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本能でブランディングを嗅ぎ分けている感じです

Gigazineの7/14の記事に【「小悪魔ageha」編集長にインタビュー、世の中には「かわいい」か「かわいくない」の2つしか無い】という中條寿子編集長へのインタビュー記事が載っていました。

最近は雑誌は余り読みませんし、ましてや女性誌に関しては性差の違いか、求める物の違いからか、銀行や病院の待合室に置いてあっても手に取る事はあまりなかったので、この「小悪魔ageha」という雑誌はせいぜい書店やコンビニで表紙を見た程度でした。

しかし、この編集長へのインタビュー記事を読んでみて、頭でっかちにブランディングを語る人たちの言葉と比べ、非常にシンプルで解りやすく、例えば本能で辿る道を選んでいるような明快さでブランディングを語っているようで、力強ささえ感じました。

実際に本としてはどうなのかと言えば、日本の代表的な女性誌のCanCamの34万6466部より下で、non・noの25万8648部より上の、公称30万部の発行部数を誇る雑誌だそうです。

詳しい詳細は実際に記事を読んでいただくとして、インタビューの中で気になった所をあげてみます。



書店売りしかない雑誌などは本屋さんに行って、すごく面白そうに感じた雑誌は買ってしまいますね。でも、最近は「これは伝説になるぞ、今のうちに買っておかないと!」って思うようなものはないですね。以前は伝説になりそうだなって思うものが結構ありましたけど。

伝説と思うものって、やってはいけないものだったり、完全に編集者が職人として作っているものが多いので、面白いものが多いんです。その代わりにクレームが多かったり広告が入らなかったりして、本として成り立たなくなるような場合が多いようです。だからなのか、最近ではそういった雑誌がなくなりましたね。



基本的に雑誌ってカルチャーやオピニオンと言われるような、興味を感じる・共感出来ると言った、読んでくれる読者をグイグイ引っ張っていくようなパワーが必要なんじゃないでしょうか、少なくとも十数年前のサブカルのリーダーと言われた雑誌にはそれがあったような気がします。

確かに以前と比べ流通している情報量は比べものにならないほど増えていて、その中でどう遊んで良いのか解らなくなっているような所があり、マーケティングとかマネージメントという点から効率化や、企業の窓口としてペイパブと言った形で本を切り売りし、買ってくれる読者の求める物が見えなくなっているのではないかと感じます。

これは雑誌を作る事だけに限った事ではなく、私たちが居る広告業界にしても、最近余り面白い広告が少なくなったと感じる所から、同じ所に原因があるのではないかと感じます。

また、以前このブログにエントリーした「選ばれるために」で引用した、作家の村上春樹さんが本の中で、お店の経営と作家としての活動の基本的なポリシーは変わらないとした文章と同じような事も言われています。



ageha:基本的には本当に読者が求めている事とか、共感できる事しか載せないのですが、得てしてそれって批判を産むこともあると思うんですよ。例えば深夜放送でやっていたことをゴールデンですると受け入れてもらえないみたいな。でも、わたしたちは自分たちの為に雑誌をつくっているのであって、正直agehaが狙っていない層の人に読んでもらわなくてもいいと思っているんです。けど、今はあまりにも広がりすぎていて、いろんな人が読んでいるじゃないですか。だから、わたしたちが感じた事を共感できない人とか面白半分で見ている人、「このメイクが変」だとか「この頭は何だ」という気持ちで見ている人からすると、不謹慎に見えたのかもしれません。

Gigazine:ここまでのインタビューで「読者目線」「わたしたちの求めているもの」という話しから今の話を聞くとなるほどと思いますね。

ageha:でも、それが分からない人にはわかってもらえなくてもいいと思っています。



この引用文はインタビューの最後の方に、雑誌で「飯島愛追悼ページ」について説明した文章ですが、全ての人に向かっていい顔は出来ない、私たちの求めている物はこれなんだ。と、雑誌が読者から求められている物を作り続け、「5万部にしてでもいいから、みんなで共感できるものをわたしは作りたいと思っています。」と締めくくっています。

しかしまさに手を挙げ表明するのがブランディングと言う事を、シンプルで的確に表現し、成功している事例だと感じます。




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