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企業トップがやっておくべき事

一口で企業と言ってしまいましたが、まぁピンからキリまでありますので、一応中堅どころの企業としておきましょうか。十数年前に某企業さんの社員向けに「広報マニュアル」を作り、専門部署でない社員に広報の仕事を認知させるためのものでした。それを少し現在に合わせる形で、このブログにも掲載していますけれど、専任の担当者が読むマニュアルではなく、広報という考え方を社員全員が共有し、社会と向きあいましょうといった趣旨のマニュアルでした。

先日仕事のお話をいただいた法人さんの広報担当者に「ここまでベースが出来ているので、法人独自のアイテムを入れ、社員用のマニュアル作りませんか」と問いかけしてみたが、重要度は理解しているが、現在はまだあその時期ではないと言うお返事を頂いたが、新しい通信機器と言うか、デバイスが登場してこれからさらに大きく社会が大きく変化していく変節点を見逃すと、将来へ向けての方向性を見誤るよ、と言いたくて今日のブログにしました。

新しいデバイスなんて大上段に構えるものでもないのでしょうけれど、要はiPhoneとiPad の二つの機器の登場です。

なぁーんだ、と思われるかもしれませんが、この2台の機器の登場がユーザーに諸手を挙げて受け入れられているところを見ると、今後後発各社から似たようなコンセプトの機器が多く発売され、様々なサービスが提供されていくでしょう。

電子書籍は言うまでもありませんが、様々なコミュニケーションがこのデバイスを通して行われることになると、そのサービスを提供してゆくサービスも今までの概念から出てこなかったものが、沢山出てくる可能性が大いにあります。

今そんな新しいサービスを模索している人たちは、社会に出た頃にはインターネットと言うインフラがあったところに生まれてきた人たちで、紙と電話で仕事をしていた人たちとは思考そのものが違っています。そんな思考の人達が欲しいと感じるものを、紙と電話で仕事していた人たちにプランしろと言っても、魅力あるモノは出来ませんよ。

例えば先日の事業仕分けで話題になった運転免許の更新の時に配られる教本なども、このデバイスを使えば本としても使えるし、見なければいけない映像だって見ることができますし、正誤のアンケートを取ることさえ可能です。

そんな人達でさえ、スタンドアローンのPCに、記憶デバイスの容量を競ったクリックとポインタで閲覧するサイトで育ちましたが、iPhoneやiPadの世代はタップ・アンド・スクロールで、データーはすべて外部サーバーへの保存と言うクラウドが基本で、どこからでもアクセスし利用できます。

そんな環境で育った人たちが求めるモノやサービスを考え、作っていけるのは同じ環境で育った人たちに任せた方がいいものができます。いいモノやサービスができると同時に、それを広める方法もその世代の人達はすでに持っています。

今まで企業の一部署で行われてきたことが、個人単位でも出来る環境になってきているのです。だからこそ一人ひとりが企業の顔として発言してもおかしくないように、企業が社会とのコミュニケーションを専任の部署だけではなく、多くの社員が共有することが、より大切になってくると思います。




7月16日 金曜日の夕刊

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そろそろ梅雨も開けたかと感じるほどの暑い一日だった16日の夕刊に、Tokyo Art Directors Club展の告知広告が載っていた。今までの広告もADC賞展、と言うよりはコピーでのメッセージを全面に出したTCC(Tokyo Copywriters Club)みたいな広告が多かったのも確かですが、今回のキャッチコピーは「企業の繁栄のためにはアートディレクターが必要ですよ」とでも言いたげな「社長の横に、アートディレクターを。」というメッセージ。

確かに、コモディティー化が進んで誰でもがデザイナーですと宣言してしまえば、なれてしまう職業ですし、そんなデザイナーも増えているのでしょうか、デザイナーという肩書きを持った人は以前よりも増えているような気がします。簡単に出来る仕事になったからなのか、コンセプトや内容を詰めないで安易に出てくる広告に「オイちょっと待てよ、広告はもっと大事なモノだよ、しっかりと作り込んで出せよ」と業界の重鎮の方たちからのメッセージだったのかもしれません。

以前のブログにも何度か B to C で商売する企業は、広報という考え方を企業TOPは持たないと、コンシュマーやカスタマーといった顧客とのコミュニケーションが、これからの企業経営には重要になっていますよと書いてきましたが、今回のADC賞展の新聞広告は、それをもう一歩踏み込んだ意見だったように感じます。

社内の人材をアートディレクターに並ぶスキルを持たせるために教育するよりも、優秀なアートディレクターを引っ張ってきちゃったほうが簡単に良い人材を取れるとは思うんですが、海外支社を作るときにその海外で人材を求めるよりも、社内の人間に語学研修させて送り込むといった、余り効率的と言えない風土が日本にはありますからね、浸透するにはかなりの時間がかかるような気がします。




輪の中で一部が欠けたら・・・

輪の中でというタイトルにしましたが、日本という国では、輪=和なのかもしれません。

日本は今までも大きな災害にあっても復興し、前に進んできましたが、今回の震災では地震の影響で2種類の災害にあったように感じます。一つは地震による被害と、それが引き金になった津波による被害。もう一つは福島第一原子力発電所の津波による冷却システム不全から来る原子炉の炉心融解事故。

地震と津波による被害も今日の段階で死者と行方不明者合わせ2万7500人と、とても多くの方々が犠牲になりましたが、福島第一原子力発電所の事故以外でも、多くの発電所が被災し、発電することができなくなったことから首都圏でも計画停電を行うなど、震災以前の生活と比べ、市民生活も変えざるを得なくなってきたことは間違いありません。

震災から3週間を過ぎた現在も、行方不明者を懸命に捜索が続けられるなど、まだまだ被害全体の把握や、これからの復興に対して考えることすら不謹慎に思えるほど広い範囲に被害がありましたが、現実的に考えると電力不足から来る日本経済の先行きの不安。

大震災前でも、グローバリゼーションという世界に向き合うマーケティングに、日本の将来に向けたビジョンを見通すことが出来なかったのに、この災害に対応するためにさらに見通すことが出来なくなるのでは?という不安。

経済ってものを全く知らない者がこんなことを言うのはどうかと思いますが、社会の仕組みってバランスで成り立っていて、電力の供給はその社会の根幹に関わるところなのに、原発の事故で日本の電力供給の23%を担っている原子力発電が「やっぱり原発は危険だから」と操業を認められずに、長い時間電力の供給不足になった結果、円滑な作業ができなくなるとバランスの一端が崩れ、経済という輪の一部がかけた状態になってもらいたくないと切に希望します。

当然これを期にリスクも少なく、温暖化ガスの排出も少ない太陽光発電や風力発電へのスイッチの議論も盛んになると思いますが、何となく私の感じるクリーンエネルギーの理想とする状態は、郊外に大規模な発電所を作って各家庭や事業所に配電するのではなく、使う地域などで発電したものをその地域で消費するという考え方。

クリーンエネルギー先進国のドイツは、現在では16%がクリーンエネルギーでまかなっており、その4割は風力発電だという。確かにCo2の排出量も少ないし、国民のコンセンサスも取りやすいだろうけど、現在の電気行政に変わって新しいシステムに電車を乗り換えるように直ぐには乗り換えることが出来ないと思います。

やはりこの国の将来を見据えた形で計画を中・長期的に変更するのは構わないと思うけど、現在の事故から短絡的な主観的感覚で原子力行政を否定するのではなく、現在でもしぼんでしまいそうな経済状況を維持しつつ、一日も早く被災地が復興できるような判断をお願いしたいところです。




知って行動せざるは罪である

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タイトルはソフトバンクの孫社長が、「エネルギー政策の転換に向けて」と
私財10億円を投げ打ち、自然エネルギー財団を立ち上げた時の言葉です。


孫正義:2011年をエネルギー政策転換の年と位置付け、個人としての寄付10億円で自然エネルギー財団を設立いたします。10億で足りないことはわかっていますが、これはスタートの原資として、世界100名のトップ科学者との意見交換の場を作る。議論のきっかけを作るための財団。シンクタンクのようなもの。自然エネルギー発電にはいろいろある。どれがいいのかはこれから勉強して行く。太陽光発電だが、電気使用のピークは日中。電力の消費量が最も多いときに太陽は出ている。そこに当ててはどうか? 太陽光発電を否定する意見の多くは、曇りや雨のとき、発電出来ないというもの。しかし、天気の悪いときには、火力発電を使えばいい。バッファとして考えている。

・・・なんか、昔偉いお金持ちの財界人が、地球の将来を心配して世界中の知識を集め、全世界賢人会議と言われるシンクタンクを作った。名前はそう「ローマクラブ」。

イタリア・オリベッテイ社の会長アウレリオ・ペッチェイ氏が私財を投じ、地球の将来を見据えたシンクタンクが必要と1968年にローマで初の会合があったことから「ローマクラブ」と言われているけれど、4年後の1972年デニス・メドウズらによる「成長の限界」が出版され、成長・成長とイケイケムードの世界に冷水を浴びせた。

今回の孫社長がやろうとしている事が、アウレリオ・ペッチェイ氏とダブって見える。しかし今現在、国や官僚とメーカーの創り上げた原子力を元にしたエネルギー政策は非常に強固と言われていて、今回の福島の事故の後でも白紙に戻すことは非常に難しいように感じる。

官僚:忘れやすい日本人だからさ、10年くらい大人しくしていれば、何事も無く新しい原発も作れるからさ、少しだけ我慢してよ。と何も手を加えずに先延ばしになった時間だけを潰して終わりそうな気もする。

でもこの時期にドンキホーテのようにルシナンテに乗り、「知って行動せざるは罪である」と、風車に立ち向かおうとする孫社長の行動は尊敬できる。

たしかにそんな事やる前に、SBのユーザビリティを何とかしろよと言いたくなる人も居るだろうけど、すまないが私はユーザーではないので他人事である。

ペッチェイ氏の作った「ローマクラブ」と、孫さんが立ち上げた「自然エネルギー財団」とでは決定的に違うものがある。「ローマクラブ」は現場の消費するだけの生活を続けていくと人類は滅亡すると警鐘を鳴らすだけだったが、「自然エネルギー財団」はビジネスとして成りうるかを検証し、なると判れば資金調達して事業に出来る。記者会見の質問でも、ボーダフォンを買った金額より、東京電力と東北電力を合わせた金額のほうが安いとのことだから、誰も動かないのなら孫氏自ら動く可能性もある。

と、どうなるかは別として、一つのビジネスとして成り立つものか、大いに協議し、何かしらのブレークスルーをもぎ取ってもらいたいものです。自然エネルギー財団という名前も、きっかけとなった原発事故から「フクシマクラブ」なんてどうだろうか。

しかし声は届かないでしょうが一つだけ言わせていただければ、出る釘は打たれる。ローマクラブを立ち上げたペッチェイ氏はその後、1984年3月、視察で訪れたアラブ首長国連邦でヘリコプター事故により他界している。噂ではあるが、マフィアによって消されたという話があることだけ付け加えておきます。


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