- 2009/10/25 Sun
- お仕事関連 > ブランディング > 差別化の為のブランディング
昨日は地元中学に通う長男と次男の文化祭、地元自治体のホールが老朽化のために取り壊されることになったので、中学生にでも使わせるかと文化祭をそのホールで、と言う事で今まで学校で行われていた文化祭をこの自治体のホールで行う事になった。
中学の文化祭なんてお化け屋敷や模擬店、体育館では軽音楽クラブがHit曲を演奏すると相場は決まっていたが、ホールで行う事で生徒が発表する物は各クラスの合唱コンクールだけとなった。いままで学校で行われていた文化祭には一度も足を運んだことも無かった、来られても息子達は学校生活というプライベートを覗かれるようで恥ずかしいから、来るなよと言ってはいたが、わざわざ自転車を飛ばして見に行ってきた。
その内容については特に書くことはありませんが、自治体のお役所に隣接するホールと言うことで、地理的な場所として行政を始め近くには駅もあり、人も集まることから商業に関しても自治体を代表する場所であることは、多くの人も認めるところでしょう。
実はそんな地域だから文化祭での合唱を見るついでに、家の近所にあるスーパでは手に入れることの出来ない商品を手に入れるため、そのホールの近くにある大きなスーパーの食料品売り場で手に入れる事を目論んで行ったのである。
だいたい大手スーパーはマーケティングなどの理論的なマネージメントは長けており、お店の持つ商圏に居住する住民の生活者特性から商品構成をバイヤーが決める。だから住む場所を捜す時は、その場所の近くにあるスーパーの品揃えを見れば、そこに住む住民の世帯収入や家族構成、文化的レベルが見て取れる。
その店の食料品売り場の野菜売り場一つ見ても、生鮮の洋野菜やハーブ類を置いてあるか、加工したカット野菜やサラダ向けの野菜の品揃え、フルーツの売り方と品揃えがどんな物か、また総菜コーナーでの売り方や品揃えにしてもだいたい生活者は特定できる。
しかし、その店に探していた物はなかった。
歩いていける売り場面積も小さく、食品専用の近所のスーパーにはなかったが、少し足を伸ばして自転車で行く距離のスーパーにはある。そのスーパーと今回行ったスーパーの売り場面積はほとんど同じ、距離としてはまぁ5kmぐらい離れているか。一つは軒並み破綻した大手スーパーの中でも生き残る、コンビニ大手が店名に名前を連ねるスーパー、もう一つは隣接する都道府県に10店舗ぐらいの店舗を持つ、リテール商圏を対象にしたスーパー。
しかし品揃えからして一方のナショナルスーパーは個人的に落第である。食品売場の構成としてはスーパーの名前にも入っているコンビニの商品構成に生鮮三品など毛の生えた程度で、地域の生活者を特徴的に表す商品や、一部の人の求める限られた商品を切り捨てているところを見ると、店のバイヤーの意見よりも地域を統括するであろう、本社に近いバイヤーがマーチャンダイジングを決めていると考えられる。
反対に「この程度の品揃え」と私の居住する自治体に住む人たちの生活者特性が特定された事で、スーパーから見た居住者の程度が低く見積もられる事は、企業に対する信頼感さえ揺らぐ感じがする。
日々の生活に必要なだけの生活必需品だけなら競合店も多く、非常に狭い商圏になってしまう。この店に行けば(たぶん)求めている商品があるだろう、と思わせる事で集客すると商圏は広がる。
顧客の求める品揃えをする事が差別化の一つの要因ではあるが、潜在的に求める事をうまくつかむ事で、その差別化をより大きくする事が出来る。確かに揃えていても売れなければ売り上げ効率として悪くなるのは理解できるが、流通に関する理想や社会との関わり方と言った、企業の根幹とも言えるプリンシプルポリシーによっても変わるのだろう。
探していた商品が特別な料理に使う希少価値のある商品ではない、パルメジャーノチーズに加糖されていないコンデンスミルク(エバミルク)のたった二つである。
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