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気がつくか否か。

私はアートディレクターという職種に就いていますが、例えばうちの子供達に「ねえ、お父さんって何の仕事しているの?」と聞かれると、広告やポスターのデザインのお仕事と言っていたが、ただ単に紙面を綺麗に人目を引くデザインレイアウトが仕事かと言うと、いささか違う。

バブルの頃、代理店と組んでコンペする時などは、代理店のマーケティング担当から「このくらいの年齢層のこのくらいのレベルの人達に向けアピール出来る広告を」など、ターゲットマーケティングから導き出されたビジュアルなどを探し出して、こんなんでどうでしょう。と出した案をコンペに参加した複数の代理店の案から、クライアントの戦略に一番ピタリときた物にお仕事が回ってくるという仕組みでしたし、今でもそうなのでしょうたぶん?。

でも今はその頃のように代理店の営業やマーケの人たちとチームを組んでのナショナルブランドや大手クライアント、大規模なキャンペーンの仕事は皆無。先日もお話をいただいたクライアントさんの企業案内パンフレットをプレゼンしてきましたが、どこをどうしたい、ここをああしたいと言ったリクエストは無く、次期パンフレットはどの様なものが相応しいのかを提案させてもらった。もちろん企画から各ページのデザインなど全て一人で、初めから最後まで。

最近の仕事ではまず最初に相手先のWeb Siteをくまなく覗き、その企業の立ち位置を確認、そのパンフレットがツールとして使われる年月の間、社会的に陳腐化しないで使い続けられるか。そのステークホルダーに何をどう伝えるべきかを想定し、情報を理解しやすいであろうセグメントに分け、それぞれの情報ボリュームを考えた上でページ構成を考える。そのページの見せ方・伝え方でどう見せると理解されやすいかを検証し、表にするかグラフにするかイラストがいいのか写真にすべきかを決め、写真ならばどの様な写真にするのか写真のエージェンシーで画像を探し、イラストを探し、グラフを作り地図を作る。

カンプが出来上がるまでどう頑張ってもひと月近くかかる、これに企画書つけてクライアントにプレゼンに行き、作ったカンプをたたき台に擦り合わせをし内容をさらに充実させ、さらに完成度を高くする。これがどんなにスムーズに進んでも、印刷入校までやはりひと月以上は掛かってしまう、一番大切なのは誰に対してナニを伝えるのかと言う点と、どこを問題としてどう注意して見ていくかの視点をクライアントと共に共通認識として持つこと。

間に代理店が入っていると、このクライアントとクリエイティブとの意思疎通が上手くいかない場合がまま有りますが、流石にクライアントと直に取引を始めたらそのような心配がなくなったのは当たり前か。

現在やっている仕事を振り返ってみると、グラフィック・デザイナーとして写真を決めたりイラストを探したり、レイアウトの作業をするのは全体の仕事の内せいぜい15%ぐらいだろうか、しかしデザインの仕事とはこのような物なのだろう、ただ綺麗にレイアウトされたものではなく、使う人が使い易い一つの道具として作る事が出来なければデザイナー失格だろう。

DTPオペレーターとデザイナーとの間はイコールではない、クライアント側で使われるようになった時に、道具として想定した仕事をこなすものが作れるか否かだ、これがオペレーションとデザインの違いだろうね。




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