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何が求められてゆくでしょうか

情報の流れが変わったのは大歓迎!

私のいるグラフィックデザイン業界では主に広告の制作に携わる者と、雑誌の誌面をデザインするエディトリアルデザインに携わる者がいますが、表現する媒体となる新聞や雑誌と言うマスメディアがあることを前提に仕事が発生していたわけです。

しかしこの近年、人のマスメディア離れが顕著に見られ、多くの雑誌が休刊や廃刊に至り、新聞も広告収入の減少を嘆き、媒体を売る広告代理店さえ売上を大きく下げています。反対にブログやTwitterで個人が情報を自由に発信できる、ソーシャルメディアが台頭してきて色々な意見が聴ける事になり、事件や物事をなるべく公平な形で判断したいと思う人にとっては非常に嬉しい時代でしょう。しかし媒体が減る事=私たちグラフィックデザイナーの仕事が減ることですので、手放しに喜べることでは無いのですが、この数日マスメディアとソーシャルメディアのハイブリッドな?情報が入ってきて感じた事。気になるニュースは紙面の大きさや時間を気にせずに情報を短時間で入手でき、スムーズに判断が出来るようになったと実感しました。

ちょうど現在バンクーバーオリンピックが開催されていますが、前評判が高くメダルを有力視された選手が勝ったり負けたりすると、選手だけではなくコーチや元選手の方達が、客観的事実から事細かに解説してくれ、日が経つと週刊誌などで詳しく解説されるのが今までの報道パターンでした。

中には本人には別の理由があったかのもしれないのに、周りの判断や憶測で別の結論が一人歩きし始める事が有るのか、結構ある事ない事書かれたことでマスコミを嫌う人も中にはいらっしゃっるのも事実。

でも今は、選手がブログと言うソーシャルメディアを使って応援してくれる人と直接コミュニケーション取れています。印象的だったのがモーグルの上村愛子選手と、スノーボードの練習で転倒し試合を棄権した藤森由香選手。それとだらしがないと移動中の格好を批判され、反省が見られないとバッシングされた同じくスノーボードの國母選手

國母選手のものは本人のブログではありませんが、オリンピックと言うスポーツ大会は選手のためにあるのか、観客のためにあるのか、それとも国力を誇示するための道具なのかと、起きた事の本質を突いているようで考えさせられました。まっ、私個人的には男子中学生の息子二人をもつ身ですから、価値観のジェネレーションギャップとしか感じませんでしたので、騒ぎすぎとしか感じませんでしたけど。

それと同じくして世界各国でバッシングされていたトヨタ自動車のリコール問題、最初はアメリカで起きたレクサスのアクセルが戻らず、後付けされたフロアーマットが原因ではないかと、事故で亡くなられた方には大変失礼な言い方ですけれど火種は小さかったんですが、アッと言う間に炎上し、大きな社会問題にもなりました。でもね私自身車やバイクが好きでもあり、今までトヨタの作る自社製品に対しての厳しさも聞いておりましたので、報道されている記事からは問題の本質が伝わってこず、とても気になっていたりしました。

とはいえ私は一度もトヨタ車を所有したことはないんですけどね、でもアメリカで言われている大規模リコールと、日本で問題になったプリウスなどのハイブリッド車のリコール問題は別問題です。なのにテレビや新聞で流されるニュースはトヨタ問題として一元的に扱い、報道も分散的で事象の表面的なものに限られているようで、物理的な限界をもつマスメディアの欠点も見えましたし、いろんな方のWeb上の記事(※1)(※2)を見ると案外こんなところが問題の本質だったんだろうと。

それぞれのメディアの良いところ苦手なところを補完し合えば、いいとこ取りのメディアになるんではないかと考えるんですけどね、例えば紙や電子Bookと言われる媒体で定期購読してくれる読者には、現在一定期間しか公開していない新聞の記事を公開し、自社の記事はモチロンのことブログを含めた外部の関連記事にもリンクを張った、その記事についてのメディアポータルとなるサイトを作って行けば、ユーザーに受け入られると思うんですけどいかがなもんでしょうね。




身につかないスキル

もう仕事でPCを使うなんて当たり前、って何年前の話してんだよと笑われますが、業務用のドキュメント制作からプレゼンテーションまでと、何でもかんでも大体はひとりで出来てしまう。でもまぁ、中には営業用のツールとして商品案内の簡単なチラシやカタログのようなものを文章作成ソフトのWordなどで作り、プリンターで出力したものをお客さんに説明するときに使ったりしているよね。

日常的に顧客の要望にあわせた形でプレゼンも変化させる必要があるだろうから、使い慣れたソフトはスキルも付いて、作業効率も高くなるでしょうが、プリンターで出力ではなく、部数も多いので印刷しようとデーターを作ろうとすると、ほとんどのソフトは印刷用データ作成に適していなかったりしていて、印刷が上がってみたら思っていたモノとは程遠く、ガッカリする事もあるのではないでしょうか。

印刷については、まだ文章を構成する通常の仕事の延長線上にあると言えなくもないのでしょうが、Webサイトのページの追加や修正だとしたら、ソフトウェアのプログラミング業務のSEの方が近いしね、学生の頃などプライベートでいじっていない限りhtmlとかCSSとか言われても訳分かんないよね。

大体そんな時の仕事は自主的に行うよりも、上司からの一言でお前やれと貧乏くじ引くように、ウムをも言わさずにやらされる事も多いでしょう。

ソフトをいじるスキルも持ち合わせないでしょうから、本屋でエデュケーションブックを買ってきて、トレーニングやチュートリアルを作ったり、SNSのコミュニティーで解らないことを質問してみたりと、作業効率は低い上に短い期間で繰り返し同じような仕事があるわけでもないので、ソフトを使いこなすスキルが身につくはずもなく、一生懸命努力して作った割には評価も低く、仕事を振り返って見てみると無駄に時間を浪費しただけと言うことにもなりかねません。

事業として利益を上げるためには簡単に考えても商品をもっと買ってもらうか、買った時に頂いたお金をどれだけ使わないでいられるか。前者は商品の魅力をどれだけアピール出来るかでしょうし、後者は社内の仕事をどれだけ効率的に出来るかでしょう。今まで外注費という形で外部に支払ったお金を内制という形でプールしても、まだ人件費も安い若い人に作らせるとはいえ、その効率がいつまでも悪いままではね。

とは言え、たまに出てくる問題の、しかも一つ二つの部署のために専門教育するよりも、総務部門で社内のドキュメントマネージメントと制作・教育担当のなんでも屋として、非常勤でもいいから経験のあるアートディレクターを雇ったほうが中長期で見ていくとメリットがあるんではないでしょうか。

現在は業界全体に仕事も少なくなり、事務所を閉じる優秀なディレクターが市井に溢れていますから、買い手市場で質の良い人材を容易に手にも入れることが可能だと思います。機材の進化でコモディティー化し、内製で業務効率を上げることが出来るということは、その業務の仕組やシステムまでの責任までも背負い込むことですよ。




その考え方も確かにあるけれどさ・・・。

先日、かみさんが所属する職域のちょっとしたセミナーが新橋で行われ、その業界の人事を担当するマネージャークラスの人達が集まって、スムーズな人材確保の為にすべきことを、かみさんはプレゼンターとして講演してきたらしいのですが、その中に新聞社系の広告代理店のプレゼンターの方がいらっしゃり、人材確保のために作るパンフレットなど、見た人にグサリとフックを掛けるために金額的にあまり手を抜かず、キチンんとお金をかけて作らないといけませんよ。と、非常にお金の掛かったサンプルを手渡され、持って帰って来ましたが、一目見て印刷単価が減った分、コンテンツを充実させて売上確保しましょうという戦略なような気がしました。

たしかにね、従来通りに作るとすれば、10年前の制作費と比べれば現在はそのナン分の一になったのやらと、随分と安くなったものだと考えさせられますけど、制作する立場の人間から言わせて頂ければ、そんなギミック満載のパンフレットを作っても、来て欲しいと思っている人にうまくヒットすれば良いけれど、これだけメディアが多様化している現在も、印刷といった一つのメディアにお金をかけて口説きに行ったって、きちんとしたリターンが望めるのか、なんというかおめでたい代理店が未だに有ったのかと思わせてくれました。

現在これだけ持てはやされているソーシャルメディアが万全とは思いません、しかし昔ながらの力と、大きな声で相手を口説きに行ったって共感されなくなってきています。だから前回のブログにも書いたような女優の自然な姿から商品を感じ、共感してもらう戦略のように、誰に対してどのようなメディアでコンタクトを取らなければならないのか、印刷の媒体だけで差別化をアピールし、見た人に共感してもらえるのか。必要な所をすっ飛ばしても、自分の土俵に相手を引き出せればシメタもんと考えているとしたら、コミュニケーションのプロとしての代理店として少し恥ずかしい気がします。

・・・と考えるけれど、これは普通の営利を目的とする企業としたらアタリマエのことなんだろうけれど、社内組織が硬直した公益法人など、上の人間が自分以外は使えない馬鹿ばかり、と思っているような組織だと環境が変わったからといくら説明しても理解しないし、下の人間からプレゼンしても通らないし、と言う古い価値観で仕事が進んでいる組織としては、結局旧来のメディアを使った声の大きな人が相変わらず重宝されている環境だから、こんな代理店も生き長らえる事が出来るんだろうなぁ。

やっぱりこうゆう組織に対してどのように説明し、理解してもらえるかが自分の仕事のためには必要なんだとは思うけれど、そんな組織のTop自らiPadなんかで常日頃遊んでいる人も多いらしいが、NetのRom専でTwitterやfacebookなどでのコミュニケーションには自らは参加せず、実社会のコミュニケーションと別けて考えている人が多いんだろうな。




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