的のために、と言った戦略や原則が忘れられている表現になってしまっているのではないでしょうか。

何度も言いますが、デザインとは目的を内包した表現です。

デザインする物は、どんな目的を持ってデザインされるのですか、どんな役割を受け持つのですか。

そこがクリアーになっていれば、自ずとどんなデザイン、表現にすればいいのかが出てきます。

後は見る人がどう感じられるか「先進的」「進んでいる」「その業界のリーダー」と見て貰いたいのか、それとも「フレンドリー」「私たちと同じ」「凄く共感出来る」などを、表現のさじ加減で意識の一歩前に出た表現にした方が良いのか、半歩だけ前に出た方が良いのか、写真やコピーの表現方法でコントロールします。

今年の頭に書いたコラム「親愛なるチャーリーへ」にも書きましたが、企画・構成に行き詰まった時のアプローチとして、広告を見る顧客を聡明な友人として仮定し、彼に説明するよう「親愛なるチャーリーへ」の一行から書きだし、最後に最初の一行のチャーリーを消せば、何をどう説明したらいいかがハッキリすると思います。

この様なやり方で上手く表現出来ないようであれば、私たち訓練を積んだプロにお任せください。

プロと二人三脚で考えながら作り上げていくことで、色々な方向からのアプローチの仕方があり、表現方法が沢山あることが実感出来ると思います。




クリエイティブのもう一つの意味。

パンフレットや広告を作る。

企業と制作するデザイン事務所との出会いは、今までは広告代理店や紹介などから、最近ではB to Bでのパートナーを見つけるための、マッチングサイトなどもいくつか出てきました。

このProFileも同じようにB to Bのパートナーを見つけることが出来るサイトの一つですが、もう少し具体的にサイト上で入札するようなサイトも見受けられます。

しかし選定の内容を見てみると、質でパートナーを選ぶのではなく、金額と納期で選んでいるのが現状のように感じられます。

必要なツールを必要な時に必要なだけ作る、非常に当たり前のことですが、コミュニケーションツールを作ると言うことには、その目的以外にももう一つ大きな意味があります。

扱う商品やサービスをきちんと伝えるために、物事をロジカルに捉え整理して作りますが、これを何度か繰り返す内に、見ていただいた方からの反響や効果などのフィードバックから、一つの商品やサービスだけではなく、企業としてのブランドというか、社会での中の立ち位置を計ることが出来ます。

大企業の場合、企業戦略としてシステマティックに構築する項目ですから、専門部署で仕事を仕切り、ブランドイメージやノウハウを蓄積していけるのですが、中小企業などではいろいろな仕事を兼任したり、限られたスタッフに集中するなど、ノウハウを管理するのも難しいのが現状ではないでしょうか。

このことから、特に中小企業で未来を見越した企業目標を持つためには、その場限りの仕事で考えるのではなく、企業ブランドを一緒に作り上げられるパートナーと二人三脚で進めるべきと考えます。

物やサービスを売るためには競合他社との差別化を、自社の特徴と優位点をキチンと発言していかなければいけません、企業としてPR能力がさらに求められています。

何をどう公表していくのか、どう表現してゆくのかは、基本となる自社の立ち位置(ポジション)が分からなければ、毎回試行錯誤を繰り返し、効率的・合理的に表現出来ません。

人間同士でも企業同士でも、真剣に付き合うことでお互いを高め合うことが出来ると思います。

一時的な目的でその場限りの付き合いよりも、決められた期間内でどのような目的を内包した制作物を作っていけるか、信頼出来る事務所と組んで作り上げた方が、結局安く早くできるのではないかと考えます。




うまい、安い、早い。の裏に潜む物

インターネットという通信のインフラが整い、誰もがサイトを立ち上げる事で自己アピールし、現実の社会と同じようにさまざまな取引も出来るようになりました。

そしてメリットとして、代理店という中間業者が要らなくなった事で、コスト的にも納期的にも発注するインセンティブが大きくなり、仕事をダイレクトに発注するメリットは、企業側からしたら計り知れません。

新しいインフラを利用したコスト削減とスピードアップは、作業効率を大きく上げる合理的な手法ですから、今さら昔ながらの手法に帰ることは考えにくいでしょう。

では、間に入っていた代理店は、何もしないでただ中間手数料を頂いていただけなのでしょうか。

中にはそんな代理店もあるのかもしれませんが、平たく言ってしまえば、マーケティングやマネージメントと言った企業側の言葉から、クリエイティブや顧客の嗜好がどこに向いているかの、作り手側の言語に翻訳し、制作者との調整に当たっていました。

ダイレクトに企業と制作者を繋ぐと、コストやスピードに関しては満足いくかも知れませんが、内容に関し「こんなはずじゃなかった」と感じることも多いのではないでしょうか。

これは、新しい仕事の流れになったのだから、新しい仕組みの中で仕事をしなければならないのに、従来通りの仕事の仕方で進めた事による、お互いのコミュニケーション不足から来る物です。

この失敗を避けるために一番重要なのは、発注する側が制作側のリテラシーを理解するか、時間とお金をかけ、納得するまでコミュニケーションを高めるかのどちらかです。

そんな事をしなくても2〜3度失敗すれば覚えるとも言えますが、わざわざドブに捨てるような、いわゆる“死に金”と言われるようなお金の使い方はお勧め出来ません。

大きな本屋に行けば、メディア別に教えてくれるエデュケーションブックも沢山ありますが、リテラシーを得るまでに多くの時間とお金が掛かるのも事実です。

そんな時に重宝するのが、この分野で活動しているビジネスコーチやコンサルタントです。

私なんかもこの様なコーチングは業務内容の一部ですので、声をかけていただければ伺いますし、べらぼうに高い金額を請求する訳じゃありません。

コンビニのバイト並みとまでは行きませんが、そんなに高額ではないと思いますよ。




マッチングサイトも差別化しだしたが

ビジネスの方法論として、Webサイト上のマッチングサイトを利用した、企業とクリエイターのエンゲージが増えています。

どこのマッチングサイトも、主催サイトに企業側からオファーを出し、簡単なオリエンテーションの上見積もりと納期を提示し、エンゲージするのが流れでしょう。

クリエイティブの世界でもいろいろなタイプの仕事があります、私の仕事としている売り物は、フォーマットされていない、一つ一つがオリジナルで重さもありませんし、幾つあるのか数を数えることも出来ませんが、最近エディトリアルの仕事などでは、デザインや色の使い方などがフォーマットされ、データベースを基にページを作り上げる仕事もあると聞きます。

今までクリエイターとクライアントが、一つの目的の物を作り上げるために擦り合わせし、あちらを削り、こちらを持ち上げ作ってきた物と、70%位の満足度のデザインで、時間や費用などの作業効率を上げた物に、別れてきているのではないでしょうか。

これはどちらが良いか悪いかではなく、求められるニーズの結果なのでしょう。

先日のコラムにも書きましたが、擦り合わせを必要としている側の仕事では、クリエイターとクライアントとがコミュニケーション出来るように間に代理店が入り、お互いの言語に翻訳する作業をしてスムーズな進行をコントロールしています。

一方のマッチングサイトでは、エンゲージ後は丸投げしてしまい、メールや電話対応などはあるようですが、間に入るようなことはしていないようです。

しかし、出来上がってしまうと思っていたものと違う、などとクレームを頂くことが増えてきたようで、一部マッチングサイトでは間に入り、有料で翻訳作業を開始したそうです。

ちょっと待って、それって今までの代理店がやっていた仕事とどう違うの。

と突っ込み入れたくなってしまいます、代理店の仕事を代表するとも言える営業職、代理店のアカウントとして専門的に長い年月ノウハウを蓄積してきた上での仕事なのに、現場に出ればクリエイティブ・クライアント両方から仕切りが悪いなど、尻を叩かれ仕事をしているのに、マッチングサイトがアカウントを始めたと聞いても『まともに仕切って仕事してくれるのか』はなはだ疑問です。

私も参加しているから身贔屓で言うのではありませんが、質を保証しつつ新しいメディアを利用し効率化を図るマッチングサイトの中で、ここAll About ProFileのシステムが今のところ一番合理的と感じます。




差別化というクリェイティブの考え方

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個人的なことを先に書かせていただくと、学校を卒業したのが1976年、ちょうど第二次石油ショックの頃で、今と同じくらいかそれ以上に就職難の年で、希望していたグラフィックデザイン事務所には就職出来なかった。

その替わりと言っては何だが、大型商業施設のプランニングから施工まで行う設計事務所に就職し、グラフィックデザイナーになったのは80年代の半ば頃だった。

商業施設のプランニングからグラフィックデザインへの転換は、思考方法から携わる期間なども全て異質な物で、手取り足取り鞭打たれながら指導いただきました。

一番印象深かったのは、メーカなどから依頼され広告を作る時に、一番のポイントとなる広告の切り口、メインビジュアルの作り込みの仕方や、キャッチコピーの考え方などで、競合他社との差別化をいろいろな視点で表現する事。

バブルの頃は、それこそ戦場のように忙しく、夜中も12時を過ぎてからコピーライターとのミーティングなどは当たり前「明日の朝まで100案作って持ってこい」などと、厳しい修業時代でした。

良く先輩に言われたことは、例えばメーカーの商品デザイナーの視点で、デザインした強みの部分を切り口に作り込むのか、販売担当者の視点で値段と機能を比べた優位性の切り口で作り込むのか、ユーザー視点で見る人に共感を得られる視点で作り込むのか、相手に伝えるための基準を変化させ考えないと、限られた時間で沢山の優れた企画は立てられないと。

例えばポケットの中にある数枚の10円硬貨を取り出し、ここにある全部の10円硬貨が依頼を受けた製品を取り巻く競合環境で、手前の最後の一枚が今回仕事を受けた製品だ。

みんな同じ10円硬貨だけど、最後の10円をどのように他の硬貨との差別化を打ち出せるか。

一つだけどう差別化を打ち出すが、メーカーが競合と比べ優位と考えた附加機能にプライオリティが感じられるのか、それを表現するにはどの様なビジュアルだと効果があるのか、どんなイラストまたは写真が受け入れられるか、それが広告を見るコンシュマーにどう受け取られるのか、プランがロジカルで整合性がとれているかどうか。

製品としてのライフが長い商品は、見る人が感じているブランド感を少し裏切ることも効果があり、どの程度、どの方向に裏切ればいいのかも考えます。

もう今からじゃ考えられないほど頭を働かせ、今まで見てきた写真集や雑誌などの“これは”と頭の引き出しに仕舞い込んだものを全部使い、何案もカンプを作り提案しました。

コンセプトがロジカルで、クライアントにも理解されやすい広告が良い広告とは限りません。

時には見る人をグイグイと引っ張るパワーも必要でしょう、そんな広告をはじめとするコミュニケーションツールを作り、長い年月蓄積することで商品の、メーカーのブランディングが出来上がってきます。

どう表現していくか、その商品でも企業でもどんな視点で見た表現が、一番共感されるか、クリエイティブワークの切り口を替える視点が必要です。




人それぞれに得手・不得手がありまして

ラコステポスター 東京モーターショーポスター

少し前になりますが、先日のWBCでは、思いもよらなかった日本の連覇で幕を閉じました。

個人的には野球というスポーツは、見るのもするのもあまり得意ではないので、ゲームに対する自分の気持ちを文章に、などと言う気は更々ありません。

ただしスポーツですから、生身の人間同士が真剣勝負をしていくと、練習で培った技術のほかに、個人の持つ能力の差が大きく出るのでは、と考えさせられました。

バッターに限った話としても、今回最後で大活躍だったイチローのようなテクニカルなバッターがいる反面、前回も今回も出場できなかった、ヤンキース松井のようなパワーヒッターもいる。

これはスポーツに限ったことではなく、私の仕事とするクリエイティブの世界でも、得意な分野と不得意の分野があります。

私なんかどちらかというと、ヒヤリングから相手の目標を客観的につかんで表現する、テクニカルを得意としていると感じますが、反対に芸実的な完成度の高い作品で、ぐうの音も出ない表現をするクリエイターもいます。

主に広告を制作している大きなデザイン事務所は、さまざまなタイプの人材を集め、表現に多様性を持たせていますが、我々の事務所のようなディレクターがスタイルを持ち、特化した分野に強い事務所もあります。

以前までは代理店などが制作会社をコントロールし、クライアントとクリエイティブをエンゲージしていましたが、社会環境の変化からさまざまなルートで、ダイレクトに仕事を頂く環境になりつつあります。

この事から我々制作側も表現に多様性を持たせるために、得意な分野で補完しあえる体制を取るために、セゾングループやラコステ、ブリジストンなどのポスター制作から、オブジェクトやイラストの制作などで大きな実績のある、(株)大木理人デザイン室と協力する体制を整えました。

彼とはデザインに関し職業訓練校のようだった高校時代の同級生で、気心が知れており、協業して仕事を進めていくのにも、安心して任せることが出来ます。

その替わり、ページ物の制作などは余り経験がなく、ミーティングなどで人とコンセンサスを取ることなども苦手な部類に入りますので、お互いの得意分野を活かし、不得意な分野は補い合う形で仕事をしていきたいと思います。

彼の今までの実績は、弊社のサイトに実績として掲載してあります、ホームランバッターとしての彼の仕事をご覧になってください。




想像力たりてる?

“想像力”ってクリエイティブなモノを作る時にはもちろん必要ですが、人が社会で生活していく上で必要不可欠な力の一つでもあります。

たとえ家族同士であっても人を思いやる時、この行動で喜んでくれるか悲しまれるのか、相手のことを考え想像することで自分の行動が成り立ちます。

もちろん家庭内だけではなく、恋愛の時に好きな子と接する時も印象良く感じてもらえるよう、想像力はフルに回転するでしょう。

人が人たる所以は“想像力”が有るか無いかではないでしょうか、豚や牛などの家畜動物に想像力があったら、絶対に生まれ変わりたくありません。

・・・毎食毎食ご飯をくれるこの優しい人間は、自分を食べるために優しくしているなんて、想像したくありませんから。


社会に出て仕事をし始めてみると、会社で働く人たちにも一人ひとり個性も違い、仕事も出来る人と出来ない人に別れているように感じますが、その差は必要な所で必要な想像力を働かせ、スムーズに仕事を運ぶ人と、余計な所に想像力を働かせすぎ、仕事の足を引っ張る人ではないでしょうか。

例えば営業職だったらお客様やクライアントから、印象がよく見られるために想像力を働かせるのではなく、頂いた仕事が評価され、満足していただくために想像力を働かせるのが、本来の営業という仕事だと考えます。

最近お付き合いしている代理店さんなど、担当の営業さんが若い方に変わったりしますが、仕事量が減ってきているせいでしょうか、余り経験がない人がいきなりクライアントを任されてアカウントしたりしていますが、ハッキリ言って仕事のジャマです。

我々の制作料金の中には、新人営業のOJTによる教育の料金は含まれては居ません。

クライアントは“このようなモノを作りたい”と目的を持っています、その表現方法のトーン&マナーがセーフなのかアウトなのか、考えている背景には何があるのか、それを制作側に正確に伝えてくれない限り、お互いに満足いく結果には至りませんし、恐ろしく時間も掛かり無駄な金額も掛かります。

クライアントと制作の間に入りアカウントしていくと言うことは、仕上がりのクォリティーと納期・コストなどを仕切っていくことです。

仕事をしていく上でのプロとして、今何が必要で何をしなければいけないのか、想像力をフルに働かせ後手後手に回るのではなく、仕事を仕切っていくのが評価される仕事です。

以前は先輩や上司が厳しく教えたのでしょうが、今は流行らないのか余裕が無くなっているのでしょうかね。




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