- 2009/05/28 Thu
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小さい頃から絵を描くのが好きだった。学生の頃美術の評価が高かった。カタカナ職業でかっこよく見えた。クリエイティブな仕事にあこがれを持っていた。・・・などなどGraphic Designerを目差した理由は沢山あるでしょう。
私がデザイナーを目差していた頃、広告は美術だという意識があり、1970年に「日宣美」(日本宣伝美術会)と言う団体が解散した後にも、Tokyo Art Directors Clubなどの団体がアートディレクターの専門的職能を社会的に確立、推進する目的で設立され活動しています。
社会的に確立、推進する目的という事は平たく言ってしまえば、社会に認められ地位の向上をめざすと言い換えてもいいでしょう。
その他にも社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)などの団体が、ほぼ同じような目的で存在し、その年に発表された優れた広告表現などを年鑑として一冊の本になって出版されています。
日本のグラフィックデザイナーの多くは・・・全員と言っても良いと思いますが、作った広告がこのような団体から「優れた広告である」とお墨付きをもらう事を一つの目標として、イイ広告とはと日々考え向上心を持って制作していました。
このような目的が背景にあったからでしょうか「広告は文化である」といった風潮があり、今でも確かにそんな一面も残っています。
マスメディアに登場する広告とは、企業がメディアの媒体を買い取り、そのスペースを企業が発信したい情報を流すと言った、一方通行のコミュニケーションで、コンシュマーが望んでいない情報もそのまま流されるモノです。
だからと言いましょうか、見て不快なモノは購買行動に繋がらない事から、良いイメージを持ってもらうために、美術としても通るクォリティーでさまざまな表現を駆使して制作していました。
そんな業界団体から度々お墨付きを頂くデザイナーも登場し、一緒に作り上げるコピーライターやカメラマン、イラストレーターなどさまざまな横文字職業も紹介され、広告のトレンドのようなモノも出てきたりしました。
グラフィックデザインの仕事は、広告でポスターなどを作るだけではなく、会社案内や商品カタログ、チラシやDMと言った販促用のツール制作にも携わり、企業と社会のコミュニケーションの最前線にいて、沢山のデザイナーが沢山の仕事をこなしていました。
しかし、PCが一人一台が当たり前になり、ソフトウェアの使い勝手も専門スキルをあまり要求しなくなった事で、コモディティー化が進み、誰でもが原稿を制作出来るようになりました。
インターネットの発展により、マスメディアと言われていた新聞や雑誌などが衰退し、デザインを必要とする媒体自体が減ってきました。
そんな中でも従前通りに美術的完成度を求められる仕事が皆無になったかというと、総量こそ少なくなりましたが、いまだに多くのクライアントから求められています。
仕事が残っているとは言えグラフィックデザインの仕事の総量が減ってきている事には変わり有りませんし、コモディティー化で誰もがデザインに参画出来る状態になっており、その結果高度な専門知識を必要としていた質の高い表現は減り、次から次へと大量に消費されるような作品が増えたと感じるのは私だけでしょうか。
元々グラフィックデザインは、クライアント企業が社会とのコミュニケーションを目的に、手段として広告や販促用ツールを作っていたわけで、媒体がさまざまに変化しても「買って欲しい」「愛して欲しい」といった目的は変わりません。
これから先グラフィックデザイナーに求められるものは、今まで求められていた美術的センスも必要とされていますが、マーケティングや各メディアに対するリテラシーを持つ事も要求されていると感じます。
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